昨日は、代理店の倒産の一端を述べたが、200人もいれば200通りの感慨や怒りなどが当然あるわけで、一人一人からその前後の話を聞いて、それから語らないと公平性を欠くとは思うが、私も営業マン。ご他聞に漏れず、幾つものスポンサーの倒産に遭遇。始末書書き、社長を追いかけての集金業務で必死な時期があった。40代の半ばであった。
営業マンは前を向いて走る癖があるので、倒産とか集金を追いかけるという後ろ向き(経理に失礼な言い方かも)の仕事は何十倍も疲れる。そのとき、気を楽にしてくれるのは、上司の一言。「営業に倒産は付き物、勲章のようなものだ」「どこか、違うスポンサーで儲けて汚名挽回しなさい」。とはいえ「どこまでも追いかけて、金を回収するまで帰るな」とか「そんな倒産に遇うなら、仕事をせず寝ていた方がいい」とか「与信管理が甘いね」とずけずけフォローなく発言する人間もいた。
倒産した会社の一つは通販でカルシウムたっぷりの「水」を売る広告を出したが、利益が出ず倒産。社員は全員、元銀行員だ。社長が独身で、ススキノ支店に勤務で遊びを覚えたとは聞いていたが、全員銀行員なので、資本とかお金のやり繰りのプロと勘違いした筆者の判断ミスもある。100万円弱の負債であったが、半年以上追いかけたが、最後は「生命保険でお金は返す」と言われて絶句。「冗談はやめてください。こちらは、売掛処理をできるから、払えないならそれでいいです」と伝えた。
会社へ戻り、総務・経理に話すと、「そういう話はありがちで、それで自殺した人はいないよ」と言われ、そうだよねと私も思った。ところが、ある日、ススキノ近くの倉庫ビルの屋上から飛び降り自殺した。借金総額は1億円を超えていて、亡くなる数か月も前から飲み狂い、金を借りまくり、遊び狂っていたという証言もある。覚悟をして遊んでいた気配がある。
もう一つは、小さな工具店が新しくリフォーム事業をするので、小さな広告(1回3万円)を出していたが、近くに大きなDIY大型店ができて、客が激減して倒産した。リフォームもうまくいかず、こちらの社長も自殺した。小企業の過酷な環境をまざまざと突きつけられた。中小企業と、中と小を一括りにした日本語がマスコミで表現されるが、実は小企業は、自分の命をすり減らして生きている。すり減らすどころか、自死している現実は言っておかねばならない。日本中がシャッター街の駅前通りが増えて、郊外へ郊外へ、ショップゾーンを作る戦略を商社や不動産デベロッパーがワンパターン街づくりをしているが、果たしてそれが住民の幸せにつながるかどうか、もう一度考えてもらいたい。

