宇宙博覧会レポート
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tose77.com氏の依頼で、「夏休み大宇宙博」へ行ってきました。現物展示は宇宙
服、H2ロケットのノズル、月の石などで、残りは模型、パネル、映像などの比
較的地味な催事なので、予想より子どもの来場は少なく、むしろ大人の方が目立
ちました。ガガーリン、アポロ、毛利さんと、宇宙開拓の夢を追ってきた世代が
集まったのかもしれません。
私にとっても展示は懐かしさ半分、珍しさ半分でしたが、最も興味深かったの
は、現物展示していた、国産ロケット用の個体燃料です。固体燃料が火薬ではな
いということは、このイベントで初めて知りました。
火薬とは、点火すると自ら酸素を放出して激しく燃焼し、時に爆発するもの。こ
のため、酸素がなくても、例えば水中でも燃焼します。これに対して個体燃料
は、ポリエチレンの固まりでした。例えではなく、実際の素材がポリエチレンで
す。直径20センチほどの円筒型に、穴が2箇所開いていて、そこを酸素が通り
ぬけながら燃焼するのだそうです。この固体燃料を、穴が直角にずれるように積
み重ね、上から点火します。いわゆるロケット花火のように、下から燃えてゆく
のではないというのも意外でした。
日本は個体燃料ロケットの技術に定評があるそうです。大型ロケットは液体燃料
と液体酸素を燃焼室の中で爆発させますが、どちらも扱いが難しく、発射台周辺
にプラント並の設備が必要です。固体燃料なら本体だけ持ち運んで打ち上げられ
る。だから日本の個体燃料ロケットは、優秀なミサイルに転換できる。以前から
そんな説がありましたが、私は違和感を感じていました。
実際の固体燃料ロケットは別に液体酸素を必要とし、簡単に移動しながら発射で
きるものではありません。やはり純然たる宇宙開発用の技術なわけです。考えて
みれば、職人仕事の精華のようなロケットが、軍需用にポンポン量産できるはず
もありません。
今回はアメリカ、ロシア、日本の宇宙局が参加し、旧ソ連時代のロケット技術
も、紹介されていました。V2ミサイルから始まり、冷戦時代の象徴でもあった
ロケット技術が、今では夢でも悪夢でもない、社会に密着した実用設備になって
いること。それも、今回の宇宙博の見どころだと思います。
壁に耳あり、空に眼あり。
コンベンションセンターでは、そんな催事をしているんですか。それにしても初めてTVで見たあの時の「月面着陸」には驚きましたね。今では地球の周りには無数の人工衛星が飛び交っているようですね。或る夏に友人の経営する屈斜路湖畔の民宿の露天風呂に板切れを浮かべて缶ビールを置き、満天の星空を見ていると人工衛星が飛んでいるのが見えました。宇宙開発は一気に進化して地球以外に生物が存在する星を探す段階に来ているようですね。それにしても地球の常識では考えられない広大すぎる宇宙そのものが不思議です。地球って?大きな海のような中の小さな分子にしか過ぎないのか?大樹町では格安小型ロケットの開発が進んでいるようですね。彼は秋葉原で電子部品を調達しているらしいです。東京あたりでセミナーを開いて協力資金を募っているらしいです。国が関わる大袈裟な予算から比べれば、数千万円と言う少額開発費です。こうしている今も僕たちの遥か上空には人工衛星が飛び交っているのでしょう。いくら暑いからと言って素っ裸で、窓を開けて寝ていると、リアルタイムに、ペンタゴン辺りのモニターで見られているかも知れないですね。個人情報流失ですね。
風の噂と言う通信手段。
いつか屈斜路湖畔の露天風呂の事をtose77.com氏に話したら、何と高校時代の同級生だと言うから驚いた。地球な狭い。僕の仕事の今の相棒の友人で、彼から紹介されて仲良くなった経緯も何か縁を感じる。最近、ご無沙汰だが、風のうわさでは、屈斜路湖畔の民宿も、そろそろやめるらしい。露天風呂で、人工衛星も野生のリスも見れなくなるのは残念だ。時間を忘れて、あんなに、のんびりできる宿も珍しかった。