ハクチョウの農地への被害について
北の国から南の国へ、自宅の上を晴れの日は、新千歳空港の方へ(ウトナイ湖)飛んでゆく。今も空を見上げると3つのグループがV字で鳴きながら南を目指す。ところで、ことし農家の手伝いができないか求人誌を見て面接へ行ったとき、農家のご主人から意外な発言があった。3月には、彼らは南から戻ってくる。3月28日に書いたものです。
血糖値を下げるために、運動をしなければと思い、近所の農家がアルバイト募集をしていて、電話をし、面接に行った。「応募の動機は?」「運動のため」、「これまでに農業の経験は?」「ありません」、「この仕事に思うことは」「食は生きる基本です」、「草刈りをしたことは?」「家の芝生を刈る程度です」。「将来も一緒に農業を続けていく若い人を求めていたんだが・・」と。私の住む街は、苫小牧ウトナイ湖から美唄の宮島沼へ向かう途中にある。
ハクチョウは天気のいい日、朝でも夜でも渡ってゆく。「この畑にもハクチョウがたくさん来ますか?」わたしは自宅周辺に舞い降りるハクチョウを撮影して、友人にハクチョウが渡ってきていることを知らせていた。ところが、彼は「あいつら!」と。「あいつらのおかげでひどい目に遇っている」。雪が解けて、去年刈り取られた水田、トウモロコシ畑跡に昨日も来ていた。「何かあるんですか?」「ハクチョウの脚に外来種の草の種(たね)が付いていて、これが畑に蔓延し、作物に被害をもたらすのだ」。
餌付けされた丹頂にも近所の畑に餌を食べに行き、被害を与えているのかもしれないが、外来種はあっという間に広がって大変らしいのだ。セイダカアワダチソウが短期間で日本中に広がったように、どんな外来種を運んでくるか心配をしているのだ。見ると牧歌的なハクチョウの渡りの風景の中に、必ずしも歓迎をしていない人たち、それも生きるための基本作物を作る農家へ打撃を与えていることは、彼とおしゃべりをしないと出てこなかった貴重な話であった。
その対策として、できるだけ雪解けを早くする土を雪の上に撒かないで、ハクチョウが北へ移動してから撒く工夫をしていると言っていた。いまは、シベリヤに帰るとき。彼らからみて外来種とは、本州で越冬しているハクチョウたちが生息地で脚に付けてくる種(たね)のことでこの地にはない草のこと。この伸びた草を筆者が撮影できれば、どんな植物か公開できるのでお楽しみに。いったい、いつから渡り鳥の習慣が形成されたのか。日本の植生も、温度や湿度、日射、浜辺に寄せられた種もあるだろうけど、渡り鳥が運んできた草や植物の種が、知らぬ間にこの国土を覆っていると考えると、農家の人には悪いが、別な意味ですごい歴史を感じるのは私だけだろうか?
昔の少年
初めから黒いカラスに比べ、白いが故に美化された白鳥も鶴もカモメも害鳥でもある。鳥も見かけに寄らないと言う事だ。月の薄明りをカギになって飛ぶ白鳥の姿などは感動的だが群れの鳴き声は大きい。南極に行った人の話では、ペンギンの大群を撮影したがウルサイ鳴き声と辺りかまわず排便だらけで臭くてタマらなかったらしい。彼の写真にはきれいに並んだペンギンが写っていたが鳴き声は写されてはいなかった。