『進化は万能である』(人類のテクノロジー・宇宙の未来 マット・リドレー 早川書房)。専門性が高過ぎて理解及ばず情けない読書であったが、一番最後のまとめがわかりやすかったので紹介する。著者の基本は、どの分野でも進化は深く進行しているという判断がある。いま生き残っているのは選択された進化の結果だという。ダーウィンの思想の宇宙から分子生物学、文化、教育、思想、宗教、経済、心、テクノロジーリーダーシップ。政府.通貨、インターネット、そして未来の進化を考察する。

ダーウィンの進化論はいまなお賛否両論がある、適者適存、自然選択説など生物の原理を社会の場面や企業経営に応用して批判する人も多い。しかし、著者は『進化は大きな変化を起こすことを意図しない無数の人々によってもたらせれたボトムアップな偶然で予想外の現象はあまりに多い』その基礎に『進化』がある。

一方、悪いニュースは『歴史に押し付けられた、人為的で、トップダウンで、意図的な物事にまつわるものだ。その具体的リストを上げると、第一次世界大戦、ロシア革命、ヴルサイユ条約、世界大恐慌、ナチス政権、第二次世界大戦、中国革命。2008年の金融危機。これらはひとつ残らず、意図的な計画を実施しようとする比較的少数の人(政治家・中央銀行総裁、革命家など)によるトップダウンの意思決定の結果だ。

良いニュースは、世界の所得の増加、感染症の消滅、70億人への食糧供給、河川と大気の浄化、富裕な国々の大半における再植林、インターネット、携帯電話を使ったバンキング、遺伝子指紋法利用した犯罪者に有罪判決と無実の人へ無罪判決。これらは一つ残らず、偶然で予想外の現象で、こうした大きな変化を引き起こす意図のない無数の人によってもたらされた。興味深いことはすべて漸進的に起こり、過去50年間、人間の生活水準の統計値における主要な変化のうち、政府の措置の結果はほとんどないとうこと(選挙学者の調査で)

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