ご朱印を神社で押してもらい、全国を旅する女子が増えていると知人の神主が言っていた。昨年から急に増えてきたのだと。小さな安心をこつこつ積み上げて、大きな安心を求める、そんな気分でしょうか?


道の駅のスタンプラリーに似ているが、ご朱印は300円~500円を払って押してもらう。7割が女性で、20代から60代まで。こんな制度や習慣があることすら筆者は知らなかった。蛇腹折のご朱印ノートもあって持ち歩く。雑誌も売れていて地方別に押してくれる神社紹介をしている。パワースポットめぐりにも似ていて、元々弱い人間の神頼み依頼の半分遊び半分真剣の現象かもしれない。


「成功する人はなぜ神社へ行くのか」(サンマーク出版)も紹介してくれたが、神社へ行って祈っても会社を倒産させている人を数多く知ってるので、それは関係ないとは思う。


太古の昔から「聖地めぐり」が宗教の種類には関係なく流行している。お伊勢参りもそうだったし、キリスト教の聖地スペインのサンチアゴ・デ・コンポステーラ巡礼やチベット仏教の聖地やイスラム教徒のメッカやメジナ巡礼、ヒンズー教徒のインダス川での沐浴巡礼、ユダヤ教徒のエルサレム巡礼。縁結びの出雲大社、受験の大宰府、「生きている間に一度は訪ねたいところ」が、自分の信仰する宗教の聖地訪問だ。必ずそこに聖者といわれる人がいたのが共通点だ。呑み助の通うススキノにも聖女ママがいるのかもしれない。


しかし、神社めぐりは、なんとなく世界宗教のような規模壮大な世界ではなくて、ひっそり行われている。膨大な数の人間が移動する聖地参りは、日本では正月とお盆の実家帰りだ。地方から都会へ出稼ぎに来て(そこでマンション購入や戸建てを作っても)、長期の休みに実家参り。聖地は実家?親や先祖たち(お墓)を詣でる。日本における神は「親や先祖たち」だと知れる。


しかし、いずれ来る、老いた親の死去。帰る家もなくなる。将来、正月やお盆の帰省ラッシュはなくなる可能性があるということだ。


 

  1. 知り合いも御朱印帖を持っていました。女性ですが,若い頃に一人旅で訪ね歩いた道すがらのお寺のものでした。文学が好きで書棚にはぎっしりと古典から現代まで詰まっています。小説に登場する場所に行っていたのだと思います。僕の田舎は昔の街道筋で峠の手前の宿場と言うか,育った家屋は茶屋でした。近くの街には古い寺院や昔ながらの店も多く当時の名残を感じます。そんな中で古い蕎麦屋に入るとテーブルに一冊の単行本が置かれていて,この店の昔の場面描写が書かれていました。小説やドラマの場面を巡礼する旅も多いようですね。最近では中国で公開された昔の恋愛映画が大流行していて,日本のドラマやアニメのシーンの現地を訪れる方たちも多いようです。

  2. 神社は遊び場。

    神社めぐりはしたことがありませんが,神社を見つければ柏手を打つようにしています。田舎では神社は子供たちの遊び場として開放されていましたので親しみを感じて育ったせいでしょうか。天気のいい日は境内で,雨が降れば中に入って遊びました。神社の祭りごとは子供たちだけで準備をしました。いわゆる村の鎮守の神様ですね。

  3. 今も国会議員の靖国神社参拝が中国や韓国を刺激している。我が家は東京大空襲からも難を逃れ,長男も航空隊でも生き残り,あの戦争で全員命拾いしたが,もし兄が戦死していたら靖国にも参拝していたかも知れない。入隊時には,予科練生に混じって靖国に参拝に来た兄を,これが最後になるかも知れないと両親や姉たちが遭いに行ったが,軍律厳しい中,兄は一度だけ,家族にチラッと視線を向けただけで終戦まで家族の元へ戻れなかったようだ。まだ生まれていなかった僕には戦争の記憶は無いが,戦死者の家族はきっと参拝しているのだろう。参拝も個人個人の理由があると思うが,政治家が如何にも偽善的に参拝してスポットを当てられるのを見ると悲しい思いがする。現内閣の内,仏教の方(公明党)一人を除き,全ての方々が神道と言うから,靖国参拝は当然なのかも知れないのだが。

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