人間の手は左手と右手があるが、爆撃機を操縦するとして、右手で自分は安全な操縦をして、左手で爆弾を落下させたくさんの人を虐殺させることもできる。この現実は、どんな分野でも、応用できる。金権政治を打破すると言いながら、お金を配る政治家もいれば、経費削減と言いながら社員を減らして出た利益を、懐に入れる経営者や株主たちも多い。倒産したにも関わらず、億単位の退職金をせしめる悪知恵者もいる。ワイドショーで芸能人の不倫報道にダメ出しをする芸能人が実は自分も同じ穴のムジナであったりする。奥さんに贅沢な買い物を控えさせておいて自分は趣味のカメラやパソコン機器を買い集める旦那もいるし、夫の小遣いを毎月3万円にしておいて、自分はホテルのケーキバイキングにおめかして、毎月出かける主婦もいる。私の前職で営業には来たが、他人に頭を下げるのが根っからだめで、毎日毎日、朝出ると喫茶店で愚痴こぼし、夜になると居酒屋で数字を出す同僚の営業職員をこき下ろし、最後に鬱寸前で総務へ配置換え。するとその立場から営業攻撃開始、『金が入金しない!そんな営業やスポンサーなら最初から仕事なんてしない方がいいんだ。遊んでいるほうが会社に損害与えないだろう!』営業への恨みは深い。彼の右手は社長へのゴマスリ、左手は人事のアドバイサーにもなってたくさんの社員から反感を買ったのは言うまでもない。妬みのKとも言われた。
毎日、私たちは右手と左手を使って行動や発言をしているが、キーをたたいたり携帯をいじって遊ぶ。しかし、その発言の中に、行動の中に平気で無意識で他人を追い詰めることをしていないか反芻したい。そこには現在の自分の置かれた環境での感情模様が写されていることが多い。感情模様は時間的にその前の事件から引き継がれている。言葉を強く発言する人からまず疑ってみるといい。『していない!』は『している』、『記録はない』は『記録がある』。J・オーエル『1984』の真理省みたいだ。
