突然、広告代理店の営業を辞めて、54歳で某市からことし6月の市議選に立候補をすることになった知人がいて、二人で立起前にお茶を飲んで、事情を聞いた。4月からの降格人事で、もうやってられないということらしい。その転職先が6月の統一地方選挙・〇〇市会議員。

なるほど。若い人も親に供託金を払ってもらい(または自分で払い・党の公認なら党が)4年間の市会議員生活か。シングルマザー(ファーザー)の雇用を優先した雇用対策や派遣法の撤廃など他候補とは違う提案をしたらとは言ったが、党則の縛りもあって、突然選挙戦へ。はじめ本人から「最後から2番目でようやく当選のめどがついた」とメールがあったが、結果は80票足りず落選。これからどうするのか、メールで現況を訊ねるも返信がない。

筆者の住む街でも、駅前で「焼き鳥屋」を経営していた元自衛官が、突然、店を閉めて市会議員へ。理由を聞くと「焼き鳥を焼いていると火傷が多く、痛いのだと」。それで立候補かよ・・と思ったが、こちらは組織票で中位当選、今回も下位ながら2度目の当選。火傷せず、暮らし安定。

札幌でホテル経営してる社長があるとき筆者に「道議会議員なんて、毎日何しているんだよ。必要だと思うかい?我々の税金を使い放題にして」と政務調査費のいい加減な領収書集めた議員が全国各地で横行した時期だ。憤りもあって「全国の地方自治体で市町村議会議員に使われる税金」が、オリンピック会場の開閉式屋根を作る大幅な予算追加のどんぶり見積もり同様、「村議から国立競技場まで」他人の金(国民の税金)は、自分の懐は痛めない。

新千歳空港の格納庫に置いてある2機の政府専用機で外遊すれば、すぐに金をばら撒きカッコを付ける外務省や国のトップ。(ちなみに政府専用機は2機セットで飛び、4日間のヨーロッパ外遊するとして燃料代やANAへの人件費含めて約5億円かかる)蛇足ながら、専用機は航空自衛隊特別輸送隊の運用なので、その本部が千歳にある関係で新千歳に広大な格納庫を持っている。

切手代を自分の懐に入れる心理と他人の金なら幾ら使ってもいい、債務は自分が生きている間、破たんしなければそれでOKくらいの気持ちは同根だと思う。自分も自腹だと安いお店で食べていたが、タクシーチケットを1冊渡されていた時期もあり、友人との居酒屋帰りも使ってとばかりにチケットを渡してかっこつけていた。ホテルはサインで飲み食いできて、特定の居酒屋・寿司屋もサインと後日請求書でOKな時代、あたりまえの権利として麻痺していた時期が長くあった。

1か月タクシーチケットを3冊使用した強者もいたし、タクシーで通勤していた女性もいた。私は、これではダメだと、40代半ばで自主的にチケット廃止した。ホテルのサインも最小限のランチにとどめた。だから、私もエラソウナことは言えない立場だ。気づくのが遅すぎた。既得権は麻薬に近い。役員やサラリーマン社長が今の地位にしがみつく輩が多いのもわかる気がする。人事は権力だしね。

知人の市会議員出馬から政府の税金、私の営業時代の経験談交えて、今回は金の使い方の話であった。政府の各種審議会に出ている学者先生も一言も喋らずに、しっかり日当だけはもらって領収書を書いているから、その額をきちんと発表すべきだね。審議会出席者の費用について話を書くのは下品、機密に触れる事項なのか?大事なのは、審議されてる議題の中身なんだと叱られそうだ。私の性根がきっと卑しいのだ。

  1. 小樽市議に立候補すると言う某自動車学校の経営者のボンボンが居た。知り合いのカメラマンからポスター制作の依頼を受けた僕はご本人に会ってこう言った。『〇〇さんは若すぎるし知名度はゼロに等しいので僕の言うとおりにしていただけますか?』と。古狸の多い連中の中に混じって若造の新参者が当選しようなどおこがましいが、何とか最大努力だけはしなければ立候補する意味も僕が引き受けた意味もない。彼の第一印象は若いのに地味すぎる『オジサン・タイプ』だった。若干でも政治に興味があるから立候補するのだろうが彼らの考える理想像は地味で真面目で勤勉家を演出したいらしい。が僕と同年代の彼が暗いイメージにしか見えなかったから『真っ赤なブレザー持っていますか?』、『いいや?』、『じゃあ僕が買ってきますからそれを着て撮影しましょうか』、『えっ?猿みたいでカッコ悪いでしょう』、『いいや、イメージですから』。やり取りの末ついに撮影までこぎつけポスター完成!なんと初出馬で次席当選!カメラマンからはお礼の電話はあったがご本人はそれっきりだった。その後は選挙の仕事には一切関わっていない。選挙も人事も他人が決める事。いかに自己PRが出来るかで左右される。いくら真面目でも勤勉でも、おとなしすぎれば誤解もされる。積極性に乏しいと・・・。政治も出世も私利私欲だけではつまらない。

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