ギリシャ名言集あれこれ(ギリシャ・ローマ名言集 岩波文庫)
1)陶工は陶工をねたみ 大工は大工をねたむ 乞食は乞食をねたみ 歌びとは歌びとをねたむ(NO 67)
もともとギリシャのことわざだったらしい。嫉妬は普遍的な人間の感情ですが、旧石器時代がどうであったか、文字が発明される前の人類がどうであったか?
農業が始まり、貧富の差が出てきてからの感情ではないかと私は推測しているが、どうだろうか?
2)飲め、遊べ、人は死ぬもの、地上ですごす時の間はわずか、死んだが最後。死は不死ときている。(NO 53)
紀元前4世紀の喜劇詩人アンピス。「死は不死」なんだ!皮肉な言いよう。
3)一羽の燕(ツバメ)は春を作らず(NO 3)
アリストテレス「ニコマコス倫理学」で彼が引用している、「一羽の燕、ある一日が春をもたらすのではなく、同様に至福な人、幸福な人も、一日で作られるわけではない」
4)人間にとっては、生まれぬこと、太陽の光を見ぬことこそよけれ「NO4)
似たような格言にソフォクレス「コロノスのオイディプス」に「人間にとっていちばんよいのは生まれないこと、しかし生まれてしまったのなら、なるべく早く出てきた所に帰ること」 赤ちゃんのおぎゃと言う声は、この世に出てきたくないと泣いていると言った作家がいましたね。
5)時は真実をさらけ出しつつよぎるものだ、(NO 80)エウリピデス。
時間がたてば隠してきたことも表に出てくるという話で、エウリピデスは別な戯曲で「よこしまな人の心ばえは、ちょうど若い娘の顔でも映すように、時のかざす鏡に映し出されて、やがて現れてしまうものです」とか「時はあらゆるかくされたものを明るみに出す」「真実は時の娘」などいろいろあります。私の勤めていた会社でもある部署で横領事件が発覚。時間の経過とともに出てくるわ出てくるわ。部署全員が額の多寡はあったが手を染めていた。暮らしが急に派手になったりすると黄色信号だと注意しよう。ススキノは寂しい人を狂わせる。
6)魚は頭から臭いはじめる。(NO 46)
ギリシャのことわざらしい。腐敗は上層部から始まるということ。
7)人間の運命は車輪のようなもので、くるくると廻りつつ、同じ者がいつまでも幸運であることを許さないものだ。(NO 36)
ヘロドトス「歴史」。ペルシャ王に負けたリュディアのクロイソスがペルシャ王に向かって言った言葉。似た言葉に「人間に関することは何事も安定していると思うな。そうすれば、幸運に恵まれても喜びすぎることもなく、不運においても悲しみすぎることはない」
8)すぐに古びてしまうものは何かと問われて、「感謝だ」と彼(アリストテレス)は答えた。(No 25)
デイォゲネス。ラエルチウス「ギリシャ哲学者列伝」より。
アドマン。
直ぐに古びてしまうものは?「感謝だ!」は言い当てて居ますね。自分もいくつもの感謝があった筈なのに、今スグ思う出せないですね。一般的には、先ず親に感謝とか、先生に感謝とかまでは思い出せても、その他の感謝は右から左へと忘却の仲間に入れてしまっていますね。何かの拍子に似たような場面にでも出くわせば思い出すかも知れませんが、そこで私の格言は『人間は忘れる事には長けているが、覚える事は大の苦手だ』ですか。
seto
ありがとうございます・・という言葉を国にする習慣を続ければ、自然に「感謝」は根付くと思いますが。現代は、LINEにしてもネットでも「無料癖」がついてしまいました。サービスが無料なら、それをしてくれる人対へ感謝が続くかどうかですね。朝、呼吸して生き延びたというだけで、感謝なんですがね。天変地異もあるし、病気や事故もあります。いつでも「死を背中にしょって生きているわけですし」。死を前提に生き延びているわけで、生きていることは奇跡だと思わないとね。生きているのが当たり前だと思うのは、勘違いです。
坊主の孫。
プロ野球でデータ野球の元祖でいくつかの球団の名監督を務めた野村克也氏の名言の一つに、こんなのがありました。
『考えることは、才能のない人間の最大の武器である』名将と言われた彼のお得意の自虐的コメントにも思えるのですが、今一度
良く考えれば、才能なんてなくても、絶えず考えていれば才能は開花するとも、才能の有る人間などさほど居ないのだから、考えて行動に移せば道は開けるものだとも取れますね。世に名を遺した方々は皆、自分を貫くための名言や格言を持って居るのでしょうね。
seto
考えることは、生き方や行動を変えることですからね、けっこう大変だと思いますよ。頭でっかち、知ることばったかりの選手の中で実践を貫いてきた苦労人の野村さんでした。