加島祥造さんの老子の意訳です。理想の国。タオは道とも言われて、まだ名前のない領域、すべてのエネルギーの根本にあるもの。

「タオ」老子  加島祥造 筑摩書房

 

第80章 理想の国

私は国境のない世界を願っているが

まだ無理のようだから、まあ

自分の理想とする国を、描いてみよう。

私の大切にしたいのは

大きな国でも強い国でもないよ。

ほんの小さな、まあ、

村落の集まりのようなものだ。

人口もごく少ない。

住民たちは、

いろいろの道具を持ってはいるが

ろくに使おうとはしない。みんな

命をとても大事にするから

危険な旅なんかに出ない。

舟や車は持ってるんだが、ほとんど

乗らないってわけだ。同じように

武器もちっとは備えているけれども

誰も使わないし

商取引をするには、ただ

ごく単純な数え方ですます。

それでいて

食事はゆったりと、おいしい物を食べ

着るものは美しい上品な服、

日々は安楽であり、

習慣を乱そうともしない。

隣の国は近くて、

犬の吠える声や鶏の鳴く声が聞こえるほどだが、

そんな隣国とも往来はしない、

そして、ずいぶん歳をとってから

静かに死んでゆく。

第71章 知識病

「自分には知らないことがいっぱいある」

と知ることこそ

上等な知識なのだ。

何でも頭で知ることができると思うのは、

病人といっていい。

誰でもみんな一度は

この病にかかるがね、しかし

「知らない領域」からくる道(タオ)に

つながった時、ひとは、

この病からぬけでるのだよ、だって

自分が知識病を病んでいると知れば

とたんに

この病は病じぁなくなるからさ。

  1. 誰かがやるから俺も私も。誰かから海外に行った話の自慢話を聞かされたから悔しくて無理して海外に行く。隣が騒がしいからちょっと覗いてみる。流行りの唄や音楽だと言うから自分も同じ歌を歌い踊る。言葉は何でも短く造語が流行っているから自分も使ってみる。誰が言いだしたか?多分メーカーの仕業であろう流行の服飾品が話題になっているから私も同じものを買い求めに行く。どこかの隣国からミサイルが飛来したから撃ち返す。これら全てが共通しているのは、単なるコピー主義ですね。『モノマネだけなら猿でも出来る!』お猿さんには大変失礼かとは思いますが?(猿の方が賢いかも?)人間は既に猿の集団化してしまったのかも知れません。いや、元々の習性が未だ残っていて進化していないのかも知れませんがね。これは人類進化論どころか『人類後退論』かも知れませんよ。自分も含めて。

    • 真似るが「学ぶ」の基本ですが、書道や絵や能や狂言、歌もそうでうね。消費社会は広告代理店とテレビ、週刊誌とインフルエンサーの口コミですね。ローカルのニユース番組がニュースの形をした宣伝番組ですからね。新しい店や美味しい食品を高校代理店の指示通りに取材して、特に主婦層へ。そしてラインで「今度行こうよ」となりますからね。自分で発見、自分で食味して、自分の言葉で発信ではないですからね。もう自分を失ってしまって、すべて借り物の人生を送っているのかもしれません。ブログを書いていても、この単語は使わないぞと決めたり、流行に流されないよう、新聞テレビの見出しを捨てないと、大脳がパーになりますよ。

  2. 知識病?ですか。自分は元々さほどの知識は無いのですが、ネット社会は凄いですね。知らない事も検索すればすぐに答えが見つかる訳で、如何にも知ったかぶりをした人達が増えて居ますね。ネットで調べたらこうでした。とか、ネットのAIの答えはこうでした。とか注釈が必要ですよね。私個人も最近は物忘れも多く、元々ギガ数の少ない昔の頭の旧型ハードディスクのせいか、どうやらオーバーフローしてきたようです。買い物を頼まれても、三つ程度でも暫くすると忘れますから、そんな時にはメモなどしないで仮に暗記する方法を考えました。例えばカミさんから早口で『ホンダシと、グラニュー糖と、豆腐だけ買って来てね!』と。すぐさま頭に『本田さん、佐藤さん、隣の伊藤さん!』と繰り返し暗唱。これでスーパーに行くと、もう、すっかり忘れているのですが、待てよ?隣近所は誰?と。そこで思い出した本田さんはホンダシ。佐藤さんはグラニュー糖。伊藤さん?は隣?と?豆腐だ!。と蘇ります。こんな単純な遊び感覚でモノ忘れ病に対応しています。知識をひけらかすどころか、要らない知識と言う無駄なデータをどんどん詰め込み過ぎたせいなのか、既に満杯の旧型ハードディスクは新しい情報を拒否し始めました。でも、そのせいで、さほど負担の掛からない手身近な新しい記憶術を開発できた訳ですから。

    • 私は黒板を台所に用意して、忘れやすい単語を書き込んでいます。ひどいときは隣の家の苗字も忘れるシ、スーパーの名前を忘れます。ブログを書いていても忘れる単語多くて困ります。時間の経過で思い出すことあるんですがね。買い物はメモ帳に限りますが、そのメモを忘れるときもあります。そういうときは電話します。大脳研究する人は、まだまだ脳細胞の未使用部分は多いから詰め込みできると書いていました。知性に裏付けられた知識でないと断片ばっかりで、受験生の物知り百科事典、クイズ王でも目指すならいいでしょうが、世の中で役に立たないどころか嫌われますね。親切で優しい人にならないとね。

  3. 先日まだ若くして亡くなられた歌手の八代亜紀さんの『舟唄』の歌詞では無いですが、『お酒はぬるめの燗がいい。肴はあぶったイカでいい。女は無口な人がいい。灯りはぼんやり灯りゃいい。店には飾りが無くていい。窓から港が見えりゃいい。流行りの唄など無くていい。時々霧笛が鳴ればいい。』なんて世界を浮かべて見ると、今の時代との違いがハッキリしてきますね。全くの真逆ですからね現代は。今に置き換えれば『お酒は高級ワインがいい。肴はキャビアかチーズがいい。女性は楽しい人がいい。灯りはキラキラと怪しいムードがいい。店はお洒落なインテリアがいい。窓から都会の夜景がめるのがいい。流行りのノリノリの音楽がいい。時々生演奏があればいい。』大きく違い過ぎて歌詞にも何もなりませんね。時代はすっかり贅沢病ですか。

    • 都会は贅沢病ですが、田舎には贅沢病少ないです。ときどきクルーザーで日本一周した人やマチュピチユ行った人はいますが、飾らない女性なので自然体ですね。自分の趣味を貫いていて。今度スペインの話を聞きたくてお茶しようと思います。トレド美術について聞きたいことがあります。しかも、一人で行くので凄い。ロンドンへも行ってきたと。図書館ボランティア仲間です。

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