営業職の大不人気、その2 雑感。
以前、筆者は若者の希望する業種で「営業」が「介護職」より不人気で、圧倒的に「したくない」業種であると統計数字を出して書いたことがある。営業にまつわる日本語は、「どこかうさんくさい」「調子がいい」「口八丁」「嘘をつく」「金にだらしがない」「できないことを平気でできると言い、不誠実」「どこかきれいな仕事ではない」「ときに卑屈な振る舞いになる」「外歩きで見知らぬ他人と言葉を交わすずうずうしい奴」「無駄な交際費をよく使う」「大きな数字を取るとやたら威張る」「過去の先輩たちのおかげで今があるのにあたかも自分の手柄であるかのごとく振舞う」「遊びが派手になる」「嘘の伝票を平気で出してくる」「自分の都合の悪い話になると逃げる、弁解ばかりする」。
総務をはじめ経理から聞いた、営業へのイメージ、実際感じる事柄を並べてみた。うーん、当たってることもあれば誤解もある。ところがいまは、営業は人に会わないでする。ネットで仕事の要望あれば連絡して仕事を受注したり、わざわざ出向いて余計な会話をしないでも仕事をするらしい。筆者などは余計な会話ほど大事なことはないと思っているから時代のビジネス環境からは当然はじかれる。しかし、彼らとじっくり話すとどうしてどうしてきちんと話してくる。多いのは『バブル期ってすごい時代だったんでしょう?』『私たちの年金受給時代は、もう70歳にならないともらえない』『だから毎日弁当で現金を貯めるしかないのよ』と節約家でもある。
どちらかというと生き方において筆者の親世代である大正生まれや昭和初期生まれの価値観に似ている気もするのだ。近々の「アエラ」で『人に会わないで仕事をする』特集していて筆者はびっくりだ。私は日常の企業間の「営業」と国の「外交の上手・下手」は似ていると考えていて、顔をさらさないと外交はできない。金や物を出すが、人物がいないのがこれまでの日本外交で緒方貞子さんクラスがもっと前に出てこないといけないと思う。トランプの存在に緊張してゴルフ場で転んでいる場合ではないのである。外交や営業はその人が必ず出る、良い面も悪の面も出る。出るのが当たり前でロボットにはできない対話や自分の匂いや癖、時には剃り忘れた鼻毛であったり見せて笑ってもらう。ことしは都銀と地銀、信用金庫などで職員削減計画が大規模に行われると発表がある。AIを活用して事務部門はロボットに代行である。ATM以外は銀行に用はない人々が急増しているからである。
戦後の花形産業を並べると、映画、繊維、損保、銀行、重電、通信、マスコミ、公務員(これを産業と呼べるかどうか)、食品、商社、自動車、機械産業、不動産、証券、ゲームそしてAI。しかし、どんなに産業を並べてもアナログの顔を持った人間がいないと企業は動かない。匿名で生きるならロボットで十分である。記名で生きるなら人間の人間にならなければいけない。それは業種を超えて生きられる人になること。営業(交渉事を進める対話能力を磨く)を再認識することでもある。不人気でも日常生活は見えない営業の網の中で私たちは生きている。
人から学ぶ。
若い時、営業は大っ嫌いでした。制作業務が長かったのと、営業職に同行した時の印象の悪さがトラウマだったのでしょう。ところが、ためらいながら始めた営業職がすっかり好きになってしました。自分流でも通用する事に気づいたからです。その後、人を毛嫌いすることも無くなって、むしろ人からいろいろと学ぶようになったのでした。
seto
空振り営業が続くと嫌になりますよ。筆者は何千件の営業をしたか覚えていませんが(思い出したくもありません)この年齢でも
平気なのは若いときの実践訓練があったからだと思います。営業先から100%、殺されないと思えば誰にでもできます。臆病で
ない人間はいませんよ。ドブ板をポンと飛んで向こうに渡ればいいだけです。
我が国のセールスマンは?。
「笑うセールスマン」なんて漫画がありましたね。風刺の効いたというか・ブラック・ユーモア的な内容でしたが、サラリーマン時代にはよく見ていました。セールスマンにもいろんなタイプがあって、押しの強い人。物腰の柔らかい人。いずれにしても、相手があるわけですから、お互いのフイーリングが交渉事のキーポイントになるのでしょうね。押されたら引く。引いたら押す。柔軟に対応すれば結果はついてきます。外交もおなじでしょうね。今回の北とアメリカや韓国、中国、ロシアとのやり取りなどスリリングすぎますが、お互い腹の探り合いのようでなかなか難しいですね。日本が中立の立場であればよかったのですが、同盟国として認識されてしまっていますから、今後の動きが心配ですね。日本の政治家にも優れたセールスマンが必要ですね。
seto
日本の一番の営業マンは現在、天皇陛下と美智子さんでしょうね。腰の低さといい、頭を下げる長い時間といい
日本の政治家や外務省諸君にも天皇というお手本があるのに学びません。もう1年、老体にムチ打って営業を頼む
というこのなんでしょうね。引退をさせればいいものを可哀相。