ウィンドウズ95が導入された20年以上前、これまで総務からのお知らせは机の上に紙が置かれて社員へ通知されていた。それがある日、ネットワークが引かれて、お知らせがメールになった。文を書く人の品性や読み手の社員への細かい配慮があればいいが、どこか一方的な文章、権力性を感じる文章に腹を立てていた期間が長かった。ストレスを感じ続けた。つくづく私は組織に向かない人間だなと思っていた。

すべて主語は「会社」。こういう主語は実はなくて、会社の社長〇〇の一存でとか、〇〇常務の反対はあったがとか、正確に記してもらいたいと抗議したい気持ちが続いた。数十人の会社なので全員の顔が見えるのに、仕組みだけは大会社の猿真似をしていたのだ。全部、発信者の責任が回避できるよう、そして十分、その権力性を社員に浸透させる文書の多さに辟易していた。またこういう文章のお手本のビジネス書も溢れていた。しかも、営業が売り上げを上げるべく走り回ってるのに、何度も書き直しているのを見てつくづくお暇なのねと皮肉も言いたくなる。

しかし、それが今度は自分が部下を持って「いついつまでに〇月の売上予定数字と利益を私宛にメールで送るように」と指示メールを出すことになった。すると不思議なことに、「それは、私の立場上、当たり前の営み」だと感じるようになった。習慣というものは恐ろしくて、出す側は普通の文書であっても、受け取る側から見れば強迫に感じたり、脅しに感じたり、イジメに感じたり、バカにされてるように感じる。「書いた文字は人をだますぞ、大事なのは対話なんだ」(ソクラテス)そういえば、ソクラテスも仏陀も孔子もイエスキリストも全員、書き文字は残していないね。なぜだろうね?

法律も実はそういうところがあって、いつのまにか〇〇月よりかくかくしかじかの法が施行されたと。年金は下がった、介護保険は上がった、支給年齢は上がった、「新しくこういう法律ができた。こういう組織ができた」。新しい組織ができると天下り先を増やし、細かい法律を作れば作るほど、素人や一般国民が理解できない世界に入り愉悦する官僚たち(バカな国民めと思ってる官僚も多い)。あるとき、農学博士の農水省の知人にメールを入れたら、1行ごとに、その下に赤文字で添削されてきて、普通の手紙メールなのに本人は悪意はないとは思うが意地悪さを感じた事件でそれ以来メール頻度が超激減したのはいうまでもない。役所での部下からのメールと勘違いしているのだ。

  1. e mailの文書には気を使いますね。相手の方が少しでも気分を害さないかと。気心知れた相手ならまだしも、得意先の役員の方などには丁寧な文書でしかも長くクドク無い程度にまとめなければいけません。特に受け取るメールの数が多い方には、長文メールは迷惑にもなりますから注意しています。大きな組織から離れて久しいですが、得意先よりも社内間でのやり取りが多く、その分トラブルも多かったですね。或る会社での事、営業所長職を退いた時に、社内で役職名を理事にするか相談役にするかとなり、東京本部の総務部長に電話で相談すると、何と『どうでもいいでしょう』と。彼も多忙だったのかも知れませんが、こんな時には電話より、むしろメールの方がお互い冷静に考えられたのではと思いましたね。

    • どんな人へも丁寧な文を簡潔に書くことは難しいですね。文体って人柄を直接表現しますから、それぞれ同じことを伝えてもメールの中身は違います。事務的な一方的な「こう決めたから、今後守れ」みたいなものから「いついつ〇〇会を開くのでご参加ください」。私は電話のほうが誤解がない気がします。すぐに反論と賛成が出るからです。その理由を書くと長くなりすぎませんか?打つだけ大変です。東京で現職バリバリ働いている人からのメール返信はシンプルです。多くて2行です。自宅へ送ったメールのほうが長いメールが返信されます。会社へ送るとチェックされていますから。そういう時代です。若い人のメールは上手です。学ぶところあります。30代40代ですね。50代60代になると文が冗長になります。暇なんでしょう。

  2. 会社で定年前の男たちは若い社員たちに嫌われて居ますね。時間潰しに来ているからです。一つの仕事を余計な手間暇掛けていたり、会議室でゲームしていたり、プライベートメールや電話のやり取りなどを見て若い社員たちは『この会社も長くは無いな』と見切りを付けて転職するそうです。そんな先輩達の背中を見たら将来性は感じられないですね。

    • 自分を変えられないおじさんは嫌われます。そして集団化してランチに行ったり、飲みに行ったり、退職金の計算をしながら定年後の次の職場アサリをします。現場での労働を若い人と一緒に汗かけばいいものを丸投げして楽をする癖が取れないんですね。どこかへ行って仕事でも獲得してくればいいものを、残念な晩年です。

  3. かつては会社も軍隊のようなものでした。名前は呼び捨てで命令調。馬鹿だの何だのとパワハラ、セクハラ、モラハラのオンパレード。おまけに重いノルマを持たされますから生き地獄でしたね。

    • 軍隊のような呼び捨ては体験ありませんんが。端で聞いているといいものではありません。体育会系クラブに長い時間を過ごしてきた男に多いですね。せめて君やさんツケで呼びたい。私のいた職場は肩書呼び禁止でした。社長もさんでしたよ。肩書で呼ばれたい人が相手を肩書つけて呼びます。

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