
元文春記者のリアルレポートだ。万引き、ストーカー、DV暴行、売春、ホームレス、孤立死、生き地獄化する余生と7つの章に分けられて4本のコラムも挟まれている。どれを読んでもすごい!特に第二章のストーカーの実態には立ち止まってしまった。実際のストーカー加害者を取材している女性記者。テレビ・新聞広告で「生涯現役」とか「やりのこしたことがある。それは恋愛だ」思い込んでいるシニアストーカー及び予備軍だ。実際、ストーカー加害者を勇気をもって新郷さんが取材した3人の男性から、彼女自身がストーカーされる(しつこい電話や数々のメール洪水)で最後は自分の携帯電話番号を変更せざる終えないところに追い込まれてしまう。「シニアストーカーの凄まじい思い込みと執念」を体験する羽目になってしまう。ストーカーの被害者と加害者を10年以上向き合っているNPO法人「ヒューマニティ」の小早川代表から、取材するときの5つの注意を教えられる。(1)本人に興味を持って(持ったふりをして)話を聞かない(2)笑って(笑いかけて)接しない(3)楽しそうに(楽しいふりを)しない(4)下手に褒めたり励ましたりしない(5)体に触れない(握手もしてはいけない)。基本は「相手への好意と勘違いさせない言動に気をつけることだ」。営業を仕事としてきた私としては、5つのことはお客さんとよくしてきたことだと気づく。
記者自身がストーカーに遭った経緯を考えると思い当たる節がある。とにかく凄まじいまでの追いかけ電話や記者への求愛メッセージで追いかける、激しいストーカー行為を繰り返す。携帯が着信拒否されたら公衆電話からも「会いたい」コールがかかるから凄まじい。「迷惑です」「やめてください」という日本語がまったく通じないシニアストーカーたち。どこまでも「自分は正しい」と認識や言動を改めない人たちだ。さらに逮捕にまでいく高齢者のストーカーは妻帯者でもいる。対外的に孤独で無くても(家族がある)、俺の寂しさや哀しさをなんとかしろという心の声がベースにあると専門家はみている。
現代人なら、孤独や寂しさは世代を越えてあるから、全世代がストーカーになり得ると感じる本であった。
