金の支払いや定年後の人生しがらみ・あれこれ。

定年になると渡世の義理は親しかった人の葬儀くらいで、会いたくない人に無理に合わせる必要はないはずだと思うが、男社会で長年生きてきた多くのサラリーマンは、『慣性の法則』が働いているのか、現役時代の延長の人間関係を守ろうとする人も多く身近にいる。筆者が勤めたときの社長がニセコ近辺に別荘を作り、月に何回か札幌にやってきて、昔の飲み仲間を集めては居酒屋に4~5人集合する。支払いはどういうわけか、その中の役員(社長のお蔭で役員抜擢)が毎回払っていた。役員は数年前に離婚されて、退職金も半分取られ、年金も減り、そんなに楽な老後ではなかった。当日、そこに居合わせた人から聞いたのだが思い切って役員は『社長、割り勘にしませんんか?いつまで私が払うのですか? 』社長『今のお前があるのは誰のためだと思っているのか』と威張られたらしい。すかさず知人が『○○さん(社長名)!それは間違ってますよ。お互い、現役を引いた後は対等ですよ!割り勘が正しいです』。しかし、この晩も元役員は社長の分を払ったと言っていた。お金の支払いのときにその人の性格が良く出るから注意したい、育ちやある意味価値観がしっかり出る。女性同士なら100%割り勘で生きているのは賢明だが、男同士はむつかしい。払っても領収書をしっかり取る人は低く見られるし、あまり大盤振る舞いは『無理した見栄坊と!』相手から『ごちそうさま』と言われながら、腹では馬鹿にされていることも多い。自由にタクシーチケット使えたころの筆者は、ホイホイ配っていたから『景気いいねえ』とおだてられいい気になっていたものである。先ほど、別荘を構えた社長とも何度も居酒屋で飲んだが(私は酒量は少ない)払う段になって『君には○○飛行機の株主優待券を何枚か上げたはずだから、ここの支払いの三分の二を払え』と命令口調になった。この人は、自分で汗水垂らして相手にしてあげる人ではなくて、人事権や企業の持つ株主優待券やゴルフ場会員権を利用して『得をする』人生選択をする悲しい人なんだ、死ぬまで気付かず人生を終える人だと思えた。70歳を過ぎて、まだその価値観から抜け出せない。東京で仕事中のゴルフ遊びと女で失敗して札幌に飛ばされてきた社長である。江戸の仇を札幌で果たしてきた輩。しかし、似た者同士相憐れむのも真実で、元役員も評判が良くなかった。私の懇意にしている居酒屋での送別会で、女子大生に開口一番、『君は男をまだ知らないのか?私の長男が独身なんだけどどうだね、付き合うかね』だ。金輪際、この男との付き合いは止めたのは申すまでもない。社長も社長なら元役員も役員である。