「老いの整理学」(外山滋比古 扶桑社新書)に、老いの進行とともにどんどん物忘れが激しくなって、困ったもんだと悩む人も多いが、それが正常なのかもしれない。ガラクタでいっぱいになった頭に新たに覚えることに悲鳴を上げることもある。忘れることの大事さを書いていた。子供たちの勉強でも覚えたことをすぐに忘れていいんだよと教えられるとどれだけ楽だったろうかとさえ思う。忘れれば忘れるほど、頭はよく働くのにと外山さんは言う。「忘れるのが必要な頭のはたらきであるとわかっていれば、こどものとき、若いときの生き方が変わったっであろう。早いうちに忘れるのが、大切である。実際には、一生、それを知らずにいてしまう人がほとんどである」庭の草取りをしていると穏やかになる、気持ちが落ち着く人も多い。現代はテレビを見ても、ラジオ聞いても、動画を見ても、ついついニュースを見てもコトバ・コトバの渦に巻き込まれて、それがなにがしかの知識として頭に詰まって溜まる。大脳生理学では、人間の脳細胞はわずか数%しか使用していないので,いくらでも利用・保存可能だと教えるが、実際、自分の体験ではどんどん忘れていくほうが、次の新しいことに没入できると思うのだが。だから、詰まった頭の掃除という言葉に共感したわけである。1951年生まれの私は、1クラス50人で1学年10クラスの学校で過ごし、中学に入ると偏差値教育が始まった。意図的な競争原理が導入されたわけである。教師も生徒も暗記・暗記の世界に投げ込まれて、試験前日徹夜してテストに臨んだものも多かった。それが高校まで続いて、詰まった頭の掃除をするのを忘れてここまできてしまった。知ったかぶりで喋りだす人が出てくると、私の気分が良くないのも、知識ってそうではないでしょう?と思うからだ。そういえば、前の会社でマラソン好きな女性がいて、気持ちをすっきりさせるために10キロでも走ると言っていたが、間接的に頭の掃除にもなってるかもしれないと、走るの苦手な私は思う。忘れても構いはしない。「頭を軽くするために、余計なものは捨てる」に限る。

  1. 入れ歯のサックス奏者。

    初めっから詰め込んでいないので未だ大丈夫だと思っています。これまでの延長線上で覚える事は極める事には違いありませんが疲れるので、全く違う脳の部分を使おうかとこの歳になって生まれて初めてのアルトサックスを始めました。誰に習う訳でもなく我流ですが、教本をサラッと読んで、ややこしい沢山のキーを9本指で押す運指表を作り、沢山プリントしてマークシートよろしく塗りつぶすテストをしたり、出勤前に10分程度郊外や大型店の大駐車場の端っこにクルマを停めて窓も締め切っての朝練です。ややこしい楽器なので日々新しい発見ばかりです。運指を完全マスターすれば楽曲練習に入れますから今以上に楽しくなるのではないかと思います。長い時間吹いたりしていれば飽きるので、練習は短時間で辞めています。先ずは指使いをまだがら空きの脳の片隅で覚え込む事。そして脳から勝手に両手指に伝えてくれる事を願って。仕事でくたびれかけた脳を、これまで余り使わなかった遊び脳でクリーニングです。

    • 外山さん、一押しの楽器演奏は詰まった脳の掃除に最適だとも書かれてましたよ。大脳の使う部位が違うのですね。指や足や目や耳や鼻や違う部位をぐるぐる動かして五感を活用、運動させる大事さですね。言葉と数字を忘れるにはこれに限ります。助平心も大事ですから、こちらのほうもお忘れなく。町中で素敵な女性とすれ違う楽しみがありますね。向こうは避けていきますが。

  2. 年を取るに従って「モノ忘れ」が多く成って来ました。今のところ左程重要な事案でもなく日常の買い物の品目忘れやTVなどで観る昔の俳優の名前忘れ程度で、忘れても大きな問題ではありませんが。「忘却は忘れ去る事なり」の通り、忘れたい過去の嫌な事も沢山ありますね。例えばプロスポーツマンなどは失敗のイメージをいつまでも引っ張っていては、相手に負ける以前に自分自身に負けてしまいますね。近い過去の事を一瞬にして忘れて新たな気持ちに切り替えるメンタルが必要なわけです。そう考えれば、自分の脳は自分で管理しコントロールして行かなければ不要な記憶ファイルだらけで頭のハードデスクが満杯になってしまいますね。つまり本来の脳の機能が動かなくなったり動作が非常に遅く成ったりするでしょうね。PCと全く同じで、不要なデータやファイルは削除作業が必要でしょうね。その作業をいつやるかですが、日常小まめにできれば問題ないのですが、掃除と同じで、綺麗好きな人以外はなかなか腰を上げませんから、高齢になって気づくものです。「認知症」などと騒がれていますが、「モノ忘れ」にしても、見るに見かねた脳自身が削除作業を代行してくれているのかも知れませんね。

    • 削除作業は睡眠時に行われていると外山さんの本には書かれてあって、うまく削除がいくと朝は快適!らしい。快眠できたというところです。そういえば、さわやかな朝は最近、少なくなってきました。忘れたくても忘れらない思い出とか光景ってあるから、それはいつまでも覚えておきたいことです。自分の大事な根幹の記憶ですから。野球でエラーをすると「ドンマイドンマイ」と声をかけるのも、「気にするな」(do`nt mind)ですね。失敗が尾を引くことを知っていたのですね。近所の神社に遊びに行くことがありますが、チリ一つないくらい掃除を徹底してます。落ち葉があるとすぐ拾います。神社ってそういうところなんですね。お寺も掃除をよくしていて、落ち葉は焚火してました。そういう季節になりました。

  3. 人間は不思議なもの?いや?勝手なもので「自分に都合の良い事」はいつまでも覚えていて、反対に「都合の悪い事」は忘れるものですね。ですから振り返って見れば、何事も不都合な事も無く現在があるような錯覚にさえなってしまいます。つまり嫌な事は忘れたがる脳細胞と、良い事ばかり求めたがる脳細胞の毎日のせめぎ合いですね。例えば昨日を振り返って見ても、特別な不幸な事さえ無ければ先ずは「良かった事」が頭に浮かんできます。その時点で自分自身の脳が情報整理してくれているのでしょうね。脳が締め付けられるような異常な時に脳神経外科に行くと医者曰く「大丈夫!人間の脳はそんなに簡単に壊れませんから」と。脳神経外科には凍結路で転倒して脳震盪を興した時や運転中に具合が悪くなった時とか片頭痛に襲われた時などに良くお世話に成っています。そんな時はいつも「救急窓口」から入って「救急です!」「どなたですか?」「わたしです!」「えっ?」と。10分以内にCTスキャンを撮って対応してくれ安心します。診察券も有って、行きつけのクリニックの一つのようなものです。

    • 自分に都合のいいことは覚えておくと便利な人に、ずるい人にもなりますね。妻から毎回言われます。実は覚えていても出さないようにしています。そのうち本当に忘れるはずです。ヒーリング音楽、作業するときFMを流すのもいいですね。日本が入るとついつい聞いて、その歌詞を解釈したり、言語の脳が動き出すので避けたほうがストレス取れますね。

Leave a Reply to 坊主の孫。 Cancel Reply

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です