難しい漢字が使われだしている(投稿原稿)
「捗る」「集る」「齎す」。さて、読めたでしょうか。
最近ネット上では、首をかしげるような、難しい漢字に出くわすことがあり、常用漢字以外のものもよくみかけます。
こういうのは官庁やメディアのサイトではなく、若い人の個人ブログやSNSのコメントで見かけます。
漢字変換で出てくるので、常用漢字かどうかなど気にせず、そのまま使うのでしょう。
昔ならいちいち重い辞書を引かなければならないので、ちょっとした迷惑行為でしたが、
今はブラウザ画面のまま検索することができます。だったらこれもアリなのではないかと思うようになりました。
太平洋戦争の後、漢字の旧字体を新字体に変え、難読文字を使わないという考え方から「当用漢字」が制定され、
その後、漢字が追加や除外されながら、「常用漢字」になりました。
難しい言葉を使わずに、誰でもわかりやすい日本語を使おうという考え方があったようです。
常用漢字は学校をはじめ、官庁やメディアで使う文章の規範となり、
さらには一種のビジネスマナーとして、社会に普及しました。
その徹底ぶりは、例えば常用漢字にない漢字を含む熟語の場合、
『牽引』を『けん引』と書くような、「交ぜ書き」を使うほどです。
これは伝統的な日本語の読み方なら、「けんびき」としか読めませんが、
役所、メディア、ビジネス社会には、同様の交ぜ書きが氾濫しています。
「安ど(安堵)」「いん石(隕石)」「苦もん(苦悶)」など、漢字のほうがわかりやすいものまで交ぜ書きです。
特に漢字はそれぞれが意味を持っているので、使わなくなれば概念まで消えてしまう可能性があります。
考えようによっては、常用漢字以外を制限したのは、官庁や組織の権威やメディアの影響力による言論統制とも言えます。
今の高齢世代が漢字と一緒に捨ててしまうところだった文化を、ネット時代の若者が蘇らせていると言えなくもありません。
言葉は生き物ですし、若者の言葉は未来の言葉です。検索すればすぐわかるのだから、
自由に難しい漢字を使えば、それだけ言葉の世界が広がります。
億劫がらずに検索して難読漢字に慣れるのも、時代遅れの年寄にならない方法かもしれません。
※冒頭の漢字の読み方は、それぞれ「はかどる」「たかる」「もたらす」

昔の少年。
PCの普及で書き物をしなくなって久しいですが、さすがに漢字のド忘れには驚きますね。いざっ!書類に向かってペンを執ると自信が無くなって臆病になっています。スマホやPCでばかり文字打ちしているので覚えていた漢字もPC任せになってしまいました。しかし良い事も有ります。分からない漢字に出くわすとワードを立ち上げてIMEパッドに手描きすれば簡単に検索でき、しかも音読みも訓読みもカーソルを当てるだけで教えてくれます。文書も何とか読めても、イザっとなっても書けない口惜しいこの頃です。
seto
手で書けない漢字多くなりました。私が育った苗穂という漢字でも「苗」が出てこないで、ごまかし漢字にしたこともあります。大と太の区別も名字で間違えるし、鬱なんて書けません。漢和辞典も置いてるいるのですが、文字が小さくて白内障気味の私にはつらいものがあります。読書とブログで痛めてしまったか?糖尿の後遺症か?単なる老化なのか?