刺激的な環境を自らに課す。

1997年6月から1998年6月まで東大の教養部で講義した立花隆「脳を鍛える」(新潮文庫」の第三回。ラットを3種の環境に置くと脳にどういう影響があるか実験したレポートがあった(p134から)。(1)3匹を標準ゲージに入れる(2)1匹だけ入れる(刺激の少ない環境)(3)大きいゲージに10匹入れて、遊び道具(ブランコ・迷路など)も加えて刺激の多い環境にする。80日間、生後しばらくしたラットを(1)から(3)の環境で育てて脳の重量を測ると、(3)の刺激の多い環境で育つラットの大脳皮質が顕著に高くなっていた。脳全体ではそんなに重量の変化はないが、大脳部位として大脳皮質の後頭皮質が高い。後頭皮質は視覚視野のゾーンで、脳の入力情報は55%視覚から入ってくる。豊富な刺激の多い環境に置かれるほど頭は良くなる・・という結論だ。ゲージを自宅や会社に見立てるとわかりやすい。頭の良さって何だろうと思うけれども、環境が脳を変える、それも脳細胞を発達させて複雑化して老齢化による脳機能の減退も防ぐ。サラリーマンでも好奇心旺盛な人や遊び人風でしかし裏ではしっかり勉強や浮気を怠らない人がなぜ若々しいのか、ラットの実験でもわかる気がする。実は、「加齢が進むと人間嫌いになる」というテーマで書いていたが、ブログが書けなかった。無理なテーマであった。そこへ立花隆の「脳を鍛える」を読んでみると、意図的に人間関係を遮断することもない、刺激は大事にしないとボケが早まると思い至ったわけだ。60歳を過ぎて楽器を買い求めて挑戦する人もいれば、カメラデビューする人も多い。一人の人は多面的な役割を果たしている、仕事と家庭と地域と趣味といろいろだ。しかしね、(2)のラットが気になる私だ。引きこもりの甥がいるから。携帯持たず、ネットせずで生きている。