「依存症ビジネス」について
「廃人」製造社会の真実というサブコピーで、18歳から32歳までアルコール依存症で苦しんだ著者デイミアン・トンプソンが書いた「依存症ビジネス」(ダイヤモンド社)。
ざっと第1章から第10章までタイトルと副題を並べてみる。こうするだけで著者が何を言いたいかブログの読者はおおよそのことを想像できるはずだ。現代人で依存症になっていない人を探すのが困難なくらいだ。私もブログ依存症、パソコン依存症、活字依存症とも言える。昔は仕事依存、会社依存であったと思う。今は通勤フェチだ。
第一章 社会は私たちを「廃人」にしたがっている ~iPhoneいじりと甘すぎるスイーツに見る病みつきビジネス~
第二章 依存症は本当に”病気”なのか?~環境次第でだれもが(依存者)になりうる社会~
第三章 なぜ自分を破滅に導く習慣をやめられないのか?~病みつきビジネスが利用している脳の仕組み~
第四章 お買い物とヘロインとお酒の共通点とは?~自由市場と依存の関係は18世紀ロンドンで始まった~
第五章 スイーツはもはやコカインだ!~スタバの(フラペチーノ)に仕組まれた巧妙な戦略~
第六章 どこに行っても安く、大量に酒が手に入る世界で~社会をアルコール漬けにするメーカーと販売網~
第七章 処方箋薬がこれほどいい加減とは!~合法的なクスリでもじゅうぶんトベる
第八章 ゲームという新時代のギャンブル~合言葉は(ユーザーを永遠のキャッシュマシーンに~
第九章 「無料ポルノ革命」の衝撃~最新テクノロジーを最大限に活かす無秩序な業界とその餌食たち~
第十章 われらを誘惑から救いたまえ~依存の解毒ですら商売になる時代で~。
ざっと表題をみて、すべての厳密な意味で依存症が無くなったら、文明はなくなるのかもしれないなと思わせる表題である。生まれたときは、母親に依存しないと生きてはいけないし。銃や薬、そして税金依存(政治家や税金で儲けようとする人と企業も含めて)からどれだけ遠くで生きられるか?しかし、一つの国家を維持するのにこんなにお金が必要なのだろうか?
公的な博奕を特権化(独占化)して競馬は農水省、競艇は運輸国交省、宝くじは財務省。博奕で国家は依存症をたくさん作って税収を増やして、天下り先を増やしている。国家とは不思議なものである。一番の博奕は選挙かもしれないが、いよいよきょうが投票日である。
理性的に合理的に考える選挙はもう終わったのではないかと筆者はアメリカのトランプ現象やイギリスのEU離脱、フランスの右翼党首のEU離脱の動きをみて感じている。インテリが喋れば喋るほど、世の中が逆方向へ向かってる気もするのだ。さしづめ、それは自分の現在の感情だけに存症している病気とでも命名できそうだ。しかし、その感情が実は生命の根源でもあることだ。怖い世界になっている。アメリカの銃社会も支えるのは恐怖心だ。
怖い夏の夜。
大抵の依存症ならまだ我慢もできるが、世界中で起きている銃乱射事件やテロ。これも「殺人依存症」とでも言うべきなのか?。動物たちを虐待したり、捕獲したり、殺したり、食べたりする人間は、ついには、動物に飽き足らず人間同士で狩りを始めた。こんなゲームはPCの中でシュミレーション済みの世代の者たちが実行している。意味のない殺人。理由なき殺人。行き掛かり殺人。僅かな小遣い銭殺人。身近にこんなニュースがあふれて来た。自分だけが安全などの保障はどこにもない時代だ。この夏は特別暑くなるらしい。そんな灼熱の夜には必ずと言っていいくらいに事件は起きる。暴力依存症、暴走依存症、器物破壊依存症、性犯罪依存症、窃盗依存症。etc.
