何が怖いといって、地震ほど怖いものは戦争もそうだがないといっていい。南海トラフのシミュレーションCGがニュース番組で流され始めているので、このブログを再々録する。

図説「地震と人間の歴史」(原書房・2013年刊)によれば、1年間で地球上で放出される地震エネルギーの実に10%は日本に集中しているという。

アンドルー・ロビンという英国の自然科学者の本に書かれてある。2030年代に発生が予想されるマグニチュード9以上の南海トラフ巨大地震。東日本大地震の復興途上にもかかわらず、さらに桁の大きな津波や地震がこの本を監修した京大の鎌田教授のまえがきに書かれてある。週刊誌で、毎月のように大地震の話題は書かれているが、津波は34メートルと予想されている。

自分がいま働いていたり・住んでいる場所の海抜は何メートルかはネットですぐに検索できるから便利だ。ちなみに札幌駅で日本海から海抜約20メートル。私の住む場所は太平洋から30メートル。新千歳空港は30メートル以下かもしれない。空港の下には追分断層という活断層が南北に走っている。ここに限らず、日本じゅう活断層のない所はありませんというのが正解かもしれない。

東大地震研が書いた「日本活断層地図」があるけれど、予算がなくて全部を調査できないとも書かれてあった。だから、日本列島で起きる地震や津波はどんなに大きくてもすべてそれは「想定内」と思って物事は勧めた方が、日本の過去の歴史や地震体験・記録を見てもリスク管理面から考えても正しい選択だと思う。無駄な議論と時間を使わなくて済む話。自然からみたら、想定の内外は全く関係ないことだ。

これに加えて火山の噴火もある。私も有珠山の爆発を身近にしているから、洞爺湖温泉街のゴーストタウン化もあった。支笏湖そのものも樽前山の大爆発でできた窪みだから、湖の多い北海道は九州や中部地方東北もそうだけど火山だらけだ。

お隣の中国も地震大国で、3000年前から記録があって(記録に残していること自体凄い!)、これまで地震で亡くなった人は1300万人以上、そのうち83万人は1556年の想像を絶する地震からだと。吉川弘文館の世界史年表には明帝国の項目に書かれていないのを発見した。1775年11月1日のポルトガル・リスボン大地震は首都を壊滅的にしたにもかかわらず、ヴォルテールが「カンディド」で書かなければ、歴史の記憶から消えている。ヨーロッパの経済、政治、知性の僻地とみなされていたからだ。津波もあって約3万人が亡くなっている。

ところで、この本に映画監督黒澤明の名前が出てくる。1923年の関東大震災のときに彼は13歳、中学2年生だ。山の手に住んでいたが、自宅は半壊状態ながら運よく家族全員無事であった。60年後、彼は自伝「蝦蟇(ガマ)の油」(岩波書店)を執筆、この中に兄貴と廃墟の遠足を試みた文章が引用されている。「私は、まるで遠足へでも出掛けるような浮き浮きした気分で、兄と一緒に出掛けた。・・・・その遠足がどんなに恐ろしいものかに気がついて、尻ごみしたときはもう遅かった。・・・・怯える私に無数の死骸を見せた。・・・・兄は私の手を掴んでどんどん歩いていく。・・・・黒焦げの屍体も、半焼けの屍体も、どぶの中の屍体、川に漂う屍体、橋の上に折り重なっている屍体、四つ角を一面に埋めている屍体・・・あらゆる人間の死にざまを、私は見た。私が思わず目をそむけると、兄は私を叱りつけた。(明、よく見るんだ)・・・・・死骸の山の一つに、座禅を組んだ黒焦げの。まるで仏像のような死骸があった。兄はそれをじっと見てしばらく動かなくなった。そしてポツンと言った。(立派だな)私もそう思った。」

 

