知人に未開封のプラモデルを5000個持っていた人がいた。集めに集めたりである。ロボット系が一番多くて、次は飛行機だ。自宅の地下に20坪のスペースを作って積み上げていると言っていたがぜひ見たいと筆者。地下風景を撮影したい。彼はデザイン会社を経営していて、私も小学校や中学時代に、飛燕やゼロ戦や戦艦大和、大阪城、海賊船程度なら兄と一緒に作ったが、手先が不器用でプラモよりすでに完成されたブリキの鉄人28号などが好きであった。いまでもガーデニンググッズコーナーへ行くとブリキ製品を手に取る。ブリキのランプも買った。

 

プラモはシンナーの匂いや糊での貼り付け作業があって、匂いも苦手。定年になって、プラモで『おでん屋台』とか『ラーメン屋台』とか屋台シリーズを2個作ったが、これさえ上手に作れず、われながら少年期から不器用さは変わっていないと納得。プラモ愛好家の商品を1個1000円として500万円の資産がある。お宝鑑定団に出すともっと価値が出るかもしれないが『売る気はないよ。会社経営が苦しいときに売るかもしれない』と言っていた。健全なマニアと言ってもいいが、こういうマニアティクな性格ってどういう状況で生じるのか興味深いところだ。女性はブランドものや人形集めやタレントグッズなどわかりやすい。

 

しかし、男の収集癖は多種多様で面白い。町の図書館の蔵書よりはるかに多くの書物を持っている人も多いし、絵画やラベルやワインや地酒、パソコンやその部品、オーディオ、ライターや時計、マッチ箱、映画のポスター、アダルトビデオ、盗撮の映像、DVDやCDを整理して家族に進入を許さない人も多い。オーディオも金をかけると際限がなくて、1000万以上音響製品につぎ込む人も身近にいた。彼はタバコ・酒やらずである。中年で少女人形をこっそり集めている元公務員も知っているが犯罪性もないから知らん振りをしている。スポーツ選手でよくいるのは、筋肉つくりに『これしかない』と思い込み、次々高い運動器具を買って実践していたり、誰も保有していない輸入車やバイクに凝ってる人も多い。医院を開業している高校の同級生は、毎年毎年、乗る輸入車を乗り換えて発散していると言っていた。共通は『物』へのフェチと外の社会へのアピールと自己満足である。

 

普通のサラリーマンやOLは『仕事フェチ』で抽象的な世界に生きているがお金があると買う・集める・整理する。忘れていたが、お札フェチ・通帳フェチもいた。軍人なら共産圏に多かったが、勲章をたくさんぶら下げて悦に浸る勲章フェチもいる。子離れをしない母親の息子フェチも近年多い、夫へのフェチは飽きたのだろうね。しかし、最近、最大のフェチはスマホフェチである。手から離さない。スマホでなくてもデスクトップやノートパソコンから離れないパソコンフェチも似たりよったり。人間は、自分の向こうに中かを夢想して生きる宿命があるみたいで、フェチの根源は、ひょっとして未来への不安、または他人と切断される自分を想像したくないから生じる。フェチは性的なニュアンスで捕らえる人が多いが、きっとそうなんだろうと思う。精力がなくなれば、何も集めたくなくなるから。

 

欲しいものがたくさんなるって、したがってまだまだ生命力がみなぎってる証拠だと思いましょう。私は、そんなに欲しいものが加齢とともに無くなった。強いてあげれば息子の嫁さんですかね。プラモ5000個の話から、マニアそしてフェチと話はぽんぽん変わったが、他人に迷惑をかけずらいマニアは(まったくかけないということは人生上無い)、夢を追って欲しいと思う、またそうした人がいて物が売れたり、社会は動的なものになる。

 

 

  1. 3Dプリンターの時代。

    そうですね。男は物に凝る性質の動物ですね。周りにも色々なこだわりを持った男たちがいましたね。一つの事に集中する男もいれば,僕のように次々浮気な男もいますね。知り合いにプラモ好きが嵩じてプラモ・ショップを開いた男もいました。そんな店には同じ仲間が集まりますね。彼はパース(完成予想図)を描く事も得意でしたね。しかし,今ではPCで3Dで作成する時代です。その後の彼には合っていませんが?ショップは閉めたようです。今では3Dプリンターさえ登場していますからね。

  2. 「体力の限界!」

    友達はスキューバ・ダイビングのライセンスを取ってよく海に潜って写真を撮っていました。その後は,ロード・レースの自転車に乗り換えました。いずれも身体を使う過酷なスポーツですから年を取って「体力の限界」となりました。

  3. 楽器に凝ってバンドに参加したり,油彩に没頭したり,モダン・ジャズにのめり込んだり,古い車のリストアをしたり,カメラに凝ったり,クルマに凝ったり,短歌や俳句や淡彩画に手を出したり,PCにのめり込んだりとキリが無いですね。この先はどうなのか?自分でもわかりません。

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