どの市にも無料法律相談所がある。無料の場合は30分以内の相談で、それを超えると30分で追加5000円取る。札幌弁護士会には無料相談の電話もあるが、この電話が全国からかかってきて札幌市民が利用できない状況もある。問題は市民にとって敷居の高い弁護士への相談が、弁護士へ行く前に相談する人、自治体の人、駆け込み寺として機能するお寺の住職や親身になって相談する親戚がいるかどうかでずいぶん違うと思うのだ。
弱い人たちが弁護士の無料相談に来る前に心身が相当、疲れてから来るケースも多い。そもそも無料の弁護士相談があるのさえ知らない人も多数いる。離婚や借金、雇用、近隣とのトラブル、セクハラやパワハラももちろんある。すべてが個別な案件で一般論では片付かない。事情の知らない人が介在すると余計に相談者へ深い傷を負わせれことにもなりかねない。
シングルマザーの生活苦も多くて、生活保護を申請できる要件を充たしているのに申請しない母親もいる。知人は区役所へ一緒に行って手続きの手伝いをしたと言っていた。子育てを放棄されたり、親から子どもを離したほうがいいと民生委員が判断して、集団で彼らが暮らす施設もある。18歳を過ぎると独り立ちしなければいけないが。本当は大切な養育期にたくさんの愛情を肉親や親戚から受けて育たないと、きつい人生が待ってることが多い。おじいちゃんやおばあちゃんでもいい。とにかく『この人のもとなら安心して生きられる』という人間関係が欲しい。
戦後、孤児院という施設もあって、私の住む隣町にもカトリックが経営する施設があり、そこから小学校へ通ってる子どもも多い。ローマから誰かの寄附で成り立っているのか。親の病気や失業、離婚で丁寧に育てられない子どもたちのニュースを見て、何のための地方自治体、何のための国があるのかわからなくなる。4Kテレビや大きな車、高級なレストランで食事をすること、半年に1回は海外旅行を願ってるわけではないのである。恥ずかしながら、筆者は実は貧困を知らない。戦後の闇市も空襲も、さらに誰かの金銭の保証人をして借金をつくり支払い続けたこともない。
しかし、できるだけ自分の裸の眼で現実を直視し続けるつもりだ。石井光太さんや鈴木大介さんのルポと写真を見るとストリートチュルドレンと少女と子どもの貧困の現実は圧倒的である。精神的な病気で働けなくなっているくらいだ。生活保護費を与えてとにかく生き延びる、世間はあなた方を見捨てないよという希望のシグナルを出し続けたいものである。私たち自身が駆け込み寺にならないところまで世の中はきている。