  1. 地震の怖さは何度も体験しているのですが、どこかで忘れて暮らしている自分がいますね。地球の構造上地殻変動による地震は有って当たり前の現象で、我々生物もそれを承知でその上で生きている事は、他に行くところが無いからで、他に安全な惑星でも見つかればとっくに移住しているでしょうね。私達の足元の土の下にはマグマが燃え滾っていて時折地表の弱いところから火山として噴火したり水蒸気爆発を起こしたり、無数のプレートの僅かな動きで大地震を頻発させたりします。起こるべきして起きて居る訳で、決して偶然では無いのでしょうが、予兆は有っても発生時期の特定も出来ないので、不意打ちを食らったように大被害と成りますね。地震にしても台風にしても自然現象の一つで防ぎようがありませんから、ただ従うしかありません。人命は大切ですが、それは生物すべてに言える事ですね。現在のところ未だ防ぎようも無いですから、せめて危険と思われる超高層建造物や原発再稼働などは計画しない事が賢明でしょうね。また何も首都圏の狭い土地ばかりを活用したり住まいは遠い郊外から満員電車で都心に通勤しなくても、北海道はもとより全国津々浦々広大な土地は幾らでもありますから、ネット時代の利点を生かした分散型都市構想が急がれますね。

    • 東日本震災のとき首都分散の話が出て立ち消えになりました。これだけ地方の空港が整備されているのでうから、東京離れていかないと大変なことになります。電力消費も莫大で東電が福島にあれだけ原発銀座をつくったのもそうです。ITj医大は電力食い潰しです。テレビもアナログ時代より、デジタルになるとスタジオの電力消費は倍になります。天井からぶら下げる強烈な電力で鮮明な顔を(シミ)を映し出すわけです。出演者に病気を併発させないかと疑ってます。阿鼻叫喚の首都圏になる前に「逃げる」選択ですね。

  2. 地震学会で?南海トラフ地震とか命名?された、近い将来必ず起きると予想されている大地震では、四国では何と34mの高さの津波が予想されると言われて居ます。最近のTVでは緊急津波警報とともに「今すぐ逃げてください!」とアナウンスの連呼も。私が仕事で郊外を車で走って居るとLINEで孫娘から『逃げて!』と。電話するとTVで盛んにアナウンスしていると。慌ててカーラジオを入れると、TVと同じく連呼。急いでスマホの方位磁石のアプリをタップすると、現在地は海抜10m未満と分かり、急いで山側の南方向に向かいました。着いたところは海抜130mほどの高台。我が家の海抜は意外と高いので津波には大丈夫な高さですが外出先の海抜は、時として危険な場合もありますから、普段から調べておく必要がありますね。ラジオやTVでの切羽詰まったアナウンスなど、これまで無かったので焦りましたね。孫娘も驚いて連絡してくれたようでした。奥尻の場合、その一年前に3泊ほどして島全体の取材をした後の惨事に言葉が詰まりました。良くしてくれた民宿の親爺さんや港の前のうに丼が旨かった食堂のオバちゃん達も一瞬で亡くなってしまったのですから。あれから島には行けなくなってしまいました。

    • 奥尻島の地震はあっという間に津波でした。青苗地区が特にひどくて海抜50メートル以上ではないと住めない感じですね。自然は人間の都合に一切、拝領してくれないですから。タワービルなんて作るものではないですよ。首都圏や関西は埋め立て地や海抜ゼロもあるわけだし、地下は海水がどんどん入っていき、通行人は溺死します。地下鉄も川になります。きょうの暮らしは明日まで続かないとどこかで真剣に思って生きていきたいものです。災害への緊張感の持続です。

  3. 講演会企画で地震学者の講師の方を呼んで市民ホールで講演会を実施した時に、講師から『日本では3分に1回の割合で、どこかで地震が発生しています』と。そんな為になる情報を提供していただいているのに、聴講者の数人がザワつきだして席を立ちました。先回りして出口で「どうされましたか?」と尋ねると『つまらない!』と内容が面白くないから帰ると言うのです。それには主催者の私達もガッカリしました。講演会は面白いものばかりだと思われていた方々と、主催社側の私達との考え方の違いを思い知らされた瞬間でした。しかし、そんな直後に、まさかの奥尻の地震が発生したのです。

    • 講演会の主催者意図が外れて、帰られるとがっかりしますね。つまらなくても、我慢して聞く人もいるわけですからね。地震ならどんな内容でも聞くはずですが、了見が狭い客です。私は講演会を盛り上げるために、うつ病なんて怖くないというテーマでしたが、会場を明るい雰囲気にするために素人の落語をしてもらったら、講演後のアンケートで「真面目に聞きに来たのにフザケテル」と散々でした。アステラス製薬主催でしたが、彼らの了解も取っても、客はうつ病をなんとか直したい一心で患者を連れた家族も遠くから来てましたので私の判断ミスでしたね。

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