テレビ視聴率(2)ビデオリサーチの不透明性。
ニールセンが2年前から日本でも、ネット視聴率の調査・分析サービスを始めました。
http://www.netratings.co.jp/solution/audience.html#
これは、インターネットやスマホでの視聴率を提供サービスで、現行のビデオリサーチによる視聴率調査とは、いくつかの点で大きな違いがあります。
1.サンプル数がケタ違い
まだまだ番組はテレビで見る人のほうが多いとはいうものの、その調査のためにビデオリサートが設置しているモニタリング装置の数は、首都圏でわずか600台。この場合、例えば視聴率10%の時、プラスマイナス2.4%の誤差があります。
これに対してネット視聴率は、調査方法はわかりませんが、下手をするとすべて=全量調査です。そこまで行かないにしても、わずか600ということはあり得ません。誤差もへったくれもない、リアルタイムのビッグデータです。家庭用テレビの視聴ではないものの、広告主にとっては、要はその広告をどれだけ見たかが正確に分かるほうが重要です。
2.視聴者のプロフィールや購買行動も同時にわかる
例えば、視聴者の性別や年令、居住地域はもちろん、そのコマーシャルを見てすぐスマホで検索し、どのサイトを見て、結局買ったか買わなかったか、という直接的なアクションまでわかるのが、デジタル視聴率調査です。これはホームページを持っていて、アクセス解析をしている人なら、その有用性がすぐわかると思います。600台の計測器を設置した世帯のプロフィールさえ発表されない従来の視聴率調査とは、その有用性がまるで違います。これに比べれば、1個のパーセントの数字だけを頼りにメディアミックスを決定し、予算を投入し、販売体制をとるなど、ただのバクチに思えてくるはずです。
3ネット視聴も、提供されるサービスも増え続ける
テレビ離れと言われていますが、ネット視聴は確実に増え続けています。番組も飽きられているなどの意見がありますが、これはあくまでコンテンツの内容によるでしょう。でもテレビでの視聴は、今後ますます減ることだけは間違いありません。しかも、調査機器から得られるデータは、増えません。どうしてもやるとしたら、視聴中の家族の様子をことごとく記録して収集することくらいですが...
ネット視聴率調査が提供するサービスは、まだ始まったばかり。おそらくこれからもっと多くの、便利で詳細な分析サービスが提供されるでしょう。
ニールセンが視聴率調査から撤退してから15年。万全の体制で、リベンジに舞い戻ったわけですが、勝負は見えていると思います。この「万全の体制」こそ、この15年間で日本のメディアや広告会社が本当は行わなければならなかったこと、そのものだと思います。
さらに追加の原稿が届きました。きょうは土曜日なのでゆっくりお読みください。
ニールセンのサービスに関して、手法が不明だったので
サイトを読んでみました。
するとごく単純に、「PCやスマホを、従来の視聴率測定器の代りに使う」
というものでした。これはなるほどと思いました。
このサービスでは、ネット視聴だけでなく、視聴者のネット上での行動すべてを
包括した情報を提供するとあります。
ただ、プライバシーに抵触せずに、その手の情報を集めるのは
さすがに困難です。これについてはGoogleがずっと先行していて
世界中のサイトの広告バナーから、膨大なアクセス情報を収集し、
個人情報に触れることなく、いわば情況証拠だけを綿密に集めるような手法で、
消費者の行動を分析しています。が、ニールセンがそこまで行ってるとは
思えなかったのです。
ニールセンでは、まず自社でリストアップした対象者に直接、PCやモバイル端
末の使用履歴を記録するアプリケーションをインストールしてもらうよう依頼
し、契約を結びます。これは従来の視聴率測定器を家庭に設置するのと同じよう
なものです。更にネットからも、契約者を募るようです。
この方法なら従来の測定器に比べ、コストがかからず、より多くのサンプルを収
集できます。また、アプリケーションをバージョンアップするだけで、新しい調
査項目を追加し、新サービスを提供することも出来ます。
これはビデオリサーチ社にとって脅威であることは間違いありませんが、大きな
ヒントでもあります。測定器の増設などに比べ、はるかにコストが少なくて済み
ますから、二番煎じと言われようと、同様の事業をすぐさま始めるべきでしょ
う。でないと従来の視聴率データを、参考データとしてニールセンに売るだけの
事業になってしまいます。
また、今後その他の調査会社も、アプリをインストールするだけで膨大な数のサ
ンプルが手に入るこの手法を参考にしてくるでしょう。一般企業さえ、自社顧客
に対して一種のデジタル空間の囲い込みをできるようになるかもしれません。少
なくともテレビ局は、視聴者に文章を書かせる現在の番組モニターの手法を、考
えなおさなければならないと思います。
ニールセンにはカナイマセン。
いよいよ、ニールセンの逆襲が始まりましたか。ネットの時代にふさわしい手法ですね。たいていの人はPCもスマホも持っていますし、TVもラジオもネット配信の時代ですからね。視聴する、しないは個人の問題ですが、スピーディに、リアルタイムに情報収集できるのはやはりネットですね。調査装置もi Phoneならアップルストアから、アンドロイドならプレイストアから無料アプリケーションのダウンロードなどすれば簡単でニールセンも視聴者もリスクはありませんね。ただ、視聴率データを必要としない一般視聴者のメリットとは何でしょうね。しかし、これでビデオリサーチもニールセンにはカナイマセンね。
seto
あるとしたら、電通がニールセンを買収することくらいでしょうか?電通ってレトロな会社なので(政治力で大きく
なった)、最新の動きは企業買収でノウハウ(人材ごと)蓄積するしかないですね。ビデオリサーチとニールセン(懐かしい
名前です)は雲泥の差ですが、日本のテレビ局より企業の広報には若い人材が育ってる気もします。(もうビデオリサーチ
の資料は持ってくるな)とね。
買収も、逆買収劇の序章。
僕の取引関係先のインポーターではマーケティング部門に電通を辞めた人が着任しました。今年1月に彼とじっくり話す機会があったので、なぜ大手広告会社を辞める気になったのか?と聞くと、電通の将来が見えたからと言っていました。電通はいろいろな会社を買収していますが、IT関連のヨーロッパの会社を買収したまでは良かったのですが、現在では逆買収ではなかったのか?とさえ言われています。つまり、買収された振りをして逆転を企てているとの噂です。ネット部門では電通も立ち遅れていたと言う事でしょうか。
seto
電通を早めに独占禁止法で分割させないといけないと思いますよ。テレビ局Aタイムの民放買い切り枠は違法ではないでしょうか?
この代理店、早く倒産しないかと待ち望んでいる人はテレビ局や新聞社にごたまんといます。彼らの傲慢さに辟易しているからです。
ホールディングス。
電通に限らず大手の広告会社では3社でホールディングスなどと組織変更して電波枠やスペースの一括買い占めで他店を排除しています。東京単価も地方単価以上に安く売られていて、太刀打ちできません。シワ寄せは地方の広告会社に及んでいます。
seto
博報堂・ADK・読売広告・大広あたりの3つでしたか?へんな組織作りですね。媒体を買い切る(仕入れを安く
するということで)おかしな商習慣。一定の売上げがTVキー局で確保されるので売上げカウントしやすくなりますが、
局の営業は怠け者を輩出するだけです。