取り扱い説明書とマニュアルを混同して筆者は理解していたので、タイミングよく投稿をもらいました。マニュアルは現場で可変的に適用できる自由度が高いものかもしれません。哲学で言うとマニュアルは価値中立性に該当するかもしれません。と勝手に筆者は思います。
マニュアルについて書きました。
マニュアルにかかわる仕事をよくやってたので、
思うところは色々ありますが、この辺が一番気になるところです。
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若い人はマニュアル人間だという批判を耳にすることがありますが、ある年代以
上でそんなことをいう人は、マニュアルについて知らないか、ろくなマニュアル
に接したことがない可能性があります。マニュアルとは例えば
1.マニュアルは取扱説明書ではない
2.マニュアルは現場の人間が作るもの
3.マニュアルの内容には、絶えず書き換えられる
家電の取扱説明書には、さまざまな場合について説明がかかれています。中に
は、同シリーズの型番の違う機械の、操作の違いが書いてある場合まであります
が、これはマニュアルではありません。電子レンジで言えば、温野菜の作り方か
らビーフシチューの作り方まで書いてあるのは単なる取説で、冷や飯を温めたい
ときに、そのやり方だけが書いてあるのがマニュアルです。一家のご主人がほど
よく燗酒をつけるコツを見つけてメモを貼り付けた、というのがマニュアルで、
奥さんが時折それを見て晩酌する、というのがマニュアルの効用です。
トップが書いた「すべし/べからず集」は、マニュアルではなく、「お達し」と
呼ばれるものです。
例えば新しく発電所を作る場合、24時間3交代の作業グループが、それぞれ既
設の発電所に数ヶ月研修に行き、操作法を学んで、それぞれが作業マニュアルを
作ります。そして、戻ってから3部のマニュアルを突き合わせ、1冊にします。
また、日々の作業では、マニュアルから該当する部分を抜き出して担当者全員に
コピーを配布。作業前に必ず読み合わせをして、内容を確認します。もし事情が
あってマニュアル通りにできなかった場合はその旨を報告。場合によってはマ
ニュアルを書き換えますが、必ず「改定来歴表」を書き残して、マニュアルのど
の部分をいつ、どういうふうに書き換えたか記録を残します。
映画「アポロ13」では、事故を起こしたカプセルの中に積み込まれている資材
を、地上班がマニュアルを見て確認し、それらを組み合わせて臨時の空気清浄機
を作るよう指示します。直接見ることのできない現場の、宇宙飛行士さえ知らな
い資材を駆使できるのは、マニュアルが正確で最新の状況に対応していたためです。
こう言うと、そこまで懇切丁寧なものが必要なのか、自分で考えられないのか、
かえってコストがかかるのではという批判が聞こえるようですが、マニュアルを
必要としないレベルの組織ならそうかもしれないとしか言いようがありません。
特にマニュアルはコスト削減のためにあるものではなく、逆にコストをかけてで
も実現しなければならない戦略的目標と、単に人間が集まっただけではできない
組織的な動きのために存在します。それは、例えば機械を使う大きなプラントな
どの場合は、何より作業員の安全性の確保や、事故による周辺被害の撲滅です。
マニュアルはなくても大丈夫という組織は、戦略的な目標がないだけかもしれま
せん。また、若い人がマニュアルを要求する場合、もしかしたら本当のマニュア
ルを知ってるのかもしれないので、その人物を中心に業務改革の小委員会を設置
すべきでしょう。
ただし、マニュアル人間批判を口にする人は、実際に若手からマニュアルを要求
された経験はなく、週刊ポストに書いてあったからそう言ってる場合がほとんど
です。

