パソコンやスマホで使うお気に入りを、定期的にシャッフルするといいかもしれない。「お気に入り」は言葉通り、自分の好みや利用するサイトが並べられているが、半年も経過すると全然、開かないところも多々出てくる。


新聞ならば、いつも読む記事の横に「おやっ、こんな記事が?」とついつい道草を食うと視野が広がるような気がするのだがどうだろうか。なぜ、こんなことを書くかというと、いま週に2~3回働いている会社の女性に聞いてみると、新聞の購読者がゼロ人であったから、ニュースはテレビ&スマホでニュースサイトを見ると聞いて、少し心配になった。道草での発見が少なくなるなあと思ったからである。


目的地まで無駄なく行き過ぎる、効率的な生き方を若い時から身に着けていいのかなあと老婆心ながら思うのである。それはパソコンの使い方で「お気に入り」ばかりに依存し過ぎたりするより、書店をうろうろして書物の発見、体験を重ねると、今まで出会えなかった人や言葉に遭遇する幸運を得られるかもしれない。


営業を37年間してきたので、「道草」的な営業で多くの時間を費やしてきたが、そのときは「仕事の事だけで終わる関係」が「利害を超えた」関係に深まる場合が多々あり人生に彩りを添える。自分とは価値観が違い過ぎる人や本やサイトへは付き合うのは大変ではあるけれど、いまの世界を見ていて「自分の知ってる」「自分がどこかで吹き込まれた」「テレビの画像と解説から」納得するのはヤバイかもしれない。


たとえば日本全国、文化遺産だらけ、またはユネスコへ申請して町おこしに使おうとしている自治体も多い。ユネスコは経済困窮団体であることを知れば、職員の給与や生活のために「お金を出してくれる」国や自治体は「美味しい」。ちなみに日本はユネスコの分担金の約4分の1を負担する最大の国である。(アメリカは支払いを2011年から停止している)。そこに群がる広告会社やCGを作ってユネスコへプレゼする制作会社にも美味しい仕事が発生するというわけだ。分担金の多さを背景にこのときとばかりに〇〇遺産登録申請ラッシュをしている。


自然遺産や歴史的な遺産ならまだしも、最近は産業跡地に目をつけて「これでどうか、あれでどうか」と産業遺産や記憶遺産まで出てきて、プレゼ合戦である。世界遺産ビジネスという一分野が出来上がっている。世界遺産の最初はアスワンハイダムを作ることで、水に埋もれるエジプトの至宝を救いだす事業だったし、世界中がかたずをのんでスフィンクスの移動を見守ったものだ。水に沈むベネチアを助ける話もユネスコの大きな仕事であった。


現代は金欠病のユネスコの退廃としか筆者には思えない。島根の石見銀山も歴史遺産に登録された当初は観光客が増えたが、いまでは登録前とは変わらない入込客になっている。儲けたのは広告代理店、印刷会社、プレゼ資料を作った企画会社ぐらいで「終わった後は」「はいそれまでよ」の世界である。自治体はいじりやすい。同じように政府や国もイジリやすい。別にユネスコに登録されなくても、環境保全と景観を少ないお金で丁寧に守り、それなりの対応をしていれば無駄なお金を使わなくて済むというわけだ。きょうの私のブログこそ道草話だ。


それにしても新聞購読料は1カ月朝刊だけで3000円を超えるのは高い。これでは無料でニュースを読めるところへ行く。カフェにも雑誌や新聞を置かないところも増えている。しかし、一番決定的なのは、その人がいると「現実の深い話を聞ける」人の発見である。あなたのすぐ横に実はいるかもしれない。あなたの両親かもしれないよ。

  1. 新聞社出身の友人がいる。退職して6~7年になるが、OB会や催事、同僚や先輩記者などと、新聞社とのつながりは続いている。しかし新聞はあまり読まなくなったようだ。それが証拠に読んでいないに違いない新聞が積まれていたり、玄関ドアの郵便受けから取り忘れていたり。日常、TVは見る反面、パソコンには向かっている事の方が多い。新聞社出身の人でさえ今や変化が見られる。まして、若い方達には当然なのかも知れない。僕の場合も新聞には、再確認するために過去の結果記事を求めている。見出しや、記事や、写真への期待感もあって毎朝、朝刊を待っている。結果は既に知っているのに、さらに確認して安心したり、悔しがったりするためだ。ただ紙面の片隅に、自分が知らなかった事を見つけたりするのは確かに楽しい。

  2. 知識人などと呼ばれる人たちがいるが、一体知識人とは?。自分には知識など最初から全く無い。ほとんど外部から得た事ばかりだ。新聞やTVや、今やネットや他人から得た話ばかりだ。それが真実かどうかは判らないが、どこか脳の片隅で自分なりに良し悪しの選別をしているのだろう。世間で、どんなに偉いとされる知識人だとしても全てを鵜呑みにする事は危険な時代だからだ。情報コントロールで現代社会のシナリオは作られやすい。闇のシナリオライターたちは今日もあらゆる分野で暗躍しているに違いない。「自己の利のために」に有利に働くように。東京都知事選も予想通りの、つまらない結果となってしまった。「嫌なトセイだな~」。

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