夜10時までに寝る人々(2016年4月22日掲載)
筆者の就寝は午前1時ころだ。ブログの公開を確認して、あちこち手直しをしてから寝る。4月6日に続いて倉本聡「倉本聰の姿勢」(エフジー武蔵)に、日本人が夜10時までに寝る習慣の割合が書かれてあった。巻末提言 東日本大震災に寄せて「人に問う」から。348p
1960年 65% 1961年 自動販売機出る 1964年 新幹線走る 1965年 原発運転開始
1970年 45% 1975年 24時間コンビニ出現 1976年 NECパソコン発表
1980年 35% 1987年 NTT 携帯電話発売
1990年 28%
2000年 24%
2010年の数字がないけど、たぶん10%台ではないかと想像する。24時間営業のコンビニ、夜のネオン街・残業続く官庁・民間、デジタル化で照明の光度を上げたスタジオを使うテレビ局や記事を書く新聞社。そして、それに従事する人々。工場も24時間フル稼働するから3交代で電力を使用する。福島第一原発の爆発で、管前首相は福島民友記者のインタビューで最悪の場合、首都圏3000万人の避難を想定していた。真夏はビルのエアコン稼働で消費電力が大幅に増えて、福島原発が大車輪の仕事をしていた。(家庭での電力需要の37%はエアコン)
「電気がない!?電気がなかったら暮らせませんよ!」
「そんなことないですよ」
「夜になったらどうするの!?」
「夜になったら、眠るんです」(有名な北の国からの一節)
しかし、原発から出る廃棄物処理と原発1基解体に約1000億円かかる。55基の解体で5兆5000億円。心臓部の原子炉解体は長年中性子を浴びて、鋼鉄そのものが放射化されていて、解体はロボットなど遠隔操作が必要だ。現在、ドイツのビュルガッセン発電所でも当初900億円の解体費用が1300億円に膨らんでいる。
日本の電力代はアメリカの2倍以上で、解体費用を電力会社が持てば、その費用は利用者に電力代金の上乗せをしてくる公算が大きい。燃料棒もどこでどうするか。最終処理が完成したうえでの原発推進ではなかった。しかし、日本中の都会の暮らしは、私を含めて原発に乗って生活してきた。放射能廃棄物も、ガラス状に固めて地下に埋める(一時期、北海道の幌延が実験のために試掘した)方式もあったが、放射能が湿潤して、乳牛が草を食べてミルクが飲めなくなるということでペケになった。ドイツは石炭を掘った穴の奥に部屋を作り置いている。
原子力の平和利用はあり得ない。夢ですらない、むしろ悪夢。ドイツの格安航空機がフランスの山にぶつかり、全員即死した事件があったが、飛行機の破片の散り方がおかしいので、あれはフランスの原子力発電所を狙ったテロの可能性があると言われている。それでフランス軍が撃ち落としたというのだ。いまもISは原発を狙っている。自爆されたらヨーロッパは難民どころか住めない死の都になる。ひとたまりもない。狭いヨーロッパなのだ。
日本の場合、海岸沿いに林立だから高い津波にも、直下型地震にもテロにも弱い。日本列島が生きられる土壌の大地になるかどうか。こういう議論がもっとオープンにメディアでヒステリックにならずに、国民を長く生かすためにという大目標は共通しているわけだから、官民挙げて解決策を模索・実施する時期にもう来ていると思う。原発問題が解決しないうちは、オリンピックは返上した方がいいかもしれない。経済の前に生存の問題がある。誰にだってわかることなのに。お金で健康な大地は買えない。
倉本聰さんのエセイや講演に流れる基調は、生存の基本の基を言い続けている。
向かいの92歳の元農民のおじぃいちゃんは午後7時には床に就き、朝の4時に起きる。100歳まで生きるのじゃと申す。冬でもアイスバーンの歩道を自転車でスイスイ乗る。先日、転んで倒れて道路で血だらけになっていて助けに行ったが、平気な顔。北海道開拓の血を思い出させる人物だ。夜になったら眠るんです・・を地でいってるような人だ。外で美味しそうに毎日10本のタバコを吸う。おじいちゃん曰く、タバコは健康の素だ。肺がんの一番の原因はタバコではなくて自動車から出る排気ガス。タバコが魔女にされている構図だ。ナチス帝国は、健康・健康・健康、一斉に同じ科白斉唱だ。気味の悪い国になってしまった。鉄や電力や石油やエネルギーを食い散らす自動車産業の犠牲に葉タバコ農家が犠牲になっている。
