以前にデニソワ人の発見について書いたが、新しい発見や説がDNAの調べで判明しつつあり、またある人はこれまで獲得形質は遺伝しない、突然変異は遺伝するという通説を『獲得形質も遺伝する』という話もしていて、どんどん書き換えられていく学問である。そうならば、現代も私たちの見えないところである形質が次世代に残され伝わっていくこともあるわけで、いったいそれは何なのか?知りたいところである。

 

3種類の人類が共存(デニソワ人の出現)

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「NEWTON」(2016年3月号 5p)。ネアンデルタール人と私たちの先祖とされるホモサピエンスは数十万年も共生していて、SEXも行われていたというのが大体、人類学の常識であったが、さらに南シベリア、アルタイ山脈のデニソワ洞窟で2008年人骨が見つかった。DNA分析したところ約3万5000年前に絶滅したとされるネアンデルタール人と近縁であることがわかり、「デニソワ人」と名付けられた。


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同じ洞窟の5万年以上の地層からさらにデニソワ人の奥歯(大臼歯)が見つかり、それはネアンデルタール人や現代人より大きくオーストラロピテクスなどの初期人類にある歯茎より上の突起物が無かった。(ドイツ マックスプランク研究所)彼らは長い間、洞窟居住生活をしていた。そして、この地域ではネアンデルタール人もホモサピエンスの骨も発見されている場所なので、1か所から3種の人類の骨が出てきて、これら3つの人類は数万年間共生していたと想像される。


ということは、第四、第五の発見の新しい旧人がいつの日か実現して、共生した人類の数が増えるかもしれない。学問は日々生きている。損にも得にもならないが、知的な興奮だけは残してくれる。さらに新しい発見があることを。筆者は願う。

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