以前あるフォーラムで、近ごろの家電は機能は増えたが、使い勝手の悪いものが多い。発売前に十分テストしてないのではないかと、と書き込んだところ、強烈な反論が返ってきました。いわく部外者になにがわかる、文句があるならマーケに言え、とのこと。関連業種の開発や製造部門の人だったのか、社内の力関係がうかがえるようなコメントでした。その部外者からすれば、製造もマーケも同じ穴だとは思うのですが。

最近マーケという場合、データ解析だけをさす事が多いようですが、以前は「ウォッチャー」情報が重視されていました。ウォッチャーとはその商品に強い関心を持っている人のことで、マニア、ファン、オタクとも呼ばれています。ウォッチャーは企業内部にいることもありますが、消費者である場合もあり、職業や立場は一括りにはできません。

店舗の販売スタッフは良いウォッチャーである場合が少なくありません。特に商店くらいの規模だと、人手が余れば解雇、足りなくても足を引っ張られるので解雇というように、絶えず淘汰されているので、頭がよく、商品にマニア的な愛着心を持つ人が残ることになります。

こういうウォッチャーには、リアルタイムで実践的な情報が集まります。例えば靴店の販売スタッフは、一日中顧客や通行客の足元を見ながら過ごしますが、ある日同じ靴とジャケットを組み合わせている人を何回か見かけたとします。
彼/彼女は同じ商店街の服店の常連だったりするので、服店のウォッチャーも同じことに気がついていた、ということを聞かされ、さらには昼食時に、映画館の窓口係のウォッチャーから、上映中のマイナーな映画の印象的な脇役がそういう格好をしているという情報を得るかもしれません。

専門店などの場合、店員は自分に常連をにつけることが成績アップに欠かせません。そして常連とはどうしても会話時間が長くなりますが、商品知識だけなら、客のほうが豊富な場合さえあるので、客に提供するため商品以外にも新しい話題が必要になります。そこで靴店の店員は「あの映画はよかった」という話を振っておくと、数日中に靴を買いに来るということになります。

これは決して特殊な例ではなく、毎日無数の客や通行人を眺め続けているウォッチャーたちには、調査やデータ解析には現れてこない流行の萌芽が見えているわけです。そういう人たちと「同じ穴」になることは、マーケ活動にとって重要です。データに詳しい人ほどその限界も承知しているので、かつては遊びか仕事かわからないようなことをしている人をよく見かけましたが、もしかしたら最近はデータや書類づくりやプレゼン手法に通じた、ちょっとお硬い人たちが幅をきかせているのかもしれません。

  1. つい先日、或る洋品を扱う人気のお店に行きました。決して高価なブランドではなく、如何にも流行を先取りしたスタイルのお洒落な感じの洋服やセーターや、ジーンズや防寒着や靴や帽子の果てまで扱っています。店員も皆んな若い女性ばかりで、決してしつこく無く感じの良い声かけをしていましたから、デパートなどの売り場で見かける客が敬遠するような接客ではありませんでした。おまけに、若い客に混じって相当年配の客も来店していて、中には家族らしきグループも居ましたし、年配の父親と若い娘さんも笑顔で会話しながら楽しそうでした。レジにはサポート役の店の女性スタッフが居ますがレジは無人です。つまり商品を入れた店の買い物かごをそのまま置けば商品の合計額がデジタル表示され、携帯アプリでそのお店のセール画面をかざせば割引になると言う完全な自動レジでした。ではテキパキ動いている女性店員たちは一体どんな役目なのか?と考えれば、さりげない顧客の観察と要望の把握でいち早く対応する洞察力では無いか?と考えました。これまで良く見かけたブティックなどの売り子的な感じではありませんでした。一見機械的にも見えなくもありませんが、女性店員たちの全く嫌味の無い対応に感心し、徹底した教育が行き届いているのかと?。3点ほどの買い物のあと、店を出て、また来ようかな?と思ったものです。仕事柄、私のように店のリサーチなどする客は居ないと思いますが、スタッフの彼女たちは絶えず客の動きや嗜好をリサーチしているに違いありません。

