15年前にヘルニア手術をしたが、トイレ困難状況を味わい、食べるより、難なく出せるありがたさを再発見。

食についてはあれこれ書いてきた筆者だが、食べたら出す(出る)話を書いていないことに気づいた。たまたま『トイレ』(ミネルヴァ書房)というそのままズバリの本を見つけた。

スウィフトの本に裏切り者は緑色の便をするので、それを確かめに家来が王様の命で便色を調べる話とか、フランス文学者渡辺一夫さんの本に超美人でクラクラする女性を見たら、バランスを取るために彼女のトイレでのポーズを思い浮かべるといいとか、中村浩『糞尿博士世界漫遊記』(教養文庫)で尿を飲み水に変える研究をしていて、ソ連(現ロシア)で宇宙開発の関係者を前にした講演で、突然、自分の尿を出して水に変えてそれを飲んで、会場を唖然とさせたと。

誰しも実は糞尿に関しては、男女に関わらず失敗談含めていろいろなエピソードを持っている。その発表の機会がないだけだ。居酒屋で話されてるとは思うが、話せば『おいおい、食べているときに汚い話はよしてくれ、悪趣味だ』と嫌われる。子供は尿や便の話が大好きだから(おならの話も)、いつのまにかし尿・便の文化は入試試験問題からも遠ざけられてしまった。大事だと思うけど。

『トイレ』の本に戻れば、副題が排泄の空間から見る日本の文化と歴史。書き手がし尿・下水研究会だ。1998年に立ち上げた組織。会員は約20名。し尿・トイレ・下水道関係者が多い。『日ごろ、何となく口にするのがはばかれる話を、話題にしにくい話を幅広く情報交換する場をつくった』わけだ。古代、人間はどこでどういうポーズや環境で排泄をしていたのか?世界史の教科書には書いていない。日常の暮らしが書いていないのである。食べていないと生きられない生物としての人間だから必ず排泄をしているはず。

古代人は川を利用して排泄していた。天然の水洗トイレである。日本では縄文時代の貝塚やゴミ貯めから石化した便が見つかっている。糞石と言う。しかし、自然の中におおらかに男女とも大小便をしていたと思えば間違いないし、それが天然の肥料にもなっていた。川ヘリに突き出すように作られたトイレは世界じゅうで見られる。

私の義姉が万里の長城を見に行ったが『もう中国へは行かない』と言う。『どうして?』『トイレが丸見えところでするので嫌だ』と。水洗トイレに慣れている者から排泄に行くときに感じる違和感は大きい。水に流すトイレットぺーパーも使える国は少ないそうだ。ヨーロッパも下水道が作られる前は、自宅にある容器にし尿を入れて窓から『ご注意!』と叫んでざっと道路へ捨てていた。どれだけ匂う町であったろうかと想像する。ベルサイユの庭もあちこちで淑女がスカートを上げて何をしていたと思うと興ざめる。香水が発明されたのは必然であった。

江戸時代は無駄の無い環境の江戸。世界で一番のエコ都市であった。江戸の長屋20人の借家人が住んでいれば、1年でし尿を売り1両以上の収入がある。一人前の大工の1か月分の収入に匹敵する。

  1. 今ではすっかり水洗のシャワートイレに慣れてしまいましたが、田舎育ちの私は貴重な?経験もしました。叔父さんの家ではペーパーが無く、蔦の大きな葉を乾燥させたものが置かれて居ました。ですから叔父さんの家のトイレは余り好きでは有りませんでした。紙が有る家はまだマシでその紙もざらざらのものばかりでした。一般的には新聞紙でしたね。今思えば綺麗に拭ける訳がないですね。子供を田舎に連れて行くと、食事もトイレもお風呂も外出して外の施設を利用しました。今の子供たちにはとても耐えられないようです。それも考え方一つで「防災訓練の一環として田舎暮らし体験」などして見るのも良さそうですね。イザ!災害となれば、経験者と未経験者の違いは大きいですからね。

    • 私は国鉄の長屋で3年過ごしましたが、そこでは茶の紙は上等、折込チラシが置いてあって、それを自分で柔らかくして使いました。お尻にインクがつきました。もちろんドボントイレで、行くまでが怖かった記憶があります。水洗なんて贅沢な設備でシャワーツキは未来からのおくりものぐらいで思っていないと、いつどういう災害や苦しい暮らしが来るのか覚悟しないといけません。その下水管も耐用年数が全国各地できていて、しかし、準備するお金がないみたいです。鉄管をつくるメーカーが10社くらいあるはず。水道企画で営業まわりをして全メーカーから広告をとったことがあります。水道局からの推薦なので100%広告をもらいました。ずるいやり方ですね。

  2. 状下水道管を地中に埋めるのはやめた方が良いですね。あちこちで破裂していて補修完了まで相当の大掛かりな工事になります。メンテナンスが必要不可欠ですから、最初から見えるように地上に這わせた方が良いですね。汚いものには蓋は昔の事。今は見える化が最良の選択肢ですね。

    • 地上に這わせるアイディアもありでしょうが、ウンコとオシッコ、トイレットペーパーが流れる管が地表に現れてるとどうでしょうか?地下水道を使ったヨーロッパー映画ありましたが、ものすごく大きいですね。地下に川をつくるくらいの官なら丈夫でショウガ、なんといっても土木と水道管業者って地域(市町村の予算規模小さい)性ありますから都道府県が補助しないと保守できません。ここで1発大きな地震や富士山爆発、再度の原発事故で住民が大量難民化した場合どこに行ったらいいのでしょう。タワーマンションの連中は人数が多くて、近くの公共施設には収容できないとも言われています。一番、大事なウンコオシッコの処理ですよ。大阪万博の現場に10%くらい女性が働いています。現場に女性トイレが少なくて大問題。この国はどうして最終の現場で働く人への人権(真っ先に作るのはトイレです)、戦争中もインパールへは食料なしで下痢と餓死しています。基本「現場を見ていない、見たくない」「自ら手を汚したくない」そう考える人が一番汚れた人ですね。昨年、夫婦でノロウィルス罹患しました。便器のありがたさ実感。その前はトイレの鉄管の割れで水びたし。1週間、道の駅やスーパーのトイレを利用しました。親切な近所の人たちは「我が家を利用してください」と声掛けはありました。さすがに使えませんでした。

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