ニューズウィーク

昨日に続いて、知人の追加メールです。

中国話のおまけです。

知人は、札幌の工務店をたたまざるを得なくなって、中国に行き

設計や現場の監理をやりながら、大連、天津、煙台、上海などの

建設会社を点々としながら、10年過ごしました。

向こうでは、日本人の能力や日本式の建築は評価が高いので

仕事はひっきりなしに来ましたが、中国ならではの問題にもぶつかりました

中国では、日本ではなかなかお目にかかれないような

大型の開発計画の話が次々と飛び込んできて、

忙しかったのですが、話が決まったと言われて図面を描いて提出しても

それが実はプレゼンに過ぎなかった、というようなことが

しばしばありました。正式決定というのがいつなのか、

はっきりしない商習慣の中で、何度も図面修正だけさせられ、

挙句の果て、クライアントがその図面を持って他社に行くことも

普通に行われていました。

そうやって仕事が進まないうちに、資金ぐりがくるしくなると、現場の職人さん

たちは、遅配はあたりまえ。経営者は、たっぷり金のあるうちに、

家族で海南島などに逃げてしまいます。

当人もそういう目に会いましたが、そんな目に会っても、

中国では路頭に迷うということはなく、食うのに困っていたら、多少とも縁のあ

る誰かが必ず飯だけは食わせてくれる社会なのだそうです。

彼も現場の職人さんの実家のある、地方の農家に転がり込んだこともありまし

た。そうこうするうちに、会社は倒産したのではなく、

社長しれっと仕事を持って帰ってきて、職人に戻ってくるよう声がかかったりし

ます。

日本であれば、破綻とみなされるような経営状態の会社や、雇用されているんだ

かいないんだかわからない従業員に対する遅配や未払い、不確かな話のために用

意された資材や工場などが、経済指標に現れない形であいまいなまま残っている

のが中国経済です。

現場の従業員もそのへんはあきらめています。労働者の国のはずなのに、労働争

議などは一切禁止されているので、泣き寝入りするしかありません。

経営者も現場に興味はありません。工業大学などを出て経営者になっても、現場

の技術には全く関心がなく、社長室でデスクワークをしたがります。当然技術に

は知識がないので、数字だけ見て現場に無理な注文を出すので、現場はやむなく

手抜きをしてしのぎます。また、昼間から有力者を招いて豪華な宴会を開き、

国の将来がどうしたというような大言壮語をして、自分の大物ぶりをアピールす

るのですが、それが上に立つものの仕事だと本気で思っています。

そんな具合なので中国の一般労働者は、経営者や党を全く信じていません。日本

人に対しては、最高度の敬意を感じていますが、(中国人は・・筆者注)とにかく

気が小さく人が良く、頼まれごとをされるとノーといえないので、スケジュール

が無理でも引き受けてしまい、結果ウソをついたことになってしまいます。

給料の遅配や未払いも、泣き寝入りしてしまいます。日本でならたちまち問題に

なるような、大きな経済的ロスやマイナスをこしらえても、こういう社会構造

がなんとなく飲み込んでしまいます。

それで中国がAIIBを唱えても、経済のミスの帳尻合わせだとしか思えない

し、大言壮語に過ぎないと感じてしまいます。そもそも国家経済をそんなふうに

してしまった人たちに、世界のこれからの経済を委ねるなんて、参加国すらだれ

も考えてないと思います。

 

 

  1. さすが大国はおおらかですね。でも、ちょっと北海道とも似ていると思いませんか?何か変に近親間を覚えたりしませんか?「違う!違う!」と言われそうですが、日本でも東京都と大阪、本州と北海道の格差がありますね。地方に行くほどアバウトで常識の度合いが違います。中国と日本は相当違うのでしょうが、昨日もイベントで狸小路を歩くと何と中国人観光客でごった返していました。また、毎日ですが北海道神宮には大型バスが何台も駐車していて中国人の観光客の方ばかりです。日本も大国「中国」を受け入れはじめましたね。国内経済格差を無くすのはまだ先の話でしょうが、裕福な中国人が日本を訪れるのは中国に無いものを求めている証拠ですね。そう考えると、貧乏な私達「日本の庶民」もまんざらではないのではと思ってしまいます。日本の常識は通らない中国のようですが、中国国内の常識ビジネスも日本では通じませんね。郷に入れば郷に従えと言いますが、利益を求めて進出する海外ビジネスは知り尽くさないとリスクも大きい訳ですね。日本も今一度、国内需要を促進する意味からも、国内生産に重点を置いた方が、Made in Japanブランド化が進み、むしろ海外からもその価値を認められるのではないでしょうか。失業率の高さが犯罪増加にもつながって「危ないJapan」ブランドには誰も寄り付かなくなりますね。グローバル・スタンダードなんて言葉も流行りましたが、灯台で遠く(海外)ばかり照らすより、足元(自国)の懐中電灯も大事ですよ。つまずいてケガしないうちに。

  2. 途上国の発展のために新たな開発銀行ができるのは良い事ですし、日本政府も歓迎しています。だからと言って参加するかどうかは、日本の判断です。アジア開発銀行と違って、頭取は中国人で設置場所も中国。理事は参加各国から選出されるものの、中国に常駐しないという仕組みは、透明性に問題があり、そのための税金は投入できないとする日本政府の判断は当然です。
    日本も戦後、世界銀行から莫大な金を借りて復興しましたが、だからと言ってアメリカの建設業者が入ってきたり、アメリカ人労働者が町に溢れかえったわけではありません。また、資金だけでなく、復興と成長のため文化や教育面での援助も行われました。
    例えばアメリカ制作のテレビドラマは、全米ネットワークで流れるものですから、本来莫大な放映料がかかるはずですが、すべて無償で提供されていました。
    また、各地の米国領事館には附属図書館があり、身分証等の提示なしに子供でもアメリカの出版物が閲覧でき、リクエストを出せば、数週間後には本国から希望した図書が届いていました。私事ですが、当時国内には十分な情報がなかった広告やグラフィック・デザイン、マーケティングに関する勉強が出来たのも、ここのおかげでした。
    アメリカの行った開発援助には、根本にこのようなフェアさやオープンさ、力強さがあり、日本が自らがまだ復興半ばにして立ち上げたアジア開発銀行も、同様な姿勢を受け継いだものだと思っています。バスに乗り遅れるとか、新しいボスは誰で、どうやって顔色を伺おうかというのとは、違うレベルの話だと思っています。
    中国も世界経済のリーダーであろうとするなら、まず透明性や公平性を。政府の見解にはありませんでしたが、一日本人としては、まずは民主化してから話を聞こうと言いたいところです。

    • その透明性を担保するために、中国以外の東南アジア各国は、監視役として日本が参加してほしいと言ってるわけですね。中国が頭取だと不安なわけです。
      私も学生時代、アメリカ文化センターに出入りして、「フォーリンアフェアーズ」を読んでたり、外交に関心がありましたから助かりました。聞くとここで
      日本の(北海道の)新聞記事や雑誌記事を事務所奥で英訳作業をして、本国へ情報を流していたと聞いています。諜報機関的な役割があるのです。いまでも
      大使館はどこもそうですが・・。中国はモンゴル、新疆、チベット、台湾・香港、本国の5つに分割するといい国、統治しやすい国になるのですがね。

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