7月1日のダッカでのレストラン殺害、続くイラク自爆テロ。
自爆テロ者の心の中に何があるのか書いてみた。3月24日の再掲載である。
聖書とコーラン、処女。
3月21日のブリュッセルでのISの自爆テロ、イスタンブールでの自爆テロ。いったい、彼等の観念の中に何があるのか?そのヒントが故米原万理さん(ロシア語通訳)が書いた本に隠れている気がしてしょうがない。セクショアリティな観点から書かれてあるから、男の自爆テロには当てはまる気もする。自爆テロは防ぎようがない。
ロシア航空機自爆テロの可能性、パリでの7か所テロ。どちらも死を恐れないイスラム教徒(?)の可能性が大で、そもそも死んだらどうなるのか?という洗脳がされていないと行動へは移せないはず。コーランの中の言語から説いた「米原万理さん」の文章があったので再録します。キリスト教の処女懐胎の話から始まります。4月9日に書いたものです。ますますこの国も含めて、薄気味悪い世界になってきている。学生時代に16世紀の宗教戦争や十字軍戦争を少し勉強していたので、時代が逆戻りしている錯覚さえ覚えるのは私だけだろうか?
誰が書いた本か忘れたが(最近メモを忘れる)、聖書の中にある処女懐妊の話。『私は、ギリシャ語訳旧約聖書をつくった学者たちが、〈若い女〉というヘブライ語を〈処女〉というギリシャ語に誤訳し〈見よ、処女は、はらみ男児を産まん〉という予言を付け加えたとき、彼ら(翻訳者たち〉は大変なことをスタートさせたといえる』。ヘブライ語のままなら「見よ、若い女ははらみ、男児を産まん』という平凡な話になってしまう。もし、誤訳ならば、無意識な誤訳なのか、知っていての作為の誤訳ならその意図はなんだろうか。推理小説めいた話で、それでも処女懐妊を信じる人がまだまだいるわけで、そういう論争に私は入る言語力もないのでこの話はここまで。
次はコーランである。2006年に亡くなられた米原万里さんの遺作「他諺(たげん)の空似(そらに)」~ことわざ人類学~(光文社)(160p~162p)に『コーランには、苦闘の末、天国にたどり着いたイスラム教徒たちを〈HURが待ち受けている〉と記されている。このHURを神学者たちは〈処女〉と解釈してきた。72人の処女の妻に迎えられるのだというイメージが広がった。しかし、コーランの多くの語彙は古代シリア語やアラム語から借用されていて、このHURはアラム語で「白」を意味し、「白い葡萄」を呼ぶ略語としてたびたび用いられてきた。この解釈を発表した学者は身の安全のために偽名を名乗った。
天国に白い葡萄がたわわに実っていても、72人の美女にはかなわない。白い葡萄をたくさん食べるために自爆テロに志願・参加する人間は、今回ははからずも、「若い女」「処女」の扱い・言葉をめぐって、翻訳という作業がどれだけ信者の信仰形態や言動に影響を及ぼすのか。HURが誤訳で自爆テロや「アッラーは偉大なり」と唱えても、そこで天国へ行けると信じても、処女の美女72人がいるわけでなく白い葡萄が食べれるだけだと翻訳されていれば・・・人生観が変わると思うのだが。SNSを使われて、洗脳ごっこ、高い教育を受けている自爆テロ者であっても、自殺志願者は簡単に他人を殺す行為に出るからである。死後の世界を信じているのだろうか?
匿名
貧富の差での暴動や、反社会勢力のテロは今も昔も変わらない。ただ違うのは一部の国や地域ではなく、世界各地に広がって来たことだろうか。ISも本当の狙いは何なのかは知らないが、外から見て感じるのは、まるでテロリスト養成組織のようだ。爆弾にしろ、銃刀にしろ、彼らに与える以前に売る商人や作る者が居るから悪の連鎖は止まらない。しかし、天に召される事と、人を道連れにする事とは違うし、人を殺せなどと神は言わないだろう。それとも若い彼らが既に「人生はつまらないものだ」と、未来を憂い、悟っての行為なのか?
丸腰の日本人。
米国の銃規制が進まない背景にはテロへの恐怖も大いに影響しているのだろう。ウエスタン映画では丸腰を狙わない暗黙のルールも、今では通用しない。今回のダッカでも丸腰の人質の多くが首を切られ殺害されたようだ。日本のように銃刀規制下でも殺人事件は頻繁に起きている訳で、まして銃器を販売している国では当然ながら起きうる事件だ。どこかで止めなければ、ますますエスカレートするに違いないが、文化の違いや宗教の違い、また同じ宗教の中でも思想の違いもあって複雑な世の中になって来た。
戦闘ゲーム反対。
テロも、無警戒の弱い処を狙っている。反撃されなければ、それだけ被害が広がるからだろう。結局は彼らは最後は命を捨てる結果になるが、普通の人生を捨てて、余程の覚悟で殺人犯に変わったのだろう。それ程までに彼らを駆り立てるものって何だろう。やはり崇拝する神なのか?それとも組織への忠誠なのか?世界への絶望からくる反逆なのか?自分の命を絶つ方法ならいくらでもあるはずなのに、卑怯な手段で他人を巻き込む自殺行為は神に背きはしないか?それとも、もしかしてゲーム世代の若者が、モニターの中の戦闘ゲーム真似て実践しているのか?
無くしたカネと命と友情。
円借款事業やボランティアで後進国?の支援をしているらしい日本人も狙われた。テロ実行犯は自国民だけは助けたらしいが、中でもバングラディッシュ人でありながらも外国人を助けようとして逃げ出さなかった人も殺されたようだ。今後は外国へ良かれと思っての支援も出来なくなってきた。命を捧げてまでの支援やボランティア活動は割に合わない。暫定政府は力もなく、国民はと言えば、一部を除いて一日平均100円余の食費で賄っている世界で最も貧しい国ともいわれている。近年ではユニクロはじめ各企業が人件費の安さと勤勉さを利用して進出していて今や世界の縫製工場とも言われるようになっている。推測では、それだけに外国からの企業誘致や支援をして欲しいがために、危険な部分の多くは隠しているようだ。そこまで見抜けない諸国の進出企業と、親日と言う前宣伝に危険度の高さを理解をできなかった社員や団体スタッフが被害に遭ってしまったようだ。腹を空かした野獣だらけのサバンナに丸腰で行くのと同じ覚悟と、回避や防御の準備が大切のようだ。