恵み野通信

1)13年前、私と同年齢のご主人が、自宅前で自転車のタイヤに空気を入れていて突然、倒れた。心臓に持病を持っていた。悪いことに奥さんは隣町の娘さん宅にいた。たまたま町内の専門学校の生徒、それも救急科の生徒が通り、心臓マッサージを施した。救急車で近くの総合病院へ運ばれた。奥さんが駆け付けて病院に行くと、ご主人は霊安室にいた。主治医は不在で「線香をあげてください」が開口一番の病院側の対応であった。

不審死なので警官もやってきた。特に鍵がかかっていなくて誰でも入れる状態だったから、「部屋を見せていただけないか」と言い、奥さんが病院にいる間、妹さん夫婦立ち合いのもと、警察官たちは自宅に入り、あちこちの机やタンスを開け、元に戻さず、乱雑にして帰った。生命保険種類の有無も調べられた。後日、専門学校の生徒たちに奥さんがマッサージをしてくれたお礼に挨拶に行くと、彼らは一瞬後ずさりをしたと言う。「ご主人助かりましたか?」と聞かれ「ダメでした」と返事。いろいろ話すうちに、警察官から、その後、尋問を受けたというのだ。相当に不快な気分、勝手に部屋に入って泥棒はしていないかという話だった。ひどい詰問であったらしい。未来の消防士にとって、警察の尋問の理不尽さに憤りを覚えた事件だ。ご主人の13回忌に奥様から教えられた話であった。

奥様の怒りは、さらに病院にいったとき、心臓の主治医が不在とはいえ、別な医師がいたわけだから、もつと丁寧な説明があってしかるべきところがいきなり霊安室へ通され、「線香をあげてください」はないだろうと言うのだ。経過の説明が省かれてしまったご主人の死であった。遺族への接客の乱暴さに怒りを覚えたのである。

2)きょうは5月22日。2月の半ばに脳梗塞を起こした友人と、3カ月ぶりに札幌のカフェで会い、おしゃべりをした。共通の知人の近況や家族の話、マイカー廃棄の話、世界情勢や電気自動車の話になるが、電気自動車もバッテリーを作るためにレアメタルを使う以上、資源戦争は避けられないのでは悲観的な未来予測を私はした。バッテリーなら日本は中国から輸入したほうが安くつくかもしれない。東アジアの治安の安定にも日本と中国がEVのバッテリー貿易を拡大したらよいのではと無責任な話をした。