仕事人。
アルコール依存症で、義兄は一生を終えた。三度も切開手術もした人だから、薬も常用していて、その相乗効果?は麻薬なみだった。眠るときは枕の下に短刀を敷き、誰も寄せ付けなかった。悪夢を見て何をしでかすか判らないので家族はもちろん、たまに泊まった僕なども、夜は離れた部屋で息をひそめていたものだ。一日中お酒ばかりが彼を支配していた。そのくせ、スポーツカーでブッ飛ばす悪い癖もあって、家族を乗せて東名高速でスピンしてクルマは大破したが、本人たちは無傷で助かると言う悪運の強さも、最後は自宅の階段から転げ落ちて肋骨が肺を損傷して亡くなった。そんな義兄の教育で、僕も高校生の分際で、夏休みには夜の新宿で飲酒したりしていたが、次第にお酒を避けるようになった。今では、飲みたいなどとも思わず、お酒の付き合いも無くなった。その裏返しが仕事依存症だ。
依存は依存を呼ぶ。
タバコは、ロングの20本入りを一日3箱は吸っていた。次第にニコチン、タールの軽いものにして最後はメンソールタイプだったが、吸いやすいために本数は減らなかった。そんな「タバコ依存症」から救って?くれたのは長年勤務した会社の突然の倒産事件だった。50代でヘビイ・スモーカーで体力も落ちていたところに精神的ダメージは相当な負担になった。懇意にしていた債権者を昼飯に誘ったが食事は喉を通らず、タバコも吸う気がしなかった。彼に申し訳なく、タバコの箱にライターを付けて「タバコを止める事にした」と差し出した。そんなもので彼が満足するわけがないが、精いっぱいの償いのつもりだった。誓ったその日から、葛藤が始まった。いつもあるべきシャツの左胸のポケットに右手がタバコを探しに行く。何十年もかけての習性が無くなるまでには数年かかった。口も寂しく飲料を大量に飲んだり、ガムを噛み続けたり、タバコこそ買わなかったが、違う依存症が始まってしまった。
セックス依存症?。
セックス依存症で名誉を傷つけられたプロゴルファーもいた。何かに秀でていても、どこかに落とし穴があったりする。彼も結婚せて居なければ依存症で済んだのだろうが、結婚していても、世界各地を転々としていて家庭に収まっていないがために違う女性を求めたのだろう。また、あれほど有名なスター選手ともなれば女性たちの標的にもなりやすい。女好き?(普通の男なら当然?)は一生治らないと、言うより、むしろノーマルで健全なのかもしれない。ただ結婚していれば、家庭ができ、子供も居たりして、その家族を守る責任において理性が求められる。しかし、依存症は病気の一種と位置付けるとしたならば、カウンセラーも治療も薬も必要なのかも知れない。セックス依存症を治すには?異性への好奇心や好意や行為を持たないようにするのだろうか?配偶者にも?配偶者以外にも?。
ショッピング依存症?。
TVショッピング番組の健康食品や健康器具にはじまり、ネットショッピング では食品から衣類から調度品から、何でも売りつけてくる。大抵の切り口はこうだ。「通常いくらだが、今申し込めば半額だ」とか「試して嫌なら返品可能」とか値引きに見せかけた安物を押し売りする。まんまと乗っかる人も、半信半疑の人も、一度試せば、次々とDMが届く。それだけの経費を掛けてもビジネスが成り立つ背景には、それだけの需要があると言う証拠だろう。またそれに興味を持つと言うことは、如何に暇を持て余している人々が多いかも物語っている。高齢化社会などと、ひとくくりで言うが、若年高齢者は健康には自信があっても、大概の高齢者は長生きの為には?異常なまでに健康志向が強いようだ。ネット・ショッピング・ビジネスは、サプリメントやお洒落用品などのジャンルで、忙しい若者たちにも拡大しているようだ。時代はショッピング依存症なのか。
コーラ依存症。
コカ・コーラの日本上陸の時はショッキングだった。あれからコーラはまるで麻薬のように広がった。コカ?と言うからにはコカインを連想するが、メーカーは種明かしをしない。中毒になるような仕組みは販売拡大にもってこいの手法だろうが、人体内で命に関わる部分でもあるなら、もっとクリアにすべきとも思う。安心して飲んだ方が精神的にもスッキリして、それでこそ清涼飲料だと思う。消費者にとっては、企業秘密も食べ物や飲み物には必要ないと思う。
日本食依存症。
TV番組では、毎日のように、あれはダメ、これもダメと医者まがいのコメンテータが語っている。おかげで、僕などTVを殆ど見ない者にまで影響が及んで来た。最近では「朝から和食はダメでグラノーラと野菜ジュースを摂りなさい」と。お蔭で、納豆も止めて、まるで鶏のエサのようなものに牛乳を掛けて食べさせられている。ノリは醤油をつけるな。刺身も醤油はダメ、納豆もタレの塩分がダメ、みそ汁はもってのほか、冷ややっこも醤油はダメ?とダメだらけ。これまで日本食はダイエットにもいいと言っておきながら、いつから変わったのだろうか?すべてはメーカーの戦略に過ぎないのでは。グラノーラの食品メーカーの売り上げは上がるだろうし、牛乳の消費も増えるだろうが、その陰で急激に売り上げが落ちるメーカーもあるに違いないが、あんまり振り回さないで欲しい。せめて朝飯くらいは好きなように、ノリやみそ汁や納豆や豆腐など食べたいものだ。
ロト依存症。
ロト6は月曜と木曜、ロト7は金曜抽選だが、週に一度は1,000円でこの2種類を2本づつ購入している。余り期待できないが、間違って当選でもしたらと、その時の準備に「MOSIKASITARA」と言うフォルダーにエクセルの一覧票を入れている。1億~20億までの、もしかしたら当選するかも知れない時のための使い道を打ち込んでいる。未だに、このフォルダを開くことは無い。僕の病名は「一攫千金依存症」とでもしておこう。
後年反抗期。
何でも反対に考えれば正しい世の中のようだ。医者の診断で貰う薬も頻繁に飲まなくなったし、身体を動かした方がいいと言われジムに行ったが、やめている。自分の事は自分が一番判るので、無理しない方がいいですね。医者だろうが、先生だろうが、インストラクターだろうが、言われるままにしていれば思うツボ。ビジネスに乗せられて依存症にならない為にも反抗している。