営業の問題地図

ついつい営業についての本を借りてしまった。藤本篤志著「営業の問題地図」~いつまで経っても成長しない営業マンと営業チーム~(技術評論社)。筆者は細々といまも外回りをしているから、何かヒントになるものがあるかめくってみた。ただ、この本のコラム欄に『考えることが成長を阻害する!?』。内容は「長年のコンサル経験で感じることは、つくづく人間は保守的で、かつ、自分の考えを優先してしまう、ということです。・・・凡人営業マンほど、悪い意味で、自分の考えを手放しません。その証拠に、凡人営業マンほど、”自分なりに”という言葉が好きです。」(73p)凡人の連呼にむっとする私であるが(私も凡人ゆえ)、生命保険の営業でなぜ主婦が大成し、男の営業はダメになり長続きしないかある人に聞いたことがある。営業の際、決まったマニュアルを主婦は崩さない、しかし、男はそれに飽きて変化球を相手に投げ、マニュアルから逸脱してしまい、成果を挙げられなくなるというのだ。単調なロボットにY遺伝子を持つ男はなりたくない生物なのかもしれない。ところでこの本は営業でも一番難しい新規開拓についてのマニュアル本で、営業先の量より質を問う本が多い中、無駄な営業会議を無くす、日報に嘘を書かせないため、人間関係を重視する余り窓口で留まる営業など書いている。一番、しかしオーソドツクスで今の若い人が嫌う「たくさんの企業や個人に営業をかける基本中の基本」はプロである以上、必須であると述べている。将棋にしても強い棋士は膨大な棋譜を覚えている。テニスプレーヤーも繰り返し練習をしている。その量の上に質が出てくるので、初めから質を云々する営業ではいい成績は上げられないと自分の営業経験から強調していた。このあたりは泥臭いが私も納得する。地道な訓練を厭わない生き方だ。だから営業は嫌われるのかもしれないが、喜びや発見のある冒険の旅ができるとしたら、新しい人と出会える楽しさを味わいたいなら面白い世界かもしれない。しかし、私は営業38年に疲れた。成果もあったが、犠牲もたくさんあった。犠牲は内勤業務の社員との対立であったり、バブル崩壊でお客さんが2名自殺したり、未回収が発生して会社に損害を与えたことである。そういうことも勘案して営業の仕事をするかどうか考えてみてください。

しかし、いまは新型コロナでほかの企業へ訪問することはむつかしい。とりあえず、これまでの顧客との親密な言葉の交換を繰り返して、徐々にレベルを上げていき、信用や自分自身の意外な面を相手に知らしめることをやるしかないかもしれない。面白かった本の紹介や身近に起きた事件や相手先にとって参考になるような、世界の話をこまめに伝達するのが近道だろうと思う。

  1. かなり親しくなったクライアントでも訪問は多くて週に一回程度にしています。それもお相手の時間に比較的余裕の或る曜日と時間帯を選びます。仕事をいただいた直後にはエビデンスを持参します。そして一つだけ面白い話をお土産にするように努めています。しかしお相手の話を聞くのが優先順位ですから、自分の話は後回しにしています。お相手の空気を読みながら長居するか早く切り上げるかを図ります。また、お土産にする面白い話は意外なところに存在します。それもクライアントにとってはメリットにつながりそうな話です。先日も農家に枝豆採りに行った時に、話好きの農家の社長さんとの会話の中でヒントをいただきました。明日にでもクライアント訪問時にそんなお土産を持って伺おうかと考えています。強制的な提案は中々通りません。押し付けがましい話も興味を持って貰えません。むしろ肩の力を抜いた普段の会話にビジネスのヒントを忍ばせる事の方が良いと思いますね。コロナ禍でもあり、頻繁に訪問する事も出来ない状況下ですから、営業方法もこれまでと違った一工夫が必要な時ですよね。

    • 長居せず、興味深い世間話、それも相手が仕事に役立てそうな小話できるのもすごい営業で、人生経験積まないとできるものではありません。昔は何回もしつこくいくと、しょうがないねと言って仕事をもらえた時期もありました。対面しての長時間の会話は避ける指示ですから営業は大変です。メールを1本書くにしても神経使いますね。厳しい時代ですが、泳ぎ切る覚悟がいる時代に入りました。

  2. 会社組織にお決まりの営業会議は大抵の営業マンにとっては辛いものですね。月初には今月の売り上げ目標とその内容説明を。毎週毎週、前週売上の実績報告。月末には当月確定数字と次月の予想。相手の懐のお金の計算ですから、大抵はでっち上げ数字ばかりで、その場しのぎのデタラメ報告が多いですね。中間管理職の上司は更に管理職の上司に立派な数字報告をするために営業会議では脅迫にも近いプレッシャーを掛けるが為に、営業マンたちはプライドが邪魔をして、ついつい出来過ぎたシナリオを語ってしまい、挙句の果てには自ら逃げ場を亡くして鬱になってしまう営業マンも多いですね。こんな会議の場でも出来ないものは出来ないとか、数字を上げられない旨と理由を正直に報告出来るならいくらかは精神的にも楽になるのでしょうが、つい、上司の顔色を伺い本音を言えない営業マンが殆どなのでは無いでしょうか。今日もどこかの会社で週末の営業会議が開かれるのでしょうね。本来の営業会議は、上司自らの体験談や、営業成績向上のためのアイデアの出し合いとかを議題にして、やる気を起こさせるべきでは無いでしょうか。営業マンたちを精神的に余り追い込まないで欲しいものです。

    • いまはリモート会議なのでいくらか、プレッシャーは低下したかもしれません。しかし、在宅で来月や本年12月までの予想数字およびクライント別の内容までになると嘘もすぐにばれます。そんな偽造作文(数字)を作っていたもんです。今は売り上げより利益がいくらの世界ですから。きょうは金曜日、しかも9月の上期のまとめの時期。TV局は全局オリンピック赤字でした。広告は水ものだと言ってました。人間の体も60%以上、水でできてるわけですから。関係ない話ですが。また虐められて鬱になって家庭生活が暗くなる営業マンが少しでも減ることを願うだけです。美味しい食べ物たくさん食べて、家族や恋人といい時間をたくさん持ってほしいですね。最近、営業時代の数字への脅迫観念消えました。夢に出てきましたから。サラリーマンの気楽な時代は植木等でおしまいかも。

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