ある人が『カカオの現実、生産と流通について真実を追いかけると命が危なくなるかもしれない』と言った。調べると、主な原産地が西アフリカであることがわかる。コートジボアール、マリ、トーゴ、ガーナ。横たわるのは子供の奴隷労働の実態である。チョコレートはグローバル企業が扱っていて、ネスレ(スイス本社)、ハーシー(アマメリカ)、マース、クラフト、ADMココア(実態はカーギル)、ゴディバ。中でもネスレは売上げが105兆円である。原料の供給をしている、もちろん自社ココアも作っているが。下記の図がネスレが供給している先である。ちなみに日本は主にガーナ政府と森永製菓がココア、チョコは明治製菓と棲み分け(?)している。

西アフリカにはカカオ従事者が何百万人もいるが、そのうち6歳くらいから家族から安く売られたり、強制的に拉致されてカカオ農園に連れてこられて14時間以上働く子供たちがいったい何人いるか正確な数字は、当事国の政府の妨害もあって困難だが、人権家やNPO法人が現地に入り部分的にレポートを書いている。

まだ味読ながら、図書館へ予約を入れたので、いずれ書く予定ではあるけれど、先だってバングラディシュで製縫工場が倒壊して100名以上の少女が死んだ。ヨーロッパのブランド品を縫製していたのである。私の知るオーダースーツの店の人は、安売りスーツやワイシァツはバングラディシュ製が多いと10年以上前に教えてくれたし、日本で売られる衣料品で日本製を探すのが難しいくらいだ。そういう中で子供たちの極貧や児童奴隷状態で(怠けると叩く、ける)私たちの食べるチョコレートや衣料品が作られているのだという現実は知っておきたいことである。デパートやスーパーはクリスマスケーキで大量のチョコレートを消費する(世界で7番目くらいの消費国だ)。しかし、それを生産するのに子供たちが奴隷状態で働いているかもしれない。さらに児童の奴隷で働かせている商品は、コーヒー、コメ、綿花、コショウだ。スマホの部品の鉱物も子供たちの労働が関与してるかもしれない。企業がグローバル化して国という単位を超えて動き出すと利潤をもっと多くになれば人件費を安く安くの方向へ走るのは目に見えている。産業革命初期のイギリスで少年をこき使う経営者が出てきた。親も生活のためにそれを許した。日本も子供は労働の担い手として肉体労働、お守り、養蚕工場、炭鉱でも使った。(動けるものは子供も使って儲けを増やせ)だ。この考え方は、いまではどこの企業でもこの経営方針は貫かれている。カカオに戻ると、こういう仕事にこそロボットを使い、子供たちを学校へ通わせる政策が賢明で、未来を構築すると思うのだが。

PS 『チョコレートの真実』の第10章は(知りすぎた男)。生産者へ適正なお金が回らず、カカオシンジケートに挑むフランス国籍のフリージャーナリストであるギー・アンドレ・キーフェル(GAKと友人たちが呼ぶ)が2004年4月、拉致されて殺害、その後、遺体も行方不明になった。多国籍チョコレート大企業と結託した時の政権を敵に回して金の横領と腐敗を告発する記事を配信しつづけていたのである。コートジボアールはフランスにとっても1000億円以上の利益をもたらす国でフランス文化が根付く国である。『血に塗られたカカオである』。

  1. 雲母の採掘も。

    何時か見た映像を思い出しました。雲母の採掘現場です。雲母はメタリック塗装などにも多く使われていますが、実態は子供たちが穴に潜って採掘しているようです。奴隷のように扱い、管理する大人たちは悪びれる様子もありませんでした。しかし、これらは需要があるから供給される訳で、原価を叩くから労働側に重い負担が強いられるのでしょうね。まして、人件費を抑えるために若年どころか子供を奴隷扱いなど信じられない光景でした。

  2. コーヒーの香り。

    夕べ就寝前と、今朝も何気に、ネスレのインスタントコーヒーを飲んだのですが、原料生産地の実情は長い間知りませんでした。ネスレを呑むようになったのは、自宅でも深夜までとか徹夜作業が続いた時に目覚ましのつもりで飲み始めたのでした。あの頃はネッスルと言っていて「(^^♪ダバダ~ダ、ダバダ~」のCMですっかり刷り込まれて常習になってしまいました。営業に出るようになってからは訪問先でも、さらに喫茶店に入っても、毎日毎日何杯ものコーヒーを呑んでいました。ところが或る日、午前中の訪問先で4杯ほどのコーヒーを頂き、社に戻る直前に喫茶店で疲れを癒そうと今度は紅茶を頼みました。そこへまさかのポット入り紅茶が運ばれてきたのです。よせばいいのにカップに4杯ほどの紅茶を呑んだところ急に具合が悪くなってしまいました。カフェインの取り過ぎでした。それ以来、コーヒーも紅茶も身体が受け付けなくなってしまいました。しかし、コーヒーの香りは好きで、インスタントのネスレを小さじに3分の一程度にして朝晩一杯ずつ飲むのがルーティンになっています。消費は少ないですが私もコーヒーのお世話に成っている訳ですね。一体世界でどれだけの人が消費しているのでしょうか。

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