2017年5月3日に書いたブログです。

旧ビルマ(現ミャンマー)で、ラカイン州の北側に集まって暮らすイスラム教徒に対して、仏教徒過激が激しいジェノサイトを繰り広げている。ノーベル平和賞を受賞したアウン・サー・スーチン、国土を民主化したはずのミャンマー国内で、イスラム教徒への虐殺が続いて、船でインドネシアやタイへ難民船で逃げている。国民の95%を占める仏教徒に支えられているミャンマーで一体何が起きているのか?犠牲者はラカイン州の北部に大昔から暮らすロヒンギャ。元の軍事政権が1982年の国籍法で無国籍状態に置かれ、政府や軍による暴行や略奪が続き、民族浄化(嫌な言葉だ、ナチスやロシアでも、チベットでもボスニアやセルビア、アフカリの民族紛争でも繰り返される)するために、仏教過激派指導者ウィラトゥが、イスラム教徒ロヒンギャがミャンマー人女性とをレイプしているとアジり、憎悪を煽っている。

指導者 ウィラトゥ。ロヒンギャ弾圧をアジル。

イスラム教徒の抗議デモ。

 

国を出る難民船

グーグルの画像検索では、虐殺された遺体の写真が満載されている。仏教徒といえば、近くのカンボジアのクメールルージュの毛沢東思想にかぶれた集団での知識人や都会に住む人間を中心にした大虐殺が、やはり仏教徒の国、アンコールワットという仏教芸術の国であったばかりである。仏教という宗教も場面が変われば、政治や殺す武器を持てば、思想洗脳を施せば、簡単にジェノサイトをする集団に早変わりするのだという認識を持ちたいし、日本の仏教徒の幹部たちは、クメールルージュのときもそうだけど、激しい声明を出さない。


ビルマはもともと英国の植民地で、『1984年』を書いたジョージオーエルが英国の植民地警察で働いていた。そのときの体験を後に『ビルマの日々』(BURMY DAYS)を書いた。ある死刑囚が絞首台へ向うときに、水溜りを飛び越えるシーンがあり、『死に向かう人にも人間的なデリカシーが残っている』と書いていたと記憶する。仏教徒のビルマ人には好意的な文章であった。


いまのビルマ(ミャンマー)を見て、オーエルは何を語りだすだろうかを考えてみた。『思想警察の恐怖』についてだろうか?『権力は現実を曲げて伝える』『虐殺については、目撃して生き残った人が自分の言葉を持って外へ向かって表現しないと、事件は無いことにされる』と言うかもしれない。さらに『宗教と権力と武器が一体化されて、そのトップが気が狂うと血まみれの社会が現れる』。一度でも他人を殺した人(命じた人)がその後、幸福な結末は迎えられないのが定説だとしたら、仏教過激主義者ウィラトゥの末路も哀れな結末に終わるだろうけれど、その前にアウンサースーチンはご主人の英国人と早く止めないといけない。


一体、人間を救うための宗教って、この国を含めてなんだろう?宗教って、集団化してはいけないのかもしれないのではとも思う。一人が一人の宗教になり、一切布教業務が無くなれば、宗教で暮らし食べて生きる人たちがいなくなれば、地球は住みやすい、生きやすい場所になるかもしれない。筆者の妄想ではあるが。仏教は一神教と違い、多神教でもあり、残酷な集団ではないと思っていたから、ミャンマーの事件には大ショックである。『仏教、お前もか』である。仏陀は泣いているよ。イエスもマホメットも泣いている。弟子なんて作らなければ良かったと。弟子を作ると食べさせないといけない。宗教組織になると維持するためにお金と働き手が必要。これが無理に無理が重なると、必ず犠牲が出る。新興宗教しかりである。

  1. 浄土真宗大谷派の坊主の孫。

    宗教で人殺しやレイプを教えている事は無いと思いますが,すべて宗教以前のリーダー格や取り巻きの人間性の問題でしょうね。確かに宗教もビジネス化して巨大化すれば,崇拝するリーダーの掛け声が一つ間違えれば紛争の火種にもなるでしょうね。スーチー女史もミャンマーの国会の何分の一かを閉める軍にゆだねている部分も多く,見て見ぬふりをしているとも言えますね。理想を掲げても暴力にはかなわないと言う悲しい現実なのでしょう。武器を捨てない軍の圧力がある以上,ミャンマーの真の民主化は遠いいようですね。

  2. ロケットマンだの,アメリカの傘だのと演説する前に。

    人種差別,宗教差別,思想差別,貧富差別など,この世は差別が蔓延していますね。皆んな同じ幸福を手に入れる事は不可能に近いわけですね。その場その立場に基準を置いて考えるから差別が起きるのでしょうが,平等なはずの共産圏でさえも貧富の格差はありますね。ましてや民主主義をうたっている国なら当然ながら格差は肥大化しています。迫害を受けて国を追われ,難民となって他国に救いを求めても,各国とも受け入れ可能なキャパは当然あるでしょう。従って対岸の火事を見つめず,北の問題を討議する以前に,世界平和を願う国連であるならば,各加盟国への割り振りを検討した方がよろしいのではと思いますね。トランプ氏は反対するでしょうが?そうなれば全世界から非難されるのはアメリカになりますね。

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