『今日の暮らしは明日も続く。そう考えているのは、何も地方の人間だけじゃない。企業で働いている人間の大半がそう考えているからね』(楡周平 鉄の楽園 204P)『新業務で必要とされるスキルと本人が持っているスキルが一致しない、配置転換しようにも、行き場のない社内失業者が日本企業の全従業員の1割もいるっていうんだ』『1割って・・・』『四百万人・・・』『それが2025年には五百万人にもなるだろうって、予測されているそうだ』(同著191p~192p)『・・・対応できないのは、中高年社員でしょうから、当然、人件費は高額です。社内失業者に高額な給与を支払い続けていれば、競争力を失いますよね。まかり間違えば、倒産ってこともあり得るんじゃ・・』。(2019年9月出版)

『鉄の楽園』から気になったフレーズを引用したが、主人公の商社マンが中国に対抗して新幹線輸出計画を立てるのだが中国の賄賂攻勢で危うい状況だが、北海道にある鉄道専門学校を復活させて、ソフト面(鉄道に従事する現地の人たちを教育する学校と連動)を充実させて、新しい大統領の信頼や財閥の御曹司のアドバイスもあって、中国のIR業者に勝利するサクセスストーリーだ。

私も考えてみるとウィンドウズ95が発売されて社内失業に近いところに立ちすくんでいた。ところで、社内失業者の絶対人数がほんとうに400万人もいるのか?無資格者が自動車会社の最終審査、鉄鋼業界は、品質データ改ざん、新幹線でも台車に亀裂、異常を察知しても運行続ける、これまでジャパンクオリティのシンボルが音を立てて崩れている。どこか何か狂ってきている日本社会だ。ある新聞社の30代半ばの人が『新聞社の半分の人間は要らないよ』。しかしだ、彼らに給与を払って、使ってもらい消費社会が回る、物が売れる、子供の教育費として高校や大学へ支払われるわけで、紙幣が回ることで助かる人々も多いのだ。バブル期なら市場で運動する紙幣が有り余るほどあれば、余裕の仕事を正社員がして、たっぷり時間と労力をかけていたのを、スピード・経費節減・納期厳守が企業方針として出されて、最終検査も手抜きになった。

どこをどう直せばいいのかわからないのが現実で、現場にいない評論家や大学の先生方は正しいことは言うが直せない、自分が出て行って立て直しをする意欲があれば手を挙げてその企業に出向いてみてはどうか?また、企業もそういう人材を臨時的にアドバイサーとして働かせる仕組みが必要ではないか・・・。企業と学校を行ったり来たりする人がたくさんいると考え方にも変化が生じて、プラスにはなってもマイナスにはならないと思うこのごろだ。最も早い解決法だと思う。そういうアドバイサー能力の高い人は私も周りにたくさんいるが共通はシャイだだから目立たない。

来年は勉強に読書に励んで、5年目のブログに挑戦する。まだまだ学びが足りない。皆々様1年間お付き合いくださり、ありがとうございました。来年もよろしく。

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