高齢者と楽器の話の第二弾です。
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高齢者がどの楽器を選べばいいかは決まっています。それは自分が「かっこいいと思う楽器」です。どうせならこのさい、昔から欲しかったものをドーンと買ってしまうことです。昔から憧れていた楽器を手にした時の感動は、何ものにも代えがたいものがあります。
本当に好きなものではなく、「初心者にも簡単そうな楽器」という基準で選ぶと困ったことになる場合があります。そもそも簡単な楽器というものはなく、簡単そうに見える楽器は、たいていは非常に難しいことが多いです。例えば打楽器類は単純な作りで、すぐ音が出るものが多いですが、打楽器1個で延々と楽しく弾いてられるには、相当な腕が必要です。ウクレレも小さくて弦の数が少なく、フレットもついているのですが、弦がとんでもないチューニングで張ってあるというクセモノです。一般に、原始的な楽器ほど音が出しづらく難しいと言えます。
反対に電子楽器は本当によく考えられていて、あらゆる人が比較的無理なく演奏できるものが多いです。例えば鍵盤楽器なら、生ピアノを弾くには相当な指の力が必要ですが、電子キーボードならキーを押すだけでちゃんとした音が出ます。楽器がほしいのではなく音楽がやりたいと割り切れる人なら、偏見を持たずに電子楽器を選ぶほうがいいかもしれません。特に日本の電子楽器は世界中のプレイヤーの垂涎の的で、海外では定価より遥かに高い値段でしか手に入らないこともあります。電子楽器は、日本に生まれたアドバンテージのひとつです。
楽器の値段というのは難しい問題です。もちろん懐具合が最大の問題ですが、高ければ良いわけではなく、高級品の中には熟練者でなければ音が出ないものも少なくありません。初心者でも最初からそれなりのものを買ったほうがいいという意見は、多分に楽器店や指導者の思惑も含んでいるように思います。その点、最近はどの楽器でも中国製のかなり安いものが出回ってきました。これについては賛否両論ですが、容認派は「これでもいいんじゃない」という軽い言い方ですが、反対派は「絶対にダメ」という言い方をしがちです。私は心が曇っているので、あまり頑なな反対意見は「怪しい」と感じてしまいます。
最後に、ピアニカ(鍵盤ハーモニカ)というのはかなり優れた楽器です。お子さんの使い古しなどがあるなら、買う必要もありません。チャチな音のようですが、あの音はタンゴで使うバンドネオンとそっくりで、情感のこもったメロディがぴったりきます。小さくて取り回しが良く、力も必要ありません。無理に和音にせず、単音だけでも十分な味わいがあります。他の楽器を買ったとしても、鍵盤楽器はなにかと便利なので、同時に使ってみるのもいいでしょう。