    • ソレ、ユニクロではないでしょうか?私も赤いセーターと下着を買ってきました。籠をそのまま入れると金額が提示されお金かクレジット決済です。不具合があれば店員がやってきます。試着室も多くていい店でした。全員、正社員にしたので責任感ある静かな対応でした。真っ赤なセーターを買ってきました。余裕がある接客なので、この色のシャツはないか、Lサイズばかり売れるとか(不思議とLサイズないことが多い)、販売日誌に書いていると思いますよ。現場生のニュースの集大成が本部に集まり、そこで分析されます。調査会社に任せる必要はないですよ。

  2. 零細独り広告代理店経営者。

    これまで?のマーケッティング・リサーチでは手間ひま掛けてデータを作成してから大袈裟な会議で検討し次の戦略を考えていた筈ですが、今やデジタル作業のお蔭でその場その場で顧客の嗜好も自動的に明らかになり、無駄な会議や無駄な意見交換など不要になって居ますね。更には会議なども一カ所にスタッフを集めるのではなく全てオンラインですから全国津々浦々どこの店舗でも同じ情報を共有できる時代ですね。ですから気づくのは札幌の郊外店でも東京の市街地店と大差のない商品展示や顧客対応に成っていますね。これは例外はありますが、どの業種にも言えます。例えばお洒落に関して言えば都会と田舎の区別が無くなりつつありますよね。

    • 市場調査で難しいのは、分析よりも未来予測で、これからの動きを一種の勘みたいなもので動かせる人(人材)ですね。どの業界にもいた高感度人物の行方です。感受性の優れた人です。そして動ける人です。

  3. 私が入った店舗はGUです。羊ヶ丘通りのユニクロの隣です。ユニクロではあえて流行を追いかけず、流行には左右されないベーシックなファッションを打ち出しているのに対し、GUはトレンドを追求し流行に乗ったファッションを提案することや、ユニクロでは機能性が重視されるのに対し、GUは機能性よりも品質の維持に注力しているというように、得意としている部分も異なっています。山口県でしたか発祥の地は?、30年近く前に前職の広島支店長から電話で聞いたのは、当時のファーストリテイリングと言う会社のユニクロと言う衣料品屋の店先には早朝から、何故か若者たちが並ぶんだと?。北海道にも進出するらしいと。それが30年後の今では製造から販売までの一貫したプロセスにより、高品質な服をリーズナブル な価格で提供し売上規模は、何と世界のアパレル製造小売業界中第3位です。
    ファーストリテイリングは、ユニクロ、ジーユー(GU)、セオリーなど複数のブランドを世界中で展開する 企業になりましたね。

    • ユニクロ大好きですね。色合いが豊富で、値段ならGUが安いのですが。一度、Guでセーターの黒を選んだことがあります。同じセーターを女子高校生も手にしていて、思わず棚に戻したことがありました。韓国でもユニクロ復活してますね。山口県の衣料品屋さんが発祥だと思います。一度、息子さんに渡して、再度社長に就任したと思いますね。ダイエーも社長を息子さんに譲り、アメリカのような大型店舗に業態変更して失敗しましたが、あのとき中内さんがストップをかけていたらと想像します。経営トップの思考力は大事ですね。岸田の思考は最悪です。能登地震の被害者に全然、向き合っていません。あれなら棄民ですね。米軍、立川のヘリに応援をすぐ頼めば、空から米軍が援助できたのに。安否確認も。レンジャー部隊いますよ。台湾からも中国からもどんどん医療援助を受ければいいものを。内向き閉鎖的な人格を壊さないとね。自民党で地震に関して強く発言する議員が出てこないのは不思議。彼らに国民が必要としていることは何?というマーケット理論が何もないということでしょうね。

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