北洋銀行の元頭取武井正直講演録「バカな大将、敵より怖い」(北海道新聞社刊101p)の一言だ。アメリカのバトラーという経済学者の言葉だけど『富は一極に集まり過ぎると碌なことにならない』。利益の源泉も1か所だけだと危うい。

このブログではお金持をテーマに何回か書いているが、筆者の身近に大金持ちがいないので、どうも実感を持って書けない。ブログの限界である。私が投資家でネットの株取引で億単位のお金を儲けていれば、話題も豊富になるだろうけど、筆者は低空飛行生活を続けている。噂としてあの人のお嫁さんは『ブラックカードを持っている。何県の大病院の令嬢だから』と聞いたことがある程度。

筆者は営業主体の世界に長くいたから、そこで言える格言は『興隆と衰亡の原因は同じ』ということ。企業に当てはめれば、売上や利益の多くを一つの企業に依存し過ぎると、そこが無くなったとき倒産の憂き目に遭う。年商が100億円を超えた札幌の広告代理店がお蔭で二つ連鎖倒産したことがある。原因は膨大な広告費を使っていた企業の倒産である。売掛残が回収できない事態だ。さらに北海道拓殖銀行の倒産もこの後に続いた。後で聞いた話では、スポンサーからの広告費は役員や部長、営業担当者の個人口座へ振り込み依頼をした人もいた。

ほかの何社も同じ憂き目に遭ったが、生き残ったのは自社ビルを所有し、金融機関からの融資の担保になったとか、経営者が自分の財産を放出して社員と企業を守った会社の違いである。上場企業の倒産額はとても経営者個人の財産では補てんはできないが、中小企業のいいところは、経営者が身銭を切って企業と社員を救えることだ。救う意思があってのことだけど。

利益の大半を同一企業から上げてる場合は赤信号が点滅してると考えて間違いない。点滅している間、別な分野へシフトを移せるよう人を育成しないといけないが、『いいときはいつまでも続くと思いたい』のが人の常。最悪のことは後回し、後回しだ。結果、相手に倒産されたり、ライバル企業に取られてチョンである。

そして、日本の企業でよくあるのは何でも『隠す』である。マイナスの話をもっと早く公開していれば、解決があれこれ、知恵がたくさん出たものを、どん尻になって公開する、それこそ大後悔。公開することで担当者が責任を問われる、経営者が責任を問われることを避ける(役人を考えても同じ)癖が染みついている。嘘のデータ公開を平気でしてその場を逃げる。時間が経過すれば、その事案は世間から忘れられると思っている。しかし、逃げたことは後で雪だるま式に何倍にもなって帰ってくる。都知事候補の小池百合子の学歴詐称もそうだ。嘘で一番苦しんでいるんは彼女自身だね。楽になって本来の人間生活に戻ればいいものを。そんなに長い人生でもないのだから。

すべて尻拭いは次世代に任せてあの世へ行くつもりの人たちが都市部でなんと多くなったことか。政治家や役人や老人も。最初に紹介した武井正直氏は「倒産しても正直に関連会社へお詫びを言い、きちんとした数字を相手側に示せる経営者は、再建が早い』と。しかし、この言葉が現代も通用するかどうか。筆者は確かめていない。

  1. 或る程度の規模の企業の経営者の考え方や経営方針は責任重大ですね。設備投資の借金や社員も沢山抱えている場合にはその家族までも守らなければいけませんからね。しかし経営者ともなれば鶴の一声で何とでも出来る訳ですから、ともすれば独裁者にも成り得る訳です。そうなれば周りの賢明な取り巻きも次第に離れて行き、経営者の好むイエスマンだけが残って偏った経営状態になる訳で、助言などする取り巻きも無く、まるで天皇状態の経営者にへつらう部下の元、経営者は周囲から見放され、巷では関係業者なども手を引き始め、業界に悪いうわさ等が飛び交い始めます。取り巻きたちは、例え耳にしたとしても、当のご本人に忠心する者も無くイエスマンばかりですから、外部からの情報は中間管理職あたりで遮断されてしまいます。末路は見え見えの様ですが、実は、このような経営危機状態の企業を狙っている、したたかな不動産系の大手が手ぐすね引いている場合もある訳です。その場合もリニューアルした綺麗な状態の会社を狙って居たりしますね。デーラーなどメーカー系販売店の場合に言える事ですが、メーカーそのものが働きかけて自メーカーに最も有利な新規事業継承者を探している場合さえも有りますからね。そうなれば、ワンマン経営の経営者は何処からも見放されてしまいますね。

