切り株

 

庭の真ん中に、大きな切り株が置いてある。河原から拾ってきたのか、農家の伐採作業で路肩に捨てられたのを拾ってきたのか忘れたが10年以上たつ。その切り株が腐り出して、捨てようかとエイッと持ち上げたら、小さなアリが大混乱。株の中にも巣を作り、根元には白い卵が一面に広がっていた。初めは混乱していても、だんだん統制が取れてきて、大事な卵を次々、安全な穴の中へ運び出した。しばらくすると、卵は1個もなくなり、見事な仕事ぶりだ。若いとき、こんなに筆者は仕事をしただろうかと思案した。

仕事ぶりといえば、働きアリの15%程度は、全然働かないらしい。いつも女王ありのいる部屋の近くでゴロゴロしていて働こうとしない。しかし、この働かないアリを全部除去したら、やはり15%のアリは働かなくなる。さらに、働かないアリだけを集めた集団を作ると、85%は働きだす。つまり集団を構成するためには15%程度の遊びのアリが必要なように自然界では組み立てられてる(のかな?)「俺はその15%のアリだよ」とサラリーマンは威張らない方がいい。賢くさぼらないとね。関係ないけど、車のハンドルにも遊びは必要だよね。

昆虫は、ほぼ本能で動くので、これは初めから決められたことなのかどうなのか。「アリとキリギリス」というイソップ物語があるが、アリの中にも怠け者がいて、ほかのアリに寄生して生きてるのが15%いるとしたら、イソップさんもびっくり発見だ。ミツバチにも花にミツを採取に行かない、働かないハチはやはりいるのかどうか。養蜂家に聞くとこのあたり、わかるかもしれない。飛んで行って、働いてるふりをしてどこかで遊んでいる。だんだん、筆者の営業マン時代の告白のような話になってきてまずいので、アリの話はこの辺にするが、生き物の世界は奥が深い。

私も家庭では、働かない夫として見られているので、ときどき働くふりをして3日に1回はトーストを焼いて、「オーイ、朝ご飯ができたよー」とごまかしている。アリを観察していると、他人事とは思えないリアリティがあるものだ。

最近(昔から)、国会はじめ、全国の議会議員の昼寝やスマホいじり、週刊誌読みが横行して15%のアリかなと思うが、そのアリたちも集まれば働くなるようになることを考えるとアリ以下といってもいいかもしれない。高額の税金が彼らに投入されているのだし。

  1. いつも楽しいお話『蟻が10匹!』です。僕も15%に入るかどうかは微妙なところです。何でも半分主義ですからね。『仕事半分・遊び半分』。でも言い換えれば遊び半分で仕事していると思われても仕方アリませんね。しかし上層部にへつらってメンコになったり、代理店に寄生して楽をして売り上げ横取りなんて?アリ得ないですね。そう言えば、昨日その様な人から電話がアリ来社しました。そのあとにも、別の似た様な感じの人から電話もアリました。大した用事ではアリませんでしたので「先約がアリ、出かけるので」と・・・。15%どころじゃあ無いんじゃぁアリませんか?

  2. 15%の「働かない働きアリ」、これは昆虫生態学的にどういう意味を持つのか、その事由は解明されているのか。専門分野からの見解を知りたいところである。
    ところで、その15%は人間社会でいえば昔の貴族階級か。15%は多すぎるが、女王の取り巻きのような存在である。だから全体が縮小しても制度維持のため15%を確保する。ありの中の自然の摂理が作用しているのではないか。生物学など全く分からないが人間社会と共通するように感じてしまう。
    翻って日本の議員。この15%の存在も危ぶまれている地域もあるみたいだが、もっとまともに機能させるには?彼らには2倍3倍の報酬を与え、その代り高度の倫理規範を課し、それに反するときはときには即職を辞させるとともにときには牢にも。こうしてはどんなものだろう。反対の人が多いと思うが、ここはケチをしてはいけない、中途半端はいけない。しっかりとした枠組みが必要ではと思うのだが。

  3. 今日小さいながらの我が家の畑をおこしていたらアリがうようよしていて、思った、15%と85%のことを。
    「働かない働きアリ」を駆除したら、15%相当の「働かないあり」グループが形成される。であるならば、85%の部分の幾らかでも駆除されたら15%から85%のほうに回るのかと。
    いったい15%はどのような存在なのか。有閑階級だとしても人間社会であれば15%維持には努めないだろうな。有閑階級であり支配階級であるのか。
    自然の摂理にしても面白い。

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