介護,まっただ中。

1)筆者の友人が90歳を超える母親を抱えて介護をしている。母親が自宅で転倒し、整形に運ばれ、リハビリをしているが、一人暮らしは無理なので兄弟がかわるがわる面倒を見に行く。彼は疲労蓄積で夜も先のことを考えると眠れない日々だと語る。『俺のほうが先に逝くよ』と冗談とも本音ともつかないため息。

2)94歳の実母を介護する知人も、さらに妻側に90歳代の両親も抱えている。長男・長女の夫婦なので、マイカーで東奔西走。定年後、楽ができると思ったが、どっこいそうはいかない人生が待っていた。ケアマネージャーと相談しながら、次の施設を金銭面と介護認定基準を見ながら、策を練っている。

3)ひとりっ子の40代サラリーマンは、両親が住んでいた東京の家を売り払い、札幌に連れてきたのはいいが、先日、70代のお父さんが心筋梗塞で介護5に認定され、お母さんも直後に脳梗塞。どちらも入院と介護・リハビリで奥さんの手助けをもらいながら、仕事をしている。『参った!疲れる』。せいぜい私は『元気づけにホッケ定食奢るよ』ぐらいしか手助けできない。

4)先日、埼玉から札幌に帰ってきた友人は、両親とも介護付き・温泉付き老人ホームに暮らす両親を訪ねてきて『どちらも元気で良かった』と帰っていった。

5)自宅の台所から見える向かいの家は夫婦が時を待たずに脳梗塞を発症。近所付き合いがないので不明だが、30代のひとり娘(静岡在住)が心配でやってくる。レンターカーを利用して重篤の父親の入院病院へ見舞いと自宅で暮らす母親の面倒をみている。もちろん介護サービスも受けている。

私の場合は7年前に夫婦それぞれの両親を見送り、渡世の義理は果たした。それぞれのケースを見ていて、結論は、一人で残された親の面倒を看続けることは100%無理だということ。もう一人二人の伴走者がいないと自分が倒れる。加えて地方格差がひどい。いままで書いてきて医療サービスを受けられるのは大都市周辺で、地方は医者も少なく施設も職員も少ないから『住む場所によって平均寿命の違いがこれからもっとひどくなる』とある主治医が言っていた。車がないと暮らせないから維持費もかかる。

考えてみると、北海道の人口は537万人、うち札幌圏(札幌・北広島・江別・恵庭・千歳・石狩・岩見沢・小樽・当別)を合計してみたら約270万人が居住している。広い北海道の50%は札幌圏。特に医療サービスと各種老人向けの施設の数でとりあえず安心できる。こういう都市だから、親友や知人たちは親の面倒を見続けられるのかもしれない。それにしても家族への金銭面と肉体面での負担は半端でない。