白鳥が南へ帰る季節がやってきた。
きょうは10月12日夜の10時30分。自宅は美唄の宮島沼から苫小牧のウトナイ湖への通過点にある。先ほどから2連隊の白鳥が鳴きながら渡っていく。千歳にデントコーン(酪農用の飼料になるトウモロコシ)畑を刈った後に、白鳥の餌になるよう、デントコーンを積み上げている農家がある。毎年、この畑に白鳥たちは降りて休みながら餌を食べ体力をつけたり、飛行の予行練習をしている。天気が良ければ、昼でも夜でも「この日時がチャンス」と思えば、飛び立つ。V字型にして飛ぶのだが、先頭の白鳥は疲れやすいから、時々交替しているはずと妻は言う。子供たちは真ん中で守られて進んでゆく。一番最後尾は「遅れが出ないよう羽根の強い成人の白鳥たちがガードしている」と言う。母親の分析らしくてそうかもしれない。
たとえがおかしいいが、社会人のサッカーチームに筆者が在籍していたときに、足が速くて上手な人はバックスに置くという鉄則があった。攻めも守りもできるからだ。下手で足の遅い私はいつも前衛(フォワード)であった。白鳥の群れが、予想通りの陣形で飛んでいるかはわからないが、彼らの声とともに冬がやってきますよと言われているみたいで憂鬱になる。北欧の画家ムンクが北の憂鬱さを描いたり、イプセン「人形の家」のノラが家出を突然したくなったりするのも心情的にわかる。ことしは、地震の影響で寒い冬空に電気が消えたらどうしようと考えている道民も多い。
知り合いは家族分の寝袋を早々に購入している。私は電池とガスボンベ、懐中電灯2本を買ったくらいで、どうしようかとおろおろしている。明るいニュースは石狩で北海道ガスと北電がガス発電を稼働させることで少しでも停電エリアを少なくする協力体制だ。厚真火力発電所に過重な役割を押し付けたのも電力の最大消費地札幌の存在だ。そこから北へ20キロに石狩市があって深堀の港がある。タンカー接岸OKな場所でそれを利用したのである。タンカーの接岸できるなら大型客船も停泊できる。万が一は越冬船の利用も考えて欲しい。
石炭手当。
暮らしのすべてが天然資源エネルギーに頼っている現状での産業や社会構造では、いつ危機がやってくるか不安ですね。備蓄にも限度があり、すべての産業や民間が備蓄に走ればエネルギーの供給も追いつかないでしょうし、新しい発電設備が出来たとしても原料は国内調達できない状況ですから心配は尽きません。苫東火力にしてもオーストラリア辺りから輸入してバルク船で運ばれた粉炭を室蘭や苫小牧港に一旦降ろして、ショベルローダでダンプに積載して発電所に運んでボイラーで燃焼させ蒸気タービンを回すのだろうと思いますが、台風や地震で海路が断たれないとも断言できません。九州や北海道は石炭王国だったのですがすべて閉山となった今、思えば、当時は原発神話が蔓延して、石炭は前時代の遺物のように追いやられたのでしょうが、原発の危険性を認識した現在では貴重なエネルギー資源だったと後悔するばかりですね。電力源だけでなく直接燃焼するストーブ当時は石炭手当なんてありましたね。冬が近づくと寒気対策を考えてしまいますね。
seto
ドイツはいつでも石炭を掘れるような形で閉山しているとも聞きます。道内にあるのは釧路の太平洋炭鉱で、東南アジアからの研修生
に石炭の掘方を教える場所として機能させているだけです。SLの出す煙も、いい景色と思えば、電力使わず自力走行ですから頼もしい
乗り物です。どうやって、この冬を乗り越えるか思案してますが、きょうスーパーで携帯ガスボンベ使用のストーブを見つけました。
9000円でした、2台買ってるおじさんがいて、考えていることは同じだと思いました。
昔の少年。
鳴き声で気付いて仰いだ月夜の空に飛ぶ白鳥の群れは美しいですね。見た目ではそう感じても、外来種の雑草などの種子や病原菌を運んでくる白鳥は、農家にとっては害鳥となるのでしょうね。南極のペンギンも写真では美しいですが写真家の話では、現場は辺り一面の糞の異臭と騒音らしいですね。
seto
糞と異臭は、匂いの出るテレビが始まると夕食時にはペンギンは流せない映像になります。美と醜は背中合わせで、性格の美が欲しい
気がします。整形が流行るとだれがどうなんだかさっぱりわかりません。ハクチョウはきょうの朝も2連隊飛んでいきました。6時の
鐘が東本願寺のほうから流れて、その中をハクチョウの鳴き声ですから風情ある朝でした。