私的空間が公的空間を食い潰す時代。
私的な利益が公的な利益を食い潰す、私人が平気で税金を盗んでいく、私的な利害で人が死ぬのをなんとも思わない。いまの社会や時代を総括すると、ツイッターを含めて自分の立場(利害)だけを守るための発言に覆われている。誰が聞いてもわかる丁寧な日本語での発言が消えて久しい。SNSの普及で長い文章を書くより、短いコトバで相手に送る癖(早く既読する)がついてしまい、じっくり・ゆっくり・相手の立場を考えた言葉遣いをしているかと思うと私も心もとないが、総じて私的な言語(仲間内の心地よい空間)をどこまでも延長して、公的な空間(外の世界や第三者の前)で語る習慣がいつのまにか消え失せていはしないかと危惧する。
営業の仕事が長かった私は、見ず知らずの企業へ自分で書いた企画書を提案することが多かった。身内の話をする時間や空間がなかっから、最初から他人へ向かう生き方をした。カタカナはできるだけ減らして、格好悪くてもいいから簡単で力強いものにした。10本のうち採用されたのは1本くらい(これでも多いほうだ)で情けない営業ではあった。最初から公的空間で生きてきたので、逆に身内は苦手だ。
そういう私からみて、どこの方面でも身内がまかり通っている。二世や三世の横行、「そこに実力があればいいじゃないか」という声も多いが、いつのまにか実力と親の七光りと混同して、階層や貧富の固定化を生む温床になってると思う。私的(親の七光り)が公的(公職や仕事)なところを食い潰していく。あらゆる企業や団体、広告代理店やTV局、新聞社、各地の自治体職員などコネ採用が横行している。医者の世界も医学部部長が各地の病院へ医師を派遣して謝礼をもらう慣行だ。東京五輪、大阪万博、札幌五輪などイベント資本主義を推し進めるしかない悲しい電通経済。民間放送やNHKを支配下に置いて、国税を食い潰す企業だ。電通を独占禁止法で分割か倒産させられないかと思う。たとえれば1広告会社に国税が食われる時代が安倍政権下、すっかり定着した。官僚の息子や上場企業の子弟を入社させ人質だ。横にパソナや日本体育協会のスポーツ振興予算も食い散らかし、情報操作もしている。いずれ破滅すると思う。なぜなら電通に支払う広告費がどんどん無くなっていくから自然消滅に近い。そういう意味で未来は明るい。ワクチン集団接種もイベント。広告会社が請け負っている。自治体職員でやろうと思えばいくらでもできることを、自ら楽をするために、外に放り投げる。「民間の知恵を借りたい」は「私たちは税金を使って楽をしたい」と同意語だ。まずは足元から。

