自宅を出て街の中心部へ行く回数が増えると、お金がかかる。アルバイトとはいえ、人に会う機会が多いので身なりにも気を遣う。ネクタイ締めず、スーツは着ないのでファッョンに敏感になってきて現役のころよりお洒落になってきたかもしれない。
スーツにネクタイはお洒落をごまかせるが、普段着&フォーマルを兼用できる着こなしは難しい。靴も冬靴で滑らないものを履いたり、オーバーやセーター、マフラー、手袋など一点一点にも出かける前に点検する。難しいのは色の組み合わせ。こればっかりは妻にチェックを受ける。そして慣れない持ち物ゆえにすぐに無くしてしまう。
会う相手はスーツ姿なので、こちらもスーツを着た方がいいのか迷う。退職後も着る機会を考えて紺と黒のスーツ4着残している。すべてイージーオーダーだ。コーデュロイのジャケット、それも高級感のある(そんなの持っていない)ジャケットなら、どこへ行っても恥ずかしくない。リサイクルショップでイタリア製のショルダーバッグを3千円で購入した。加齢とともにお洒落は大事だ。
学生時代は退廃の雰囲気だったし(いまも漂わせる)。お洒落どころか、汚い服でデートしたから、さらに肩まで髪を伸ばし、デートしても話もつまらん男だから(いまもそうだが)振られっぱなし。地下鉄は下駄をカランカラン鳴らして乗車。市民の顰蹙を買い、こんな男でもこの国で生きられる空間があったのだから、人生どうにかなるものである。
それにしてもどこへ行ってもご老人が歩いている。趣味サークル活動なのか女性が老若問わず元気だ。その中に初老の男がいても大人しい、なんだか表情に乏しい。電車に乗っていても、おじさんムッツリ。幸せ感を漂わせて欲しい男たち。歳を取ることの楽しさを全身で若い人やこれから定年を迎える人へ伝えて欲しいものだ。
現役時代、小遣いは5万~7万くらい使っていた。理由さえ言えば会社の経費で飲み食いもできた。タクシーも営業は1冊30枚つづりを渡されていた(札幌は限度5千円・東京は1万円だ)。まるでNHKの職員みたいな環境で、特権を味わうと、定期代をもらっているのに平気で自宅から会社まで通勤してくる人、疲れたといって自宅までタクシーで帰る人、何人もいて早晩、問題になった。
1カ月で2冊使う強者もいた。また飲んだ後にタクシーチケットをたかるスポンサーもいた。報道部は無限にタクシーが使えた時代。大事件なら札幌から稚内までタクシーに乗れる。社有車が少なかったから。タクシ-会社は月末に総務へ1か月の請求書を出す。その中には、NHKと同じようにススキノで取材なのか私的な飲み会か不明なまま、帰りはいつもタクシー。こういう実態は運転手(現場の人)が一番知っているが話さない。
公共交通を使う方が市民の暮らしや愚痴や雰囲気を感じられて、感性が磨かれいい記事を書けると思うのだけど。製薬メーカーは医者の接待には信販カードを持たせる。好きなだけお使いくださいと。風俗でもカードを使えるから。電機メーカの支社長も自由にカードを切っていた。交際費は公私の別がわかりにくいが、使ってる本人が、これは私的使用か仕事使用か仕事のふりをした私的な使用か実は知一番知っている。金券ショップに行くと印紙や切手やハガキを置いている。誰がどこから持参してお金に替えているのだろう。現場を見たい気もする。小さな犯罪の匂いもする。
接待はする方もされる方もキリがない。いつのまにか麻痺してしまう。共通は自分の金ではないということ。自分のお金なら頻繁にタクシーや飲み代に使えるものではない。日本全国、きょうもどこかで無駄な、しかし飲み屋やハイヤー会社に美味しいお金がばら撒かれている。

