バックヤードから考えたこと
糖尿の血糖値が下がらないので、知り合いのホテル経営者から筆者に働きなよというアドバイスもあって、札幌での飲み代を稼ごうと妻の反対を押し切って(心臓の持病)週末の2日間、宿泊客の部屋の清掃やシーツはがしをしてきたことがある。午前9時から午後3時までが勝負だ。日曜は土曜より100室多い稼働でクタクタになってしまった。体重が1キロ減る。
広告営業をしていたときに老舗のホテルを営業していたが、裏側は表の明るさとは裏腹に暗かった。パーティーの前だと、乗せられる料理が中華を含めてビニール掛けられてはいるが、あんまり美味しそうではない。裏側の暗さはホテルに限らずデパートでもそうだ。社員専用エレベーの中では、お客さんへの対応マニュアルのアナウンスもある。「嫌だ、嫌だ画一性!」。
私はまず、全体の総責任者から言葉使いについて苦言された。「(お疲れさま)・・ではなく(お疲れ様です)とデスを入れてください」と。上目線の言葉遣いでダメだと。一番のペーペーが生意気な口をきくなとパンチを食らった。緊張感や全体の秩序を乱す素が言葉使いにあり、なるほどそうかもしれない。ひとつ勉強させてもらった。子供時代から注意散漫、落ち着きない子供であって、だから動き回る営業が性に合ったのかもしれない。親しみを込めた溜め口がいけなかった。こちらは親愛の情で言っても許されないらしい。下町や落語の世界がいいね、全く。
ところで、いろんな場所の後ろ側をバックヤードという。これまで、たくさんのホテルに泊まり、こういう仕事を毎日している人たちが支えているんだと改めて思った次第だ。北海道も御多分に漏れず、爆買や東南アジアからの観光客が多く、どのホテルも団体客で溢れているから、部屋を清掃・ベッドメイクする人たちは大募集だ。電車の清掃や地下街の清掃、待合室の清掃、エスカレーターの手すりまでタオルを当てて汚れを若い女性が落としている。
私の良くいく居酒屋も0時を過ぎると洗い場の食器を明日のために全部洗う。私の欠陥は日常生活だ、部屋は汚い、ベッドは散乱、ワンパターンな料理、アイロンかけられず。妻は私が長生きした場合を想定して料理教室へ通うことを望んでいる。そういう男がホテルで清掃をしてくるんだから、世の中わからない。清掃の世界だけではなくて、いまや派遣業務もバックヤードに似ている。毎日、見るテレビもカメラを回す人たちは関連会社の下請けだったり、新聞配達も朝の4時から配る販売店のアルバイトの人たちだ。バックヤードは奥が深い。
愛知県の三河・岡崎に20代に10か月住んだだことがあるが、刈谷などは狭い路地に車のミラーだけ積んでいたり、部品の山を見ていた。これがでトヨタへ送られ、不景気になれば納入単価を下げられたり、辛い思いをするんだろうなと思った。新車一台を作るために、どれだけの部品数と手間と犠牲があるのかも時々考えたいことである。


アドマン。
バックヤードはどの世界も暗いですね。華やかな舞台も裏手ではベニヤ板がむき出しで、とても客にはお見せ出来ませんね。派手な商売ほど表と裏の格差は大きいですね。例えばホテルの宴会のテーブルなどクロスを剥がせば汚れて傷だらけのランバーの雑なテーブルですし、上の美味しそうな料理とは対照的ですね。裏手や裏方は表の世界とは正反対です。ホテルもレストランも調場は汚く不潔にさえ感じますが、忙しい現場でもあり、汚れて当然なのでしょう。ですからお客には見せない所でもあって手を抜いている嫌いもあります。でも私はそんな裏手を見るのが好きです。物を作りだす工房ですからね。例えば著名人や有名なミュージシャンなどのステージでは必ず裏手を見てしまいます。裏方さんの動きや舞台装置や照明などの工夫が視れるからです。映画でもCGを除けば撮影の仕方にも興味が湧きます。ですから、何かにつけて裏を見る癖は、残念ながら、完成されたそのものを味わったり入り込む事も無く、心から感動出来ないと言うちょっと情けない性格ですね。何でも作り手や裏方の苦労を知りたがる職業病の一種ですかね。ドラマでも舞台でもミュージシャンや若手ユニットの歌や踊りに没入しきっている人や追っかけで何処にでも飛び回る多くの女性ファンたちが信じられません。受け身になって最初からその世界に居れば楽しいのでしょうね。しかし、考えて見れば、観客を魅了するスターたちでさえもステージは華やかですが、そのためにバックヤードでは人には言えない、見せられない苦労や努力が有るのでしょうね。華やかさとバックヤードはどれも1セットなんですね。
seto
バックがあってはじめて物事が立っているんですね。一度だけ苦しい飛行機に乗ってロスに到着、ユニバーサルスタジオに行きました。ケビンコスナー主演のウx-ターワールドのアトラクションありました。私は心身ボロボロ「飛行機に乗れない)で施設の裏側に廻りました。トタンで打ち付けただけの貧弱な建物、表は派手に水を観客にかけてキャーキャー言わせてましたが、職人の仕事ではないなあ、いずれ事故が起きるぞと思って帰ってきました。表よりバックヤードに本質がありますね。裏金もそうです。ファッションショーも衣装の着替え現場は戦争です。ストリップ劇場の控室に入ったことがありますが、ここはタバコだらけでしたがきれいに整理整頓されていましたよ。ロシア料理を食べていたら知り合いになったストリップさんに招かれたんです。千歳のサケ水俗館のバックーヤード見学会に行ったことあります。病気の魚がいたり、綺麗な水を送るパイプの設備や水槽、職員の会議室まで見せてくれました。政治家の夜のバックヤード見学会も録音機器を持参していきたいものです。特ダネ取れますよ。
