コーヒーブレーク(第3回)
私が利用する居酒屋。会社の近くにあり、オープンからずっと通ってる。この店以外は行かないし、ランチタイムも利用している。夫婦で経営している。24時間、一緒にいると、どちらもストレスは溜まるだろうなと思いながら、カウンターでおしゃべりする。奥様は京都の人で息子は競輪選手、既婚、娘も結婚して大阪に住んでいる。なれそめを聞くと、奥さんが富良野にスキーに来たときに、高校のスキー部出身の旦那さんから教えを受け、それ以来の付き合いで結婚。しばらく大阪の居酒屋で修行をして、札幌で独立したとのこと。大阪時代、松下電器の人が来て、その態度や物言いが生意気で頭に来て「周りのお客さんの迷惑になるから帰ってくれ!」と怒鳴ったと言っていた。企業城下町的なところでは、えてしてそういう人間が威張る。苫小牧における王子製紙や室蘭の新日鉄もそう。退職した後もこの癖は取れないから、地域から孤立する。教員や公務員も指導する物言いの癖が取れない。道警出身者も気をつけないとパワハラ言動になる。病院のナースから一番嫌われる男患者は、大学教授、社長を経験した人。(看護士という単語を女性はナース、男はモースとかナースマンに戻らないか?)
不動産会社の女性役員と話したら、「最近、道庁や教員ってうつ病が多過ぎて大変みたい」と。「なぜかって言うと、何も自分で決められない仕事ばかりで、ストレス抱えてダウンするのだ」とは彼女の説。「先日、4歳になる男の子がケガであざを作り、亭主に病院まで運んでもらったら、奥さんこちらに来てと医師が言うから行くと、このあざ、ご亭主のDVではありませんかとひそひそ聞いてきた」と。筆者は、時代はそこまできているのかと嘆息したものである。あざを見たらDVとまず疑えと外科や整形では通達があるのかもしれないね。しかし、疑われる亭主が可哀相だ。聞いたら医者に激怒するか今の時代に愕然とするかも。世知辛い世の中だ。世間で親が子を殺す事件が多発しているので事前にキャッチしようとしているんだね。
自宅前の道路にいつもタバコの吸殻が数本捨ててある。子犬の散歩に出かける旦那がいる。あるとき、筆者の庭を「田舎臭い」と言われて以来、口を聞いていない。日本庭園が彼にとって理想の庭らしい、それからいくとバラなんて植えるものではないそうだ。しかし、タバコのポイ捨ては私への意地悪なのか、単なる癖なのか、無神経なのか。ゼネコンの現場監督を長年やって、地場の業者へ絶大な権力を行使していたから、私へも彼らと同じ扱いの口調になってしまったのか?とにかく怒鳴るように喋る不思議な人だ。彼の庭木は業者からのプレゼント、コンクリートガレージも業者に作らせ、当時マツダの最高級車センティアもタダでもらっていた。12月になると歳暮の山。一度だけ奥さんから「ハム」をもらったけど。
筆者の生きる狭い世界でも、広い世間や時代状況と密接につながっている。『愛する神は細部に宿り給う』(ゴンブリッジ教授・・ワールブルグ研究所・・ルネサンス美術精神史研究・・ロンドン大学付設研究所)
先日、某旅行代理店の元社長と話すと『10年前、当時の経理部長に2200万円横領された』事件を話してくれた。『新聞や警察沙汰にならぬよう隠したが、実は彼、次の転職先でも再度横領して首に。横領は病気だね』と。筆者の勤めた会社で、経理を募集して内定を出した男の勤めていた会社に総務が評判を聞きに行くと『止めたほうがいいよ。横領して辞めさせたのですから』。内定を取り消したのは申すまでもない。一度、横領の方法や味を知ると止められないらしいのだ。ある人が『子供のころの母親のしつけに問題がある』と。筆者は『なぜ?』『自分のものと他人も物と区別がつかない、麻痺してしまうから、母親はきっぱり叱らないといけない。それがないとそういう大人になるんだ』。よくわからない世界だ。政治家全員が税金を横領しているように見えてくるから不思議だ。母親のしつけがなってない人の一番の適職は政治家かもしれない。
癖。
そうですね。お金を扱う経理をしたがる人には多いですね。何人か見ました。いい服を着て、いい車に乗って、立派な戸建てに住んで、飲み食いして、ゴルフも頻繁に行って、給与もそこそこもらって業者と癒着するパターンです。明らかにおかしいですよね。自分たちと同じ暮らしなら、まだ納得がいくのですが、飛びぬけていますからね。一目瞭然です。そして、過去をたどれば、同じことの経験者ばかりです。
粗さがし。
老後も威張っている人は、大会社とか公務員とかの経験者に多いです。看板を背負っていたから通用したことを、まるで自分の手柄に勘違いしているケースです。退職すれば「タダの人」です。みんな平等な人間ですから上下関係など存在しません。かと言って「タメ口」もいけませんね。お互いの人格を尊重しなければ。上から目線の人の場合、人の欠点ばかり見たがるようですが、ご自分の欠点は見えていないようですね。今までの環境でも注意されたことがなかったからでしょう。これはもう母親の教育以前の個人の資質の問題でしょう。母親が可哀そうです。
神経戦。
セクハラ、パワハラ、DV、鬱、日本の現代社会は窮屈になりました。言葉尻にも気を使い、神経を張り詰めていなければ犯罪者か病人に仕立てられてしまいます。PKOの派遣先では、民間人が軍隊に襲撃されて、種族のつがいだけで男は殺され、女は犯され、略奪されていると言うのに。日本は国境を海に囲まれていて、まるで昔の城のようで、国外のことは対岸の火事同然で今日も過ごしている。平和を自負している我が国の戦争とは精神面との闘いなのだろうか。
辞める理由。
採用の際、前職の会社に電話で問い合わせても、今では、個人情報は教えませんから「よく働くいい人でしたよ」と、くらいしか聞き出せない。
それならまだいい方で、「一切お答えできません」と突っぱねることさえ多いから、真っ向から問い合わせても真実はわからない。総務に聞くより、そこの社員に聞いた方が早い。個人情報保護法も末端の社員には浸透していない例がほとんどだからだ。僕も前々職で採用した社員の真実を知ったのは、以前の彼の勤務先の同僚からだった。「彼が成績を上げたのは、ほとんどが先輩から引き継いだ顧客で、裏では、下請け業社の社長さんから30万借りてそのまま猫ババした」とか。案の定、数か月で親の病気を理由に辞めて行ったが、最後まで嘘で固めていた。唯一救えるのは、辞める理由に親を殺さなくて良かったと思う。