ビットコインについて / 間違ってるかもしれないけれど、全くわからないよりはマシになれるかもしれない話(その2)

仮想通貨が流通する最初のいわば種銭は、コンピュータに特別な計算をさせて台帳を作る「マイニング(採掘)」で生まれます。これに通貨としての価値があるかどうかは、使う人々の考え方しだいで、ただのごっこ遊びになる可能性もあります。
実際ビットコインが登場したすぐのころは、プログラマーなど、ネットに親しんでいる人同士の間で、作業してもらった代償として支払いあうものという印象がありました。特定の国の権威に依存せず、金融組織の手数料や古いルールに縛られないという点が、ネットワーク世代の気分にぴったりでした。
何しろ無償のプログラムを走らせるだけで仮想通貨が手に入るので、私もやってみようかと思ったほどですが、専門家集団に属していたわけではないので、手は出しませんでした。やってれば億万長者だったかもしれません。でも「タラレバ億万長者」ネタは、長く生きていれば数え切れないくらいあるので、未練はありませんが。

採掘のためのプログラムは、当初は素朴なものでしたが、やがてコンピュータに専用ボードをバンバン組み込んだ特注システムで24時間掘りまくる人が出てきて、採掘は一般人が手を出せるものではなくなりました。また、ビットコインの流通量は約2100万枚と上限が決められていて、採掘効率はどんどん下がっています。現在では、採掘だけ儲けようとしたら、専用マシンを使っても、電気代に見合うかどうかというところまで下がったと言われています。

これに対して取引市場は急速に発展しました。当初、仮想通貨とリアルマネーの交換には慎重な意見もありましたが、おかまいなしに現金との交換が行なわれました。その中から、仮想通貨の所有者が販売する「販売所」や、証券市場のように持ち分を売買し合う「取引所」も生まれました。自力で採掘しなくてもこれらで手に入れた仮想通貨で、新たな資産運用をする人が増えました。この結果、2009年10月に1コイン0.07円だったものが、130万円になっています。最も初期のビットコインは、いつ何時技術的な欠陥が発見されたり、法的に規制されて価値がゼロになってしまうか分からないシロモノだったので、手を出さなかった人のほうが真っ当だったとも言えます。

ともあれ、新しい仮想通貨も次々と生まれ、一掘りで億万長者を夢見る人や、新しい投資先を探す人々で、この分野は過熱気味です。今回の事件はそんな中で発生しましたが、あくまで仮想通貨の仕組み自体に欠陥があったわけではなさそうです。やって当然のセキュリティ措置を取っていなかったということですから、そもそもの会社の能力の問題か、もしくは誰かに脅された内部の犯行と疑われてもしかたありません。

仮想通貨はもともと個人で所有や取引ができるものです。今回のような事件があったからと言って、過失トラブルの際の保障とか、官庁による管理監督とかが始まると、古いルールに縛られない新しい価値交換という当初の姿からかけ離れてしまうでしょう。特に私のように仮想通貨に手を出していない人間は、浅薄な常識論で規制を口にしてはいけないと思います。それどころか、リーマンショック等で明らかになった、実体経済をはるかに上回る金融経済の、スムーズな流れ先ではないかとも思えます。あのときは電子取引の猛烈なスピードが、話をややこしくした原因の一つでしたが、仮想通貨はネットを前提にしているわけですから。

明日はタンス預金、パナマ文書、仮想通貨です。

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