貧困層急増の未来でUBI(ユニバーサル・ベーシック・インカム)

2019年10月28日付け、田中宇さんの世界ニュース〈無料版)から。sakai@tanakanews.net

田中宇さんの配信ニュースを読んでいて、2020年秋のアメリカ大統領選挙後にリーマンショック以上の金融大危機に備える話が書いてある。その不況がたぶん20年以上に渡って世界を覆い、失業者の急増や暴動やデモで産業界や政府、金融機関が無策を取り続けるだろうが、しかし、UBI(ユニバーサル・ベーシック・インカム)という制度で国民全員に毎月500ドルや1000ドルの現金支給をし、購買(消費)を後ろから支える制度がマジメに議論されている。

日本はリーマンショック以降、30年に渡って不況が続いている。配信ニュースでは共和党のシンクタンクでも20年後米国の失業率は50%と予測。怖いのは飢えと貧困で、〈現代でもそうだが)十分な食糧と水が不足するのは50億人と予想されている。経済を支える大量生産と消費の構造が崩壊する(いまでも物が売れない)ことで労働者の所得も減り、失業者も増えて、失業保険を支給される暮らしでは食料品以外は買えない。AIによって労働者が要らなくなるから失業するのではなくて、バブル崩壊が水面下でもう起きていて、それを隠すために各国は地球温暖化やAIロボットが仕事を奪うなどの理屈で目くらましをしているだけだと田中宇さんは言う。パソコンが導入されたとき失業の恐怖が職場にあったがそうではなかった。そこで昔から議論があるベーシック・インカムだ。仕事をしてもしていなくても生きるための最低の所得保障を国がしようという制度だ。その上に働いて得た収入で暮らしていくというもの。それを地球規模で構想されているのがユニバーサル・ベーシック・インカム。

アメリカはソビエトとの冷戦後、そうした社会主義的な制度を嫌う国民であったが、ここにきて国内からベーシック・インカムが出ているのはよくよくのことである。民主党大統領候補バーニー・サンダースもこのプランを出している。大学の奨学金返済(平均300~400万円)に苦しむ学生に支持者が多いのもうなづける。60歳を過ぎても学生ローンを返済しているアメリカ人が300万人もいる。(恥ずかしながら私も娘の奨学金返済完了は65歳)日本でも返済ができず自己破産をする学生が後を絶たない。高い授業料と生活費で親からの仕送りも少なく(あるいは全くなくて)アルバイトに明け暮れて中退する学生もいる。残るのは借りた奨学金。大学は通信費もかかる。スマホやパソコン維持費だ。これがないとレポート提出もままならない。

これから、田中宇さんの2020年の金融危機予測〈大不況)が当たれば、恐ろしい世の中が出てくる。最近、スマホ決済を促す政府のPRが凄い。方針の裏にあるのは、〈物を買え〉である。表面では5%引くよ、世界はもう現金は持たない楽々時代なのよ、遅れないでねというメッセージ。内実は、あなたの預金を市中に出してくださいである。タンス預金を減らしてね・・である。なぜならカード時代でもそうだが、通販でもそうだが、〈ついつい買ってしまい、給与が振り込まれても残金が無いか目減り〉の体験はないだろうか?私はリボ払いで失敗した。国民にたくさん消費をさせて生産者や小売店に金を回して、金融危機の発生を少しでも遅らせる政策かもしれない。国民が金融危機の本質に接近しないよう関心をそらす誘導でしかない。特に40代の働けない引きこもり人口が60万人いて、将来、生活保護費をもらう暮らしになるのは目に見えている。親も引きこもりの子どもために本来、外で消費できる余裕があっても子供の生存のために残す選択をするから、消費は冷えていく。(母さん、僕の生存のために無駄遣いは止めてね)(ある引きこもり息子)

  1. 貧乏暇なし年中薄給

    万が一に備える事は当然ながら、いくらその気があっても個人ではどうしょうも無いのが世の中の流れですね。かつてのオイルショックやバブルやリーマンショックにも驚きましたが、次から次へと時代は変化していきます。次のショックは?一体?となりますね。一般人は金融界そのものに関係して居なくても、毎日のように流される経済ニュースでは何か事が起きれば暴落だのと大騒ぎ。そのうち電子マネーだとか得体の知れない情報にまで振り回された挙句、新手の詐欺に大金を投資してしまう人まで現れたりする始末です。世の中にお金は沢山あるんですね。薄給でタンス預金とかにも無縁の私には殆ど影響はありませんけどね。

    • 小金持ちが右往左往してます。昨夜、道の駅で泊まる、車中泊の人の特集をしていました。2年も3年も誰とも話したくない、父親の暴力から逃げてきた、夫婦で旅する人もいましたが、社会とのつながりを拒絶する人たちが全国の道の駅に止まっています。暖かい地方でないと生きていけませんからね。20代から80代。中には赤ん坊と一緒に車移動するお母さんもいました。助けてあげられないかとため息をつきました。

  2. 資本主義と社会主義の利点を生かす新たな動きでしょうか?。いずれにしても構造改革は必要になるのでしょうね。どこかで良いお手本を実践して世界に拡大してくれればいいですね。EU離脱のイギリス?辺りでできませんか?。

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