参考 宝島社 世界一わかりやすい放射能の本当の話 別冊宝島編集部編
君子危うきに近寄る時代。
第二の故郷「福井」には14基の原発がある。北陸・中部・関西電力と3社のものがすべて日本海側の美しい海岸線に林立している。僕が住んでいたところは峠を挟んで敦賀原発だ。いつできたのか?余り定かではないが国の施策である時期一気にできたのだろう。原発は稼働を停止していても自然消滅するわけでもなく、絶えず危険性をはらんでいる。思えば北海道に住んで原発の広報の仕事もしたことがあった。原発の正当性をPRする展示装飾工事では、人形峠から職員がクッキーの缶に入れて風呂敷で包まれたウランの原石を渡された。無知だった僕はそれをハンマーでたたいて小さくして展示品の一つに加えた。ガイガー・カウンターも当時3万円くらいで買って展示品を計測するために展示した。目的は、ウランの原石と生活必需品の時計の蛍光塗料や蛍光色の絵の具などとを比べ、日常の暮らしの中で、身近に放射線は存在していてウランの安全性を訴えるためのものだった。燃料棒も中に挿入される燃料「ペレット」の模型も展示した。関係業者と言う事で、無条件で原発賛成の署名もさせられた。そんなある日、敦賀で蒸気漏れ事故が発生。田舎の義母から悲壮な電話が入った。敦賀に近い若狭湾の半島のの突端で旅館業をしているが、NHK-TVで原発事故のニュースが流れた途端、予約キャンセルの電話が100件も入ったと。GWの稼ぎ時に想定外の事態に愕然としていた。その時、初めて原発の脅威を感じて以来、僕は原発の仕事の片棒かつぎは一切しなくなった。あれから数十年経った今、ようやく世界中で原発廃止の動きが出て来たが、何と、つい最近、外遊が大好きな首相は、日本がインドに原発を輸出する約束をしたそうだ。唯一の原爆被爆国の我が国を忘れたのか、世界の動きにどこか矛盾している。国民不在の政府与党のやり放題。これも多数決の原理が生んだ弊害か。多数決の弊害と言えば、今日は、早速トランプ詣でに飛んで行った。きっと、トランプ氏の孫娘がピコたろうの真似をしてYOUTUBEで話題になっているのを「お孫さん、さすがにダンスがお上手ですね~」とか何とか、どうせ、ご機嫌取りで近づこうとでも思っているのだろう。どこの元首もまともな人物は少ないから世界はますます物騒になって来た。またお得意の変な約束などして来なければ良いのだが。
次世代エネルギー。
会社では残業で照明、PC、エアコン。家ではTVや洗濯機や掃除機ほか家電による電気の消費量はきりがない。工場での生産ラインで消費する膨大な電力も考慮すると火力や水力で賄えないとの見通しで原発に大きくシフトしたのだろう。使用燃料の後処理問題を後処理にして見切り発車したつけが今起きつつある。過剰な工業生産も、家電まみれの暮らしも、消費者の物欲を利用したメーカーの利益確保競争からだろうが、モノづくりには何らかのエネルギーを必要とする。生産ラインでは人力で賄えない事もあるが、昔の手職人も少なくなって来た。便利さとは機械に頼る事。エネルギーが電気で占められる現在、電気以外の代替エネルギー時代はいつ出現するのだろうか。
夜行性。
最近、睡眠不足気味。帰りは遅く、就寝時間はまちまち。午前1時前後頃には寝る事にしている。子供たちは9時には寝て朝は起こすまで起きないが僕はしょっちゅう目が覚める。昨夜は午前2時、午前4時、午前5時半になると寝てなんかいられない。朝の仕事があるからだ。超薄ネスレのコーヒーを入れ、早速朝刊を外のポストから抜いて一面に目を通してから、米を研いだり、風呂を洗ってお湯を張ったり、子供たちの朝食の支度をしたり、掃除機を掛けたり、布団を上げたり、早朝練習の小4の女児を車で送ったり、当然ながら朝食後はゴミ捨てなどをして、朝風呂で清めてから出社する。朝はあわただしいのでのんびり寝てなんかいられない。夜は早く寝ればいいのになかなか寝ない。そのくせ、当然ながら昼は居眠りしたくなる。クルマでの移動だから電車やバス通勤のように、移動中に居眠りができない。寮生活や入院生活のように、消灯時間があれば早寝も出来るかもしれない。日本国中同時に消灯時間などの法律でもできればだが。そうなればススキノの夜行性動物たちも困るに違いない。