    • 私は経営者にはなったことがないのでわかりませんが、イエスマンばかり囲まれるのは怖いですね。企業レベルだと、坊主の孫さん書いてるように、社員の家族まで路頭に迷わせたりしますから、たくさんの人の人生を鳴門の渦潮の中に放り投げることにもなりますね。現代は物言う株主が配当金を狙って暗躍してます。あんなにたくさんの金を持って社会的に何をしようとしているのでしょう? きょう小澤征爾の師匠斎藤秀雄さんの生涯を本を借りてきました。クラシック演奏家を育てるんだと30歳のときに決意して、音楽教育の道を進むために桐朋学園を創立させた感動的な人生です。凄い大将から続々、音楽家が世界に育っていきました。もっといい話を子どもたちに聞かせたいですね。

  2. 北洋銀行と言えば、北洋相互銀行当時から、ポスターや新聞広告やカタログやキャラクター貯金箱など広告関連の仕事で、以前私が勤めた広告代理店の上得意先でした。そんな或る日、頭取が変わると言うので写真を撮ってほしい旨の連絡が入り、カメラマンと助手と私の3人で新頭取に遭いに行きました。武井さんの一つ前の大塚さんでしたが、何と?日銀からの出向との事?その当時は、地方銀行に何故?と、不思議な気がしたものです。彼は山好きで、コーポレートカラーを北海道の青空のスカイブルーに変更しました。その後、登山好きな彼は好きな北海道の日高山系で滑落事故か何かでお亡くなりになりました。その後も日銀から頭取が出向されるようになったのは、拓銀整理と北洋銀行への統合の計画がかなり前から進んでいたんだなあと、今になって判りました。その後から急に銀行の統合や社名変更が一気に進みました。それは地方銀行に限らず都市銀行も同時でした。その時以来、消えた銀行名は数知れませんね。大胆な経営改革は一般企業にも及んで私の勤務先の老舗広告代理店もこの時期に倒産し、109年目にして無くなりました。原因は粉飾決算でしたが、時を同じくしての我が社の本社のメイン取引銀行も統合され名前を変えました。私の勤めていた北海道支店があれだけ親密にお付き合い頂いていた北洋銀行に、当時の支店責任者の私が最後のご挨拶に伺った時には業務担当課長にも背中を向けられ、現実の厳しさを思い知らされたものです。それもこれも本社の不正経理が原因ですから、その瞬間まで私達社員も寝耳に水でした。当時の我が社の社長はMBSの常務から出向した人でした。その後気づいたのですが、どこの企業も銀行も代表者が他からの出向のその瞬間から、大改革や幕引きのシナリオは水面下で決められていたのでしょうね。

    • 出向制度は、賄賂の継続ですからね。官僚や書く自治体が民間に転職するときが一番危険。都庁から14人が三井不動産に転職して、神宮外苑開発を請け負うとか賄賂ですね。札幌ドーム株式会社もメンバーみると天下り先。日本中、こういう腐れ縁が多いです。仕事は自分で探す癖を持たないとこれからの時代は生きていけません。東芝も粉飾決算でしたね。全員、粉飾決算を知っているのですが、それをバラスト前の社長の責任になるのでできなかった。「隠す」病が蔓延です。経済界だけでなく政界もジニーズはじめマスコミも含めて。

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