ツァイガルニク効果という言葉を知りました。心理学の用語のようですが、
「人は中途半端で終わったことをよく覚えている」というものです。
特に期待値の大きかったものほど忘れないのだとか。
例えばウェイターは出してしまった注文はその場で忘れて、
まだ出してない注文のことは忘れない。文字探しゲームで実験すると、
できなかった問題のほうをよく覚えている、などがこの効果の例です。
仕事面では大切な心構えですが、あまりとらわれてしまうとまずいような気がします。
特に高齢者は、長い人生でうまく行ったことの何倍も、失敗や途中で断念した経験を持ってます。
意中の人と結ばれなかった、仕事が思い通りにいかなかった、
若い頃の夢は達成できそうもないとか、言い出したらきりがありませんが、
他方でそれらを手に入れた人もいるのですから、
自分の人生はなんだったんだなどと考えてしまうかもしれません。
ところが、こういう人に話をよく聞くと、かつて大きな事業に参画していたり、
人助けをしたりと、十分価値のあることをしているのですが
「そんなこともあったねえ。でも、あれはみんなの協力でできたことだから」
などと、あっさりしています。大事なことでも、成し遂げてしまったことは、あまり重視していない傾向はあるようです。
だから高齢者は何か不満を感じても、それはツァイガルニク効果に過ぎないと割り切って、
昔の自慢話をしているほうがずっと健康的です。年寄りの昔話も、若い人全てに嫌われるわけではなく、
参考になっていることも少なくありません。
年寄りは大いに語り、若い人が自由に聞いたり無視すればいいだけではないかと思います。