ヘターリスト。
若気の至りで、大阪は心斎橋のクラブで、クリスマスシーズンだけ手伝ってと友人の亭主だったバンドマスターに誘われて、つい歳が明けても手伝っていたバイト気分のやっつけバンドマンでしたが、主にギターのメロディーラインとボーカルが私の仕事でした。ここのバックヤードも酷かったですね。商売ですから支配人も常連客には気を使って居ましたが、我々には当然ながら下請け業者扱いで控え室も窓さえない超狭い空間があてがわれていました。演奏の合間の休憩時間にタバコでも吸えば煙が充満して休憩室とは言え、とても快適とは言えませんでした。一方、ステージに立てば眼下には華やかな世界が広がっていて、男女のペアがテーブル席のキャンドルの下、グラスを傾け、幸せそうに談笑していて、我々の演奏などはバックグランド程度の受け止め方で真剣に耳を傾ける客などいませんでした。そんな状態が続いて情けなくなり、段々やる気も失せ、どうせなら逆の立場になりたいとさえ思う様になりました。そしてその世界から抜け出す事を決心しました。申し合わせてギターの私とギターコードの友人とドラムの友人の3人一緒に抜けた後のバンドにはピアノとキーボードのバンマス、ボーカルの女性、スチールギターの男性しか残りませんでしたから、曲風もすっかり変わった事と思いますが、気の毒な事をしたと反省と同時に、当時はなりたかったバンドマンでしたが、二度とあの世界には戻りたくないとも思いましたね。客商売には客には見せないバックヤードが必ずありますね。それも共通項は華やかな商売程ですね。
seto
なぜきれいな清潔なバックヤードってないのでしょうか?hッターリストさんのクラブもそうだったんだですね。ホテルの披露宴に運ぶ料理を置いておくバックヤードもひどいもので、ほこりをかぶらないよう紙を載せるとかビニールでハエがを防ぐとかしてもいいのにと思いました。ホテルの販売促進室は必ずバックヤードです。料理の並んでいるのが見えてしまいます。販促室に入ると必ずグラフがあって個人別の表がこれみよがしに張ってます。宴会獲得件数の表です、生保の契約本数に似てます。私はプリンスホテルで見ました。大丸デパートの社員エレベーターでもうるさい説教が流れ、三越の食堂は汚くてタバコノ煙がムンムンして暮らしに疲れた女性たちが多かった記憶があります。20年以上前の話だから変わったとは思います。病院でも点滴箱や薬使用済みの箱が未使用の階段に積み上げられている病院もあります。私の寝室も似たり寄ったりですがね。きれいの後ろには必ず汚いが貼りついています。老子みたいですね。
高齢者に分類差別されました。
我が家の奥様もホテルのベッドメーキングの仕事をしていた事がありました。それも自分のチームを持って居て数人を車に乗せて遠くは大和ルスツのタワーホテルに冬の中山峠を運転して行っていました。他にも駅前のワシントンホテルやススキノの大きなホテルにも行っていました。その時の話を思い出しました。我が奥様のチームは数人で少人数でしたが他チームとの競争が激しく、ダメ出しチェックなど入れば仕事も無くなると真剣でした。かなりの短時間で効率よく走り回る重労働だったようです。当時、私も失業期間に高齢者の一般家庭の除雪や窓ガラス拭きや室内清掃などを手伝いましたが、高齢者にも我儘な人や色々な人達が居て苦労しました。今ではチームも解散してしまいましたが、その後ヘルパー制度が出来て商工会議所でのヘルパー養成の一期生となり、市の外郭団体の福祉協会のヘルパーステーションに所属し介護の仕事に就きました。ホテルでの別途メーキングや清掃の経験も生きた訳です。その後は介護福祉士や介護関連の国家試験も多数取って資格は持って居ますが、これも利用者の我儘や協会との摩擦などもあって辞めました。表に出ないバックヤードの仕事はどれも報われない事が多いですね。それに若く無ければ体力勝負の所も有りますね。高齢者の我儘を体験した私達も、いつの間にか高齢者に分類されていました。
seto
昨日、五木寛之さんの「とらわれない」を読んでいたら、「人は年をとると円くなる、という。ほんとうだろうか。私にはどうもそうとは思われない。むしろ逆なのではあるまいか)高齢者の対応に苦慮する仕事がたくさんありますが、体内エネルギーが減少している高齢者は元気が減速して、丸くなるようにならざるおえないからそうなる。一方、エッジを立てて威張り、命令する人たちがとても多い気がします。ほとんど男です。自民党の80歳を超える森喜朗、二階、麻生など見ていると「エッジを立て続けて、円くなって好々爺どころか欲情の塊になったギラギラ寅ですね。身近にも元国家公務員も威張り癖の80代います。ほとんどはバックヤードで仕事をしたことがない人が多いですね。またはそこから出て晴れの舞台へデビューした快感保持ですかね。道選出の長谷川岳のパワハラも相当ヒドイので知事と市長が注意したら、謝らない無知ぶり。死ぬまで治りません。