図書のリサイクル市終わる(5月28日)
市民不要の本を集め超格安で販売し、売上げを市立図書館へ寄贈。ふだん買えない新刊書を購入してもらおうという
黄色いエプロンの会のリサイクル市が終わりました。
私の担当する美術関係コーナーでほるぷ出版の名著復刻版を目玉に大量に並べました。お客同士、取り合いでした。
1冊100円(メルカリなどで調べると数千円の価値ある本もある)で売ろうとしましたが、早く完売させようと1冊50円、失敗でした。200円でも良かった。捨てられた本を持ってきたのですから仕方ない。中原中也好きな女子大生も来ました。中也の復刻版買っていきましたよ。
私が楽しいのはいろんな趣味の人と会話をして文学や美術・写真・建築・古地図の話ができて有意義。頭のボケ防止になります。
怪しげな転売屋さんもいるから要注意(いてもいいのですが)。夢野久作全9巻、ホームズ全集全13巻、朝日新聞の隔月配布のアサヒグラフも大量に売れました。
しかし、昨年から見ると本に向かう市民の勢いは少し衰えてきたような気がします。高齢化による読者層の視力低下、読書時間が減ってるかも。
なかには「この本、10円で本当にいいのですか?」と恐縮する妙齢なご婦人
いましたよ。ユーキャンの世界遺産の旅DVDも全巻完売。
地図を求める男性も多い。高等学校の社会科地図に「教師用の精密な2冊本」があってすぐに売れました。定価は1万円。10円で売りましたが、安すぎた。
美術の失敗は値段付けに尽きます。
アメリカのLIFE誌の写真集があって、だれも手に取らないでの「報道写真としては素晴らしいできですよ」と勧めたら売れました。「NUDE」も
マリリンモンローの写真があるので教えると売れました。
大型美術本「箱入り」は重くて売れません。あいだみつをの本が15冊ほどありましたが完売です。
午前10時から午後2時までのリサイクル市から何か世の中の変化・傾向がが見えるかなと
思いましたが、「買う人は大量に買う」です。単行本・児童書・文庫本・新書・マンガはわかりません。
児童書は除菌して2冊をビニールに入れて100円で売っていたので売り上げは相当に伸びているはず。
私は手塚治の「ブラックジャック」全冊を買えましたが、今回は「火の鳥」全巻がないか探しましたがありません。
全市民7万人、昨年の9月、リサイクル市の好影響で一日の図書館来館者数は1000人でした。ことしはどうか聞くのが
楽しみです。図書館側でも定期購入の雑誌の在庫が膨大にあるので、玄関横に無償提供コーナーを設けました。
JRの時刻表や芸術新潮など置いていました。
つくづく本の世界は膨大に広いなあと実感した一日でした。どうしてもネットは自分の趣味や関心の方向だけにいき、視野が
狭くなる。あとは自分の視力と根気がとこまで耐えられるかという点が勝負の分れ目。
美術本を持つと、指先を痛める。箱に入ってる本は入れたり出したり、指を使う。油の切れた指先なのでページをめくるのも一苦労。
とにか5月28日、リサイクル市は無事に終わった。川崎の兄が市立図書館へ寄贈本を受け取るか否か聞くと「一切、そういうことは
しておりません。収拾がつかなくなります。ご本人で処理してください」さまよえる本たちである。
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