銀行の株主総会に初めて出席したら。

10年前の話。中学の同級生が証券会社の役員をしていて、彼が『銀行の株主総会に出たことがあるかい』と聞かれたので『一度、様子を見てみたい』と言うと出席できるチケットをくれた。するとびっくり、ご老人の会ではないか。杖をつく人も多いし、圧倒的に男たちだ。ひな壇に銀行の役員たちが並んで決算の報告をする。説明が終わると『何かご質問はありますか』。『はい』と手を挙げるおじいちゃん。『銀行の職員は給与が高過ぎるので、それを配当に回していただけないか』。パラパラと拍手。

配当が増えるともっともっと欲しい、少なくなると配当を上げろ、損をしたら金返せ・・・株をめぐる古典的な図式。リーマンショックで資産運用に大幅の赤字を出した大企業が、自社株の幹事証券会社に『損失を補填しろ』と命じて補填させた強盗企業が幾つもあった。株主総会に出ていた老人たち、失礼ながら、たくさんの未来時間があるようにも見えない。十分、生き切るまで暮らしは成り立っているはずだが、『金銭欲はとどまらず、残すは子孫に財産争いか』などと貧乏人の私は思いながら総会会場を出た。

株には詳しくないが『絶対に損はしない大幅に儲けられる株』というものがあって、勧められたことがある。何でも90人くらいの日頃お世話になっている人にだけ『お知らせする株』らしいのだ。先立つ余裕の金もなく断った。こういう株を証券マンは妻や子供名義で買い、儲けるらしいのだ。そして当然、口をつむぐ。寡黙になる。寡黙が過ぎて退社するケースもある。同級生の役員をある日訪ねると『辞められました』と。『えっ』。知り合いの女性が私に『あの人のことについてあれこれ聞かないほうがいいわよ』。闇の世界だ、株や証券は!天国地獄を覗きたければどうぞお入りくださいですね。金利が超低いので、金が証券へどっと流れている。そこが地獄の1丁目にならぬよう。パソコンでネットで株を売り買いする人も多い。目の前に迫る投資会社によって引き起こされる金融の大危機の波をかぶる前に退散を。