盗むということについて
先週、市立図書館の窓際に設けたパソコンコーナーで置き引きがあった。午後6時過ぎ、中年の男性がトイレに立ったすきにノートパソコンが盗まれた。防犯カメラはトイレ付近に一台あるだけで映像はない。交番に連絡して書類をつくったが、果たして出て来るかどうか?私もブログを書きにノートパソコンを持って図書館へ行くので「置き引きに注意してください」と館員から言われたが、図書館では雑誌(特に週刊文春・新潮・朝日、月刊文藝春秋)の盗難が多いので、図書カードでの貸し出しにした。ノートパソコンも最新は値段も張るし、それ以上にパソコンに入ってる友人・知人たちのメールアドレスやメール、子どもや孫がいれば彼らの思い出写真、仕事をしていれば大事な数表や文書・企画書など本人にとってパソコンの盗難はやるせない。グーグルアースを利用しているなら、GPSを使って居場所がわからないだろうか?
以前の職場で一眼レフカメラを盗まれたデザイナーがいた。それが札幌地下街の中古カメラのショーウィンドウーに飾られてあった。早速彼はそれを買い戻した。そのカメラは苦労して買った代物で忘れることはなかったと言う。犯人は東京から転職してきた奇妙なデザイナーだった。グロテスク系の絵ばかり描くので営業から「なんとか売れるデザインを書けないか」と苦情しきりであった。すぐに退社したが、その際に当時として20万円はするモデル撮影や料理の接写もできるカメラを盗んで、売りさばいたのである。こういう人はどこでも盗みを繰り返すだろう。お金のピンハネと同じように。
アマゾンで本を買って、少しでも安くと中古本を注文する。アマゾンと契約した書店から届くがまるで新刊本だ。以前は売れ残りの本は断裁され捨てられたが、いまは別なルートで再利用されている。なかには「盗難本」もありだなと考える。メルカリで本を眺めると、美容や健康本、ベストセラー本など出展されている。書店の万引きも増えていて、大きな書店は警備員が見回りをしている。防犯カメラの台数もすごい。利幅が20%~30%の本で警備会社と契約して、防犯設備を投資しても万引きは減らない。小売りは万引きと同居している。万引きは貧困者と心の病気の人が多い。彼らの置かれている立ち位置や環境を変えれば、改善されるところは多いと思うが、万引きは減るとは思うが、公的な万引き(税金泥棒)が横行するなかで、誰が説得力ある発言ができるか疑問である。
後日談ですが、盗難に遭ったパソコンが隣の千歳市のリサイクルショップへパソコンを売りにきた男の自宅から出てきた。盗んでは売りを繰り返していたんだ。出てきて良かった。データは消したのかどうか確認はできていない。図書館の司書さんからの情報だ。
盗む=横領だと考えると、いま16世紀から21世紀までのアフリカの歴史を読んでいるが、ひどいもので何百何千万人の黒人がポルトガル、スペイン、イギリス、オランダ各国の奴隷商人に狭い船に詰められて大西洋を渡っていった。さらにアフリカ大陸から出る鉱物資源の利権を確保するために、そこまでの鉄道や道路設置、材料を運ぶ命がけの労働もある。遅れてアフリカ中部コンゴに目を付けたベルギーのレオポルド二世。アフリカの闇は深い、集団虐殺が今も続いている。