「ミライの授業」はじめ14歳の子供のために書いた様々な本。
14歳向けの本がいろいろなテーマで出版されている。なかでもすばらしかったのは、「ミライの授業」(瀧本哲史 2016年6月刊 講談社)。副題は14歳のきみたちへ。この年齢は全員が平成生まれ。書き手は昭和生まれだ。瀧本さんの本は、学生が教科書に色ペンを使用するように大事なところに黄色の蛍光色を使っている。難しい概念を使わず、内容は高度だ。これなら「なぜ毎日つまらない勉強をするのか」その意味がわかろうというもの。
しかも、この本は実際に全国の中学5校で「授業として教えた」内容を1冊にまとめてある。法則の1番目は「1時間目の授業」という具合に5時間授業になっている。生徒の検証を終えて書かれた珍しい本である。ここにも自ら本を書くに当たって、瀧本さん自身の冒険が読み取れる。
基本は、「課題の解決」ではなくて「課題を発見する」チカラを養うことにある。「課題の解決」ならば、それは受験勉強で、与えられた問題を解くだけの世界である。「どうも変だな?みんなはそう言うけれど、違う気がする。」など、イギリスの17世紀の哲学者フランシスベイコンの「知は力なり」をキーワードに実践していく薦めの本である。実際のデータを積み上げて「論より証拠」を提示する。取り上げられてる人物はニュートン、フランシスベイコン、ナイチンゲール、コペルニクス、ヘンリー・フォード、海軍軍医高木兼寛(脚気の原因を栄養不足に求めて森鴎外と対立)、大村智(ノーベル化学賞受賞)、ビルゲイツ、エジソン、加納治五郎、ベアテ・シロタ・ゴードン(日本国憲法に男女平等の概念を明記させたGHQと日本側との通訳に入った女性)、ココシャネル、伊能忠敬、サッチャー、コペルニクス、J・Kローリング、緒方貞子さんなど。彼らの生い立ちを含めて伝記的な記事も多くて読みやすい。
共通は全員実践家であるということ。生きた時代が違っても、前例がなくても(前例がないから、その空白地帯に旗を立てた人たちである)。14歳と言う年齢は、大脳も柔らかくて、脱脂綿に水がどんどん吸収されるように思う。made in japanではなくてmade in worldを目指して生きて欲しいという著者の願いが篭った本であった。そして著者は「みなさんが世界を変えようとするとき、自分の夢をかなえようとするとき、周囲の大人たちが応援してくれると思ったら大間違いです。大人たちが応援するのは、自分の地位を脅かさない若者だけ。つまり、世界を変えない若者だけです。」と付け加える。公務員の世界や大きな民間企業や学校の世界も政治の世界についても言える。「世代交代だけが、世の中を変える」(科学史家 トマス・クーン)
この本を読んで思い出したのが、先日、NHKのEテレで「水曜日のカンパネラ」のボーカル・コムアイと対談していた松岡正剛さんが高校生のため書いた「17歳のための世界と日本の見方」(春秋社)であった。歴史や出来事を縦関係ではなくて、横の世界とのつながりの中で意味を持たせる編集力を加えた本で、暗記物の歴史が日本史と世界史がつながる不思議な本である。また世界宗教の歴史までわかるようになっている。
以下、13歳14歳向けの本を掲載しますが、筆者は池田晶子さん以外は未読です。中学3年生へ向けて、たくさんの本が書かれている。しかし2016年厚生労働省は、子供の貧困率は16.3%と発表。一人親世帯は54.6%。
義務教育さえ登校拒否の子を持つ家。
多感な中学生向けにいろんな書物が出版されているんですね。読ませてあげたいけれど,果たして本人たちが読んでくれるかが問題です。読書の習慣が身に着いた子ならまだしも,親たち自身も実は読書世代ではありません。アニメや漫画やゲームなどの毒書ばかりが氾濫していて,今の子供たちの環境は最悪の時代です。これも中途半端な大人たちがばらまいたものですが,今さら取返しが付きません。読書が無理ならどんな方法があるのでしょうか?
seto
DVDの素晴らしいやつあります。松岡正剛さんの作品で、見るといつのまにか日本の歴史・世界の
歴史がストンと入ってきます。アマゾンで調べてください。
実際には理想形は存在しません。
子供たちが自分で進んで購入までして読むくらいならいいのですが?。親たちが買って与えなければならないのでしょうね。子供は生き物です。勝手気ままに行動します。歴史に名を遺した立派な大人たちはいっぱいおります。そんな大人たちと比べても悲観するだけで絶望が先に来てしまいます。「最初から自分にはムリ!」と。ですから立派な行いを見ても何の役にも立ちません。もっと身近なところで子供に接して上げられれば一番いいと思いますね。親子で殴り合うくらいに,もっと泥臭い葛藤が本当の教育だと思います。結果はどうあれ。
seto
なかなか、自分の場合も中学3年くらいは親とはおしゃべりしなかったので、アドバイスできない
けれど、立派な大人は彼らにとって幻想かもしれません。泥臭い葛藤が一番の勉強になるかもしれないが、
静かな家庭育ち、家庭内でケンカや言い合いのない植物的な家庭に育った私なので・・・・・。子供は自然
そのもので、確かに次にどう展開するか勝手気ままは確かです。この本は、少年時代、ダメだった話もたくさん
出てきますから、成功ばかりの偉人伝記ではないですよ。勇気をもらう本です、大人も。緒方貞子さんは60歳
を過ぎて「小さな巨人」といわれる活躍をします。それを知るだけで、いつか役にたつ話になると思いますが。
前者か?後者か?
世の中には,勉強好きと勉強嫌いが居ます。女房は今でも勉強大好きです。僕は後者です。前者から見れば落ちこぼれの部類でしょうね。世の中は前者と後者でできています。どとらも居てもいいと思いますよ。お互いに無いものを補い合いながら生きて行く事も必要でしょうから。極論を言えば,障害者の人たちは後者でしょうか?病人は?老人は後者でしょうか?世の中の厄介者扱いしてははいけませんね。
seto
日々、発見がある人は勉強好き、惰性で生きるのは勉強嫌い(昨日と同じ行動を繰り返す)かもしれません。
明日のブログを読んでいただければ、イギリスにある子供専用のホスピスの話を書きました。いまの医療で
治せない子供たちの話です。そしてその施設の話です。決して厄介者ではありません。
注目の二人。
本当に立派な人たちはほんの一握りしかいませんね。今、世界の大問題の人物二人も,中学時代には,このような書物を読んでいたのでしょうか?ちょっと違う方向に目立ってしまっていますが。
子供と教育。
子供の教育と一言で言いますが,難しいですね。最近何かと小学校に行くことが多いのですが,保護者からは批判対象の先生たちも大変だと思いますね。昨日からは家庭訪問が始まりました。我が家には3人の小学生が居ますから,親の都合に合わせ,今度の木曜日に時間差で三人の先生が訪問してきます。先日の日曜日には新しい教科書に準拠した国語と数学のドリルを二冊づつ三名分を近くの書店で購入してあげました。中学性の分も含めて7,000円ほどになります。他の本もいっぱい並んでいて買ってあげたいのですが,家計も考えればそうは行きません。でもドリル代は家庭教師や塾に行かせる事に比べれば安い物です。家で半スパルタ式にでも毎日勉強させないと,自習などしないで直ぐ遊びに行ってしまいます。外で遊べば疲れて勉強どころではなくご飯を食べて風呂に入って寝てしまいます。そんな勉強嫌いな子供たちでもドリルのお陰で少しは理解しているみたいです。末っ子と次女はいつも良い点を貰ってきます。読書は学校図書室から借りて来るくらいですね。
seto
教科書は無料ではないですか?ドリルって自習用のテスト・添削みたいなもの?お金がかかり
ますね。いまは親が教師を尊敬する人、先生は偉いと腹の底から思う人の割合はどうなのでしょうか?
私のころは、担任から殴られたら、親は「殴られたお前が悪い」と即座に反応したものですが